
病気になる仕組み③「滞り」_陰陽営養学13
以前同タイトルの記事では「正気と邪気の戦いで、正気が負けたら病になるよ」という話を書きました。
その「邪気」は、外から入ってくるものと体内で生まれるものがあります。外からはいってくるのは、季節のせい、天候のせい、環境のせいだったりします。中で生まれるのは、体の陰陽バランスが崩れたところで、五邪が生まれてしまうパターンです。また、感情のせいで生まれる時もあります。(→五邪六淫七情)
実際はこの他に、外傷、感染症、房事過多があります。
そして、どういう分類なのかイマイチ理解しづらいものとして、「気の巡りが悪くなる」「天地の気の流れに合わなくなる」と発病するパターンがあります。これは上記のうちのどれなのか??謎ですが、存在してます。
そして、現代人の病はこれが多いのではないかと感じています。
一般的に(中医学の世界で、ですが)、気の巡りが悪くなっている状態を「気滞」と呼びます。気の巡りのポンプ機能は肝が司り、気は経絡という道路を流れたり、その周辺を満たしたり、肌の裏表辺りに張り巡っていたりします。身体中の至る所で気は仕事をしています。その巡りを「気機」と呼び、上下左右裏表に、行くべき方向に行ってくれるようにコントロールされています。悪い例を挙げると、肺の気が上に上逆すれば咳、胃の気が上逆すればげっぷ、脾の気が上に上がらないと下痢になったりしますし、お腹でたまってしまえばおならになってお尻から出ます。(においがあるオナラは、ただの気滞じゃなくて、湿邪や熱邪などが入ってることが多いです)
ただ溜まっている状態の気滞と、巡る向きがおかしくなってしまった気機失調があります。どちらも病の元です。
気の働きに「推動」というものがあります。ものを推し動かすということです。ということは、血や津液の流れはポンプだけでなく、気が生み出している部分もあります。
なので、気が滞ると血や津液も滞りやすくなります。そして気化作用(気が起こす体内の色々な化学変化など)も弱くなる。
津液の滞り「痰飲・痰湿」
津液の滞りについては別記事で紹介しています。そちらを参照していただければ助かります。
血の滞り「瘀血」
血の滞りは「瘀血」といい、しみ、あざなどもそうですし、ひどいものは血栓や静脈瘤などになります。
血がしっかりした「物質」なので、症状もわかりやすいものが多いですね。
痰と瘀血の混ざったものとしては、脂身やセルライト、できものや腫瘍などもそのようにとらえます。
どれになるかは、その人の他の体質によりますし、1人の人に何種類も発生する事もあるのは皆さんもご存知でしょう。
また、津液や血の滞りや塊ができると、それが気の巡りを邪魔するようになることも。笑えない負のスパイラルが誕生します。
気は血や津液と違って、物質ではあるものの、見えない・触れないもの。
だから、本来は動かして巡らせやすいんです。
体にできる「かたまり」「とどこおり」それが物質化した時、
命の危険のあるかたまりにならないように。
「気滞」の段階で養生したいものです。
そしてプラスで考えるべきことは、経絡に何かが邪魔してないかということです。邪魔者がありそうなら排除するチカラをプラスすることになります。
道路で横転してるトラックをイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。交通誘導だけではなんともなりません。トラックをどかさなければ渋滞は終わりません。
この、トラックに当たるものとして、瘀血や痰が存在している場合や、外邪がある場合があります。
気滞している時は、流れなくなっている気に対しての「理気」と、ポンプ機能を応援する「疏肝」のチカラを使います。
瘀血には「活血」、痰には「化痰」、水には「利水」、湿には「袪湿」です。
また、五邪六淫が邪魔者としてある場合があります。この場合は、各邪気に対抗するチカラを使います。例えば、寒邪には「散寒」や「温経」などです。
チカラを持つ食材
理気:いちご、柑橘、ライチ、カラシ
疏肝:ジャスミン、玫瑰花(ハマナスの蕾)、ターメリック
活血:鱈、牛、サフラン、紅花、酢、甘酒
破血:ヤツガシラ、すっぽん