メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

転生したら埌宮劃!? ―料理で陛䞋の胃袋を掎んだら、寵劃になっおしたいたした― 第話

    ◆第話はこちら

    第章 底陛䞋ず朝を迎える いや、ほんずに䜕もなかったから

     ただただ自分は甘かった

     寧貎劃の犁足を解くには、皇后に危害を加えたのは圌女ではない、むしろ皇后に嵌められたのだずいう動かない蚌拠が必芁だ。そうでなければ皇垝は動かない。宮䞭では真実を突き止めるこずがすべおではないから。
     厚房に立ち、䞀心は料理の䞋ごしらえをしおいた。
    「姉姉、今日の料理はなんですか」
     詩倏が手元を芗き蟌んできた。
    「鎛鎊鍋っおこずは、火鍋フオグオですね」
     鎛鎊鍋ずは、䞭倮を倪極の陰陜に芋立おお仕切られた䞞鍋のこずである。
     火鍋の味の決め手は、スヌプの味付けでもある鍋底グオディだ。

     䞀心は二日前に仕蟌んでいた鍋底を取り出す。
     これは倧量の唐蟛子を熱湯に挬け、さらに菜皮油に銙蟛料を挬ける。菜皮油にナツメ、枞杞の実、束の実、蓮の実、陳皮、桂皮、ナツメグ、八角、花怒などの銙蟛料を挬ける。
     䞀心はニンニクの塊を手に取る。それを砕き生姜を刻む。先皋、湯に挬け蟌んでいた唐蟛子をざるにあげ、二本の包䞁を亀互に叩いお现かく刻む。
     鍋に油を熱しお葱を入れる。銙りがたっおきたら、葱を取り出し牛脂をず倧蒜、生姜を投入。さらに豆豉ず刻んだ唐蟛子、豆瓣醬も入れおしばらく炒める。
     炒めたそれらに、氷砂糖、残りの銙蟛料、泡怒、さらに唐蟛子、湯円を䜜った時に䜿った酒醞を入れゆっくりず炒めたものだ。鍋底を鎛鎊鍋に入れ、豚肉ず牛骚でずった出汁をそそぐ。瞬く間にスヌプが赀色に染たった。

    「出汁の色が赀くなっおきたしたね。蟛そう」
     食欲を誘う色ず銙りに、詩倏はごっくんず唟を飲み蟌む。
     火鍋は蟛いだけの鍋ず敬遠されがちだが、さたざたな薬膳玠材を䜿っおいるため矎容ず健康にもよいのだ。
     枞杞の実は滋逊匷壮、糖尿病予防。蓮の実には、粟神を安定させる䜜甚。束の実は矎肌効果や県粟疲劎などなど。どれも、健康に効果のある食材ばかり。
     さらにもう片方のしきりに癜湯スヌプをそそぐ。
     埌は鍋に入れたいお奜みの具材を甚意しお、できあがりだ。

     䞀心は腕を組みうん、ず頷いた。
    「薬膳たっぷりのこい぀を食べれば、少しは気力䜓力を補えるだろう」
     䞀心の蚀葉に詩倏はくすりず笑う。
    「なんだかんだ蚀っおも、やっぱり姉姉は陛䞋のこずを気づかっおいるんですね」
    「誰があい぀のこずを気づかうんだよ。少しでも寧貎劃に元気を出しおもらおうず思っお䜜っおんだ。昚日䌚ったけど、かなりや぀れおいたからな」
     詩倏ははいはい、ず盞づちを打っおいる。
     いくら䞀心が愛する寧貎劃のためず蚀っおも信じようずしない。それどころか、燕鶯のためず正盎に蚀えなくお、照れ隠しにそう蚀っおいるず思われおいる。
    「皇后さたのおなり」
     そこぞ、皇后が月明宮にやっお来たこずを告げる声が響いた。

    「皇后がなんでここに」
     䞀心は慌おお厚房から出お皇后を迎えた。
    「皇后嚘嚘、ご挚拶いたしたす」
    「楜にしおちょうだい」
    「感謝いたしたす」
     皇后は月明宮を芋枡した。
    「盞倉わらず、月明宮は賑やかね。陛䞋が毎日通いたくなるのも頷けるわ」
     ここ最近燕鶯は凜嬪以倖の劃のずころぞは通わず、それこそ毎日月明宮で食事をずるようになった。皇后に蚀わせれば、凜嬪が寵愛をいいこずに我が儘を蚀い、陛䞋を独り占めしおいるず他の劃にも蚀いふらしおいるらしい。
     独り占めする぀もりは党くないからいい迷惑だ。むしろ、連れ返っお欲しいくらいだ。
     皇后はちらりず厚房を芋やった。

    「陛䞋の倕选の膳を䜜っおいるのね。最近、陛䞋の顔色がよいのも、凜嬪が食事に気を遣っおくれおいるおかげね。少し厚房を芋おもいいかしら」
     嫌だずは蚀えない。
    「もちろんです。どうぞ、こちらぞ」
     䞀心は皇后ずお付きの䟍女を厚房ぞず案内する。
    「これは」
     皇后は竈でぐ぀ぐ぀煮えおいる鎛鎊鍋を芋る。
    「今日の倕选に火鍋を䜜りたした」

     䞀心は火鍋の効果を説明する。しかし、皇后はろくに䞀心の話を聞かず、呚りをさっず芋お回っただけで、すぐに出お行っおしたう。
    「もういいわ。凜嬪の䜜る料理が芋おみたかっただけよ」
     凜劃の料理を芋たかったずいうわりには、あたり興味も瀺さず、皇后は月明宮から去っお行く。
     䜕しに来たんだ
     銖を傟げながら再び厚房に戻る。
     寧貎劃の分も先皋届けたが、もう䞀床味芋をしようず、おたたを手に、䞀心は鍋のスヌプをすくい味を確かめる。
    「さすがオレ やっぱうたいぜ」
     腰に手をあお䞀心は満足そうに頷く。

     さお、そろそろあい぀が来る頃だ、来たらすぐ料理を出せるよう準備しおおくか。
     䞀心はいったん正殿に戻るため厚房を出る。倖に出た途端、傟き駆けた陜がたぶたに刺さり䞀心は手で目元を芆った。
     眩しいなあ。あれ 目がぐるぐる回る。立っおいられない。䜓に力が入らない。
     うう  吐き気がする。気持ちが悪い。
     䞀心は胞のあたりを抌さえた。そこに小さな小袋の感觊。
    「姉姉」
     䞀心の様子がおかしいこずに気づいた詩倏が、駆け寄っおきた。
    「しっかりしおください姉姉 誰か䟍医を呌んで、早く」
     薄れおいく意識の䞭で、ただただ自分は甘かった。もっず譊戒するべきだったず埌悔するのであった。


    「毒を盛られたしたな」
     䞀心の脈をずっおいた䟍医は、あごひげをなで、難しい顔でそう告げた。
    「毒ですっお」
     林杏が悲鳎のような声をあげる。
    「凜嬪さたが口にしたものすべお調べたした。鍋から借竹桃の葉が混入しおいたようです。そのせいで䞭毒症を起こしたのでしょう」

     借竹桃は花、葉、枝、根、果実、土壌、朚を燃やした煙さえも有毒な怍物だ。
     確かに䞀心は鍋の味芋をしおすぐに倒れた。ただちに火鍋の䞭身が改められ、そこから毒性の匷い借竹桃の葉が発芋されたのだ。
    「毒だなんお、姉姉は助かるのですか」
     詩倏が䟍医を問い詰める。

    「さいわい、凜嬪さたが握っおいた袋の䞭に解毒剀が入っおおり、それを飲たせたおかげで呜は助かりたしたが、もし、解毒剀がなかったら  」
     脈を取り終えた䟍医は、ゆっくりず銖を振る。
    「いったい誰が鍋に毒を、心圓たりはありたせんか」
     䟍医の問いかけに詩倏は口を開こうずする。しかし、すぐに林杏にずめられた。
     誰が芋おも、突然やっお来お厚房にたで入った皇后ず皇后の䟍女が怪しいのは明らかだ。だが、今ここで䜙蚈なこずは口にするなずいう意味だ。

     埌宮で呜の取り合いなど日垞茶飯事。自分がのしあがるためには、他人を蹎萜ずすのは圓たり前。特に凜嬪はこの短い期間で䞀気に劃にたで登り詰めた。誰もが凜劃に恚みを抱き亡き者にしようず考えおもおかしくない。
    「姉姉、どうか目を芚たしお。姉姉が助かるなら私の呜をあげおもかたわない」
     詩倏は泣きながら凜嬪の手を握る。
    「しばらく逊生しおいれば回埩したしょう。埌ほど薬を煎じお届けたす」
     䟍医は立ち䞊がり、瀌をしお郚屋を退出しようずする。
    「凜花」
     燕鶯の声が響いた。凜嬪が倒れたず聞き、駆け぀けおきたのだ。

     ベッドで眠る李凜花の姿を芋た燕鶯は、顔を青ざめる。
    「凜花、倧䞈倫か 凜花」
     燕鶯が䜕床名を呌びかけおも、目芚めるこずはなかった。
    「凜花は倧䞈倫なのだろうな」
     厳しい衚情で燕鶯は䟍医を問い詰める。
    「解毒剀が効いたため、呜は助かりたしょう」
    「だが、なぜ凜花は目芚めない」
    「陛䞋」
     動揺する燕鶯を、偎仕えの孫旺千が、萜ち着いおくださいず宥める。
    「凜花に䞇が䞀のこずがあったずきは  いや、ずにかく必ず治せ わかったな」
     抌し殺したような声で蚀う燕鶯に、䟍医はひざたずき埡意ず答えた。

    #創䜜倧賞2026 #ファンタゞヌ小説郚門

     
     
    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

    あなたぞのおすすめ