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心霊食堂 旅立ちは 思い出の味で 第33話

    島厎 玗郜子

     ◆第話はこちら

    第章 蚘憶のしょうが焌き

     匕き寄せられるように

     突然、䌚瀟が倒産した。
     先月のお絊料も貰えおいない。
     おそらく今月分も期埅できないだろう。
     なんたっお瀟長が倜逃げ同然で姿をくらたしたのだから。たさか、こんなこずが実際に自分の身に起きるずは予想だにしなかった。
     さらに、こういう時に限っお悪いこずは重なるもので、䜏んでいたアパヌトも老朜化で建お替えが必芁ずなり、立ち退かざるをえなくなった。
     けれど、収入がないから他のアパヌトも芋぀けられず、結果、次の䜏む堎所も決たらないたた路頭に迷う矜目になった。
     しばらくは満喫や友人宅を転々ずした生掻をしおいたが、なけなしの貯金も底を぀き、い぀たでも友人を頌るわけにもいかない。
     公園で眠るにはこの時期は寒すぎお、䞋手をするず死ぬ。

     さお、どうしよう。
     お金がない。
     仕事もない。
     運もない。
     重なる䞍幞に打ちのめされお気力もない。

     これからどうやっお暮らしおいけばいいのか。やはり、恥を忍んで頭を䞋げ実家に頌るべきか。
     それ以倖の方法が思い浮かばない。
     ちょうど、祖母が突然倒れたず連絡があり、今倜実家に垰る予定だ。
     今埌どうするのか、話し合いになるだろう。ずはいえ、実家に垰っおも蟺鄙な田舎町のため就職先は期埅できない。

     ああ、お腹空いたな。

     ポケットに手を突っこむず、出おきたのは円。
     なけなしのお金も、実家に垰るための切笊を買ったため、これが正真正銘今の党財産だ。

     䜕か食べようか。

     コンビニに行けばパンず枩かいコヌヒヌくらいは買える。それだけで腹は満たされないが、実家に戻るたでの我慢だ。
     そんなこずを思いながら歩いおいるず、ずお぀もなく食欲をかきたおられる、いいにおいが挂っおきお足を止めた。空きっ腹にこのにおいはあんたりだ。
     突然、道路の真ん䞭で立ち止たったものだから、呚りを行く通行人が避けきれず、肩にぶ぀かっおきた。
    「す、すみたせん」
     あからさたに邪魔だ、ずいう目で睚たれ謝りながら頭を䞋げる。
     おいしそうなにおいが匕き金ずなっお、空腹が空腹を呌び、お腹がぐうぐうず鳎り始めた。

     腹を空かせた僕を打ちのめす、このにおいはどこから挂っおくるのか、ず蟺りを芋枡す。どうやら、路地裏の方から流れおいるようだ。
     誘われるようにしお路地裏に足を運び、しばらく歩いたずころで、䞀軒の店の前に立ち止たった。
     食欲をそそるにおいの元はこの店からだ。
     小さいながらも、店構えは排萜た感じの小料理屋。
     小料理屋ずいうず、敷居が高そうで入りづらいずいうむメヌゞしかなかったが、その店は気取った感じのない倖芳で、店内からもれる灯も枩かみのある雰囲気だった。

     ガラス匵りの窓から䞭を芗ける。
     優しげな光を攟぀照明にく぀ろげる内装。
     店の看板を芋るず『想』ず曞かれおいた。
     たった円しか手持ちがないこずも忘れ、匕き寄せられるように、おそらく無意識に店の䞭に足を螏み入れる。
    「いらっしゃいたせ。お奜きな垭にどうぞ」
     ランチ時間ずディナヌの間ずいう䞭途半端な時間垯のせいか、店内には客はいなかった。
     回りを芋枡し、どこに座ろうかず悩んだが、結局カりンタヌ垭に腰をかける。

     座った瞬間、ほっず息がもれた。
     座り心地もいいし店の䞭は暖かくお萜ち着く。
     どうぞ、ず差し出された茶をすする。
    「枩かい  」
     思わずもれた呟き。少しだけ生き返った心地を味わう。
     目の前に備えられおいるお品曞きに手を䌞ばし、䜕を頌もうかず悩む。
     どれもおいしそうで、口の䞭でじゅるりず唟があふれおくる。しかし、䜕床も蚀うが手持ちは円しかない。
     じっくりず、䜕が食べられるかを探すようにお品曞きを眺めるず、豚汁ずいう文字に目が止たった。
     これなら手持ちのお金で食べられそうだ。それに、豚汁なら具もたくさん入っおいるし、きっず満腹になれるはず。
     もし足りなかったら、お茶をおかわりしお腹を膚らたせるのだ。
     八尋は顔を䞊げ、カりンタヌの向こうに立぀店䞻を芋䞊げる。

    「豚汁をください」
     豚汁だけ頌むずいうのも、なかなか気が匕けるものであった。
     泚文はそれだけですか、ずいう顔をされたらどうしようず心配したが、店䞻は穏やかな笑みで察応しおくれた。
     それ以䞊、䜙蚈なこずを口にするこずもなく、調理に取りかかる。

    ヌ 第34話に続くヌ

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    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

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