
ミュージアム見聞録Vol.27|“カフェ”に集う芸術家ー印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで@三菱一号館美術館
みなさん、こんにちは。
今回は三菱一号館美術館で観覧しました「“カフェ”に集う芸術家ー印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで」について、記憶がまだ新しいうちに感想をまとめたいと思います。

1.印象的だったところ
本展は、19世紀後半から20世紀前半にかけての芸術潮流を「カフェ」という文脈から紐解こうとする展示構成でしたが、とても面白かったです!
具体的には、
カフェで議論を交わす芸術家
カフェ文化の拡張
カフェをテーマに描く都会生活の貧困・孤独
といったカテゴリーで作品が展示されており、カフェが近代芸術において果たした役割が紹介されていました。

19世紀後半においてカフェという空間は、既存のサロンが作り上げてきた伝統的な絵画表現に疑義を呈していた画家たちの集いの場でした。印象派と呼ばれている人たちなんかも盛んに議論していたそうですよ。

オーギュスト・ルノワール
1875年頃
油彩、カンヴァス
ひろしま美術館蔵
そこから時代が降って世紀末になると、カフェ文化が伸長したことはすでに述べたとおりですが、ポスター芸術が一役買っているのが興味深かったです。
顧客を呼び込みたいカフェ(キャバレー等も含む)が当時のポスター界の帝王ジュール・シェレにポスター制作を依頼し、競い合うように街中にポスターを貼り出したそうです。
その中でシェレは明るく軽やかで躍動感あふれる女性像を用いることで夜の世界の健康的な魅力を伝えたのでした。
そのようなシェレの女性像のことを「シェレット」といいます。作品単体の写真を撮り損ねてしまっていました…

ちなみにミュシャの《ジスモンダ》もありました。ついつい反応してしまいますよね。

アルフォンス・ミュシャ
1894年
カラーリトグラフ
京都工芸繊維大学美術工芸資料館所蔵
最後に気を引いたのは、ピカソの作品です。

パブロ・ピカソ
1902年
油彩、カンヴァス
ひろしま美術館蔵
ピカソを挙げるのはちょっと王道な気もしますが、個人的はどうしても《アヴィニョンの娘たち》や《ゲルニカ》のようなキュビスム作品の印象が強かったのでこの作品は何だか意外でした。
こちらに背を向けてそれぞれ項垂れている二人の女性、真ん中に一つだけ置かれたグラス、そして画面全体を覆う青?緑?色の前景。
二人の女性の交わることのない視線からも何ともいえない雰囲気の暗さが醸し出されていますよね。
前衛芸術家たちの議論の場として始まったカフェは、世紀末には娯楽文化の拠点として芸術と社会とを繋ぐ役割を担い、20世紀初頭には近代都市の歪みである『貧困』や『孤独』を映し出す鏡となりました。本展の観覧を通じ、その多面的な歴史的変遷を鮮やかに読み解くことができました。
3.次回もお楽しみに!
久々に大好きな種類の展示に巡り合うことができました!

いつかこのような展示ができるようになりたいものですね…
ではまた次の記事でお会いしましょう!
▼前回の記事はこちら。もしお時間がありましたら合わせてご覧ください。