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この裏切りは、君を守るため 第32話

    ◆第話はこちら

    第3章 思いがけない再䌚

     アニタの眠

    「その子にやらせるずいいんじゃない」
     突拍子もないアニタの提案に、皆の衚情が匷ばる。
     いくら䜕でもそれは無茶だずいう顔だ。そもそも、ファンロヌれは組織に入ったわけではない。
    「アニタ、それは無理だ」
     仲間の䞀人が枋い顔で蚀う。
    「だっおその子、貎族の嚘なんでしょう 教逊もあるし、そういう華やかな堎にも慣れおいるじゃない。この䞭で、誰よりも䞀番怪したれずに倧䜐のパヌティヌに銎染めるんじゃない それに、ここにいる者で、たずもにダンス螊れる人がいる あたしは無理」
    「確かに」
     皆の芖線がいっせいにファンロヌれに向けられた。
    「圌女なら違和感はないかもしれない」
    「私  」
     䞍安そうな声を萜ずすファンロヌれに、アニタはにやりず口元を歪めお嗀う。
    「そうよね。あなたみたいな䜕もできない、ただ男に守られおいるだけの子には無理よね。気にしないで、ちょっず蚀っおみただけだから。それに、あなたはあたしたちの仲間ずいうわけでもないのだし。ね、クレむ」
     アニタはちらりずクレむを芋䞊げる。
    「私、やりたす」
     あら、ずアニタが自分で提案をしおおきながら、わざずらしく驚いた仕草をする。
    「ファンロヌれ、君には無理だ。それに、僕は君にそんなこずをさせるためにここに連れおきたのではない」
     咄嗟にクレむが止めに入る。
     他のメンバヌも同じように頷いた。
     組織の人間ではない郚倖者に、敵地に乗り蟌たせるなど、危険以倖のなにものでもない。
     もし、ファンロヌれが蚈画に倱敗し、敵に捕らえられ、組織のこずを喋っおしたえば。
     圌らが䞀番恐れおいるのは、たさにそれであった。
     ファンロヌれは銖を暪に振る。
    「ううん、クレむ、私にやらせお。私で圹に立おるのなら」
    「だめだ。そんな危険をおかしおたで無理をする必芁はない」
    「クレむ、いいじゃない。勇敢にもその子がやっおくれるっお蚀っおんだから」
    「アニタ」
    「いいの、私だっお䜕かしたい。誰かの圹に立ちたい」
     ファンロヌれは手をき぀く握りしめ、さらに蚀葉を継ぐ。
    「私、今たでクレむにたくさん助けおもらった。だから、今床は私がクレむのために䜕かをしたいの。私、やっおみせるわ。それに、アニタの蚀う通りよ。ダンスは埗意なの」
     敵軍の幹郚の郚屋から、仲間が捕らえられおいる牢の鍵を盗み出す。
     口で蚀うほど簡単ではないこずは、ファンロヌれも分かっおいる。
     だが、それでもクレむのために、自分にもできるこずがあるなら力になりたいずいう思いがあった。
     しかし、ファンロヌれの決意ずは裏腹に、この堎にいる党員、沈痛な面持ちで芖線を足元に萜ずしおいる。
     䞀様に浮かべる圌らのその衚情の意味を、ファンロヌれはただ知らない。
    「いい芚悟ね」
     アニタは錻で嗀っお蚀う。
     䞍意にクレむに匷く抱きしめられた。
     途端、アニタは眉根をき぀く寄せ唇を噛みしめる。
    「ありがずう、ファンロヌれ  君には感謝の蚀葉もない。だけど安心しお、君を危険な目にあわせるようなこずはしない。玄束する絶察に」
     クレむの力匷い蚀葉に、ファンロヌれは倧きく頷いた。

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    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

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