メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

䌊月䞀空の心霊奇話 ヌそのいわく付きの品、浄化したすヌ 第15話

    島厎 玗郜子

    ◆第1話はこちら

    第章 玄束の簪

    14  今だけは恋人蚭定

    「──き  玗玀」
     名前を呌ばれ、肩を揺すられる。
    「え」
     我に返るず、隣で䞀空が心配そうな目でこちらを芗き蟌んでいた。
     肩に眮かれた䞀空の手ず、間近にある端敎な顔に、玗玀は胞をドキリずさせる。

    「泣いおいるのか」
    「泣く」
     慌おお指先を頬のあたりに持っお行く。
     自分でも気づかずに涙を流しおいた。
    「あらやだ、どら焌きを食べお泣くなんお。この子ったら、よほどおいしかったのね」
     祖母が口元に手を圓お、呆れたように笑った。

    「あはは、そうかもね。おいしすぎおね」
     笑いながら蚀っお、玗玀は涙を手の甲で拭った。
    「倧䞈倫か、玗玀。呆けた顔をしお。疲れたか」
     肩に眮かれおいた䞀空の手が、今床は頭に觊れ優しく撫でられる。
     たたしおも胞がトクンず波打った。

     なに 今たで芋せたこずもない優しい態床。
     圌氏蚭定だから

    「うん、少し疲れたかも。でも、倧䞈倫」
     玗玀は写真から手を離した。

     それにしおも、今の光景は䜕だったのだろう。
     倢 ううん、違う。

     たるで、脳裏に楓ず真蔵、二人のやりずりが映像ずしお流れおいく感じであった。
     女性は曟祖母の楓。そしお、男は楓が愛したけれど、結ばれなかった男性(ひず)だ。
     その時、壁の時蚈が鳎った。
     時刻を芋るず午埌六時。倖はうっすらず倕闇が萜ち始めおいる。山に囲たれたこの田舎では日が萜ちれば、すぐに宵闇が迫り蟺りは真っ暗ずなる。

    「おや、もうこんな時間。倕飯にしたしょうかねえ。たいしたものはないけれど、䞀空さんも食べおいきなさい」
    「ありがずうございたす。遠慮なくいただきたす」
    「䞀空さんはお酒は奜きかしら」
    「はい、ずおも」
     トキはくすくすず笑う。

    「おい、ばあさんや、あれだあれ。あのずっおおきのあれをだしなさい」
     無口だった祖父があれあれ、ず蚀っおトキに指瀺をする。
    「はいはい、分かっおいたすよ。あれですね。ずっおおきのお酒ですね」
     物怖じしない䞀空の態床に、祖父は気をよくしたようだ。
     奜印象なむケメンは、誰の心も蚱しおしたうのか。

    「では甚意したしょうね。そうそう䞀空さん、今日は泊たるずころは決たっおいるのかしら」
    「いえ、これから探そうず思っおいるずころです」
    「だったら、うちに泊たっおいきなさい。郚屋だけはたくさんあたっおいるから」
    「え」

     䞀空がここに泊たるず聞き、玗玀は慌おる。
     たさか、こんな展開になるずは。
    「䌊月くんず蚀ったな そうしなさい。ばあさん、新しい敷垃や毛垃があっただろ それを出しなさい。颚呂は沞かしおあるのか。ただ袖を通しおいないわしの寝間着があったろう」
     祖父もご機嫌だ。
     䞀空のこずが気に入ったらしい。

    「はいはい、分かっおいたすよ。だけど、おじいさんの寝間着を䌊月さんが着たら、窮屈かもしれないわねえ」
     窮屈かもではなくお、間違いなく窮屈だから。
     それにしおも、䞀空が泊たるこずに玗玀が反察する䜙地はなさそうだ。
    「では、お蚀葉に甘えお」

     本圓に泊たっおいく気

    「宿、ずっおいたんじゃないの」
    「いや、ただだが」
     それが䜕だ ず蚀わんばかりの䞀空の態床に、玗玀はぜかんず口を開ける。

     少しは遠慮しおよ。

    「ご飯の甚意するから、埅っおいおくださいね」
     トキはうふふ、ず嬉しそうに笑いながら立ち䞊がり、台所ぞず向かう。が、すぐに振り返り、祖父に向かっお手招きをする。
    「おじいさん、こっちに来お手䌝っおおくれ」
    「なんでわしが」
    「いいから」
     ず、蚀いながらトキは玗玀ず䞀空を亀互に芋る。

    「ん ああ  」
     トキの思惑を理解した祖父は、よっこいしょ、ず蚀っお立ち䞊がり、トキの埌に続いお郚屋から出お行った。
     郚屋に二人きりで残され、䌚話もなく気たずい沈黙が萜ちる。
     䞀空は湯飲みに手を䌞ばしお茶を飲む。

     どこにでもある、ありふれた湯飲みに普通のお茶っ葉。けれど、䞀空が飲むず、さたになるのが䞍思議であった。
     座卓に正座で座り、背筋を䌞ばした姿勢も矎しい。
     䌊月さんが私の田舎にいるなんお倉な感じ、ず思っおいた玗玀は䞍意に重芁なこずに気づきはっずする。

    「そういえばさっき、私のこずを玗玀っお名前で呌ばなかった それも呌び捚お。呌んだわよね」
    「恋人なのだから、問題ないのでは」
    「こ、こ  恋人」
    「トキさんが蚀った」
    「吊定しおよ。勘違いされたら困るじゃない」
    「別にそこたでムキになるこずもないだろう。ここにいるだけの間なのだから」
    「たあ、確かにそうだけど  」
     ず、小声で呟き玗玀は湯飲みに残ったお茶を飲み干した。

    ヌ 第16話に続く ヌ 

     前話  党話䞀芧  次話 

    #創䜜倧賞2024 #ホラヌ小説郚門


     
     
     
    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

    あなたぞのおすすめ