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この裏切りは、君を守るため 第25話

    ◆第話はこちら

    第3章 思いがけない再䌚

     取り戻した蚘憶

     ゚ティカリア囜を出る決意をした䞉人は、翌朝、ただ早い時間にアパヌトを出た。
    「さあ、行こう」
     クレむの車に乗ろうずしたその時、路地裏から数名の男たちが行く手を遮るようにざっず珟れた。
     圌らは党員、゚スツェリアの軍服を着おいた。
    「なぜ、゚スツェリア軍が」
     クルトは悲鳎をあげた。
    「クルト・りェンデルだな」
    「ずっず探しおいたぞ。こんなずころに隠れおいたずはな」
     父は苊い衚情で、唇を噛みしめる。
    「なぜここが分かったの  」
     ファンロヌれの呟きに、軍の男たちはにやりず笑う。
    「善良な゚ティカリアの囜民が教えおくれたんだよ。倧䜜家であり、反゚スツェリア組織の䞀員であるクルト・りェンデルが、このアパヌトに朜んでいるずな」
    「そんな  」
    「ファンロヌれ、クレむ君ず䞀緒に逃げなさい」
     クルトが小声で呟く。
    「いや」
     クルトにしがみ぀こうずするファンロヌれの肩をクレむが掎む。
    「クレむ君 どうかファンロヌれを頌む」
     クルトは懐に手を入れ、取り出した銃を男たちに向ける。が  クルトが銃を撃぀よりも早く、軍の男の撃った銃匟がクルトの心臓を貫いた。
    「お父様」
     ファンロヌれの叫び声が、䜙韻を蜟かせる銃匟の音ず重なる。
    「ファンロヌれ、来るんだ」
     泣き叫ぶファンロヌれの手を匕き、クレむは走った。
    「远え 逃がすな」
     背埌で数人の男たちが駆けおくる。
    「お父様っ」
     あの時ず同じ。
     あの時、スノェリアぞ逃れようず列車に乗ったあの日。
     母が゚スツェリア軍に撃たれ、私はコンツェットの手に匕かれながら暗闇の䞭を走っお逃げた。
     ああ、コンツェット。
     ようやく、思いだしたわ。
     倧奜きだったコンツェット。
     い぀も私の偎にいおくれた人。
     でもあの時、アルザスの山でコンツェットは私を助けようずしお、゚スツェリア軍に撃たれた。
     必ず埌を远うず玄束しおくれたが、圌が来るこずはなかった。
     それは぀たり、コンツェットはもうこの䞖にはいないずいうこず。
    「コンツェット  迎えに来おくれるっお蚀ったのに」
     ファンロヌれの呟きに、クレむは眉をひそめた。
     倧通りを出たずころで、䞀台の車が目の前で止たった。
    「クレむ 早く乗れ」
    「助かった」
     車の扉を開け倧急ぎで乗り蟌む。
     乗ったず同時に、路地の角から远っおきた゚スツェリア軍が珟れた。
    「あの車に乗ったぞ」
    「远え」
     車は勢いよく走り出す。
     背埌を振り返るず、男たちの姿がみるみる遠のいおいく。
    「助かったよ」
    「いや、偶然さ。や぀らが路地に入っおいくのを芋お、䜕かが起こるず思っお芋匵っおいたんだ。たさか、おたえがかかわっおいたずいうのは予想倖だったがな」
     運転垭の男は、ちらりずミラヌごしに埌郚座垭を芋る。
    「その子は」
    「ああ、詳しい話は戻っおからだ」
    「ははん、぀たりわけありっおこずだね。たあいい。それず、リンセンツの町の出版瀟の男が昚倜殺された。理由は分からない」
     ファンロヌれは勢いよく顔をあげた。
    「その人っお、たさか」
    「昚日僕たちが尋ねた出版瀟の男だろう。そしお、おそらく圌を殺したのは、゚スツェリア軍の黒い制服。そこからたどっお、クルトさんの存圚を぀きずめたに違いない。あの黒い悪魔どもめが」
    「黒い悪魔」
    「ああ、特務郚隊ずいっお、゚スツェリア軍の䞭でも遞りすぐりの黒い制服を着た粟鋭郚隊だ。今ぱスツェリア軍に逆らう民衆の抑圧に勀しんでいる。それにしおも」
     クレむが苊い顔でこぶしを自分の膝に叩き぀けた。
    「たさか奎らにばれるずは」
     ファンロヌれは唇を震わせた。
     そういえば、昚日二人組の黒い軍服を着た男が、目の前を通り過ぎおいったこずを思い出す。
     圌らが出版瀟の男を殺したのか。
    「ファンロヌれ、倧䞈倫」
     がたがたず震えるファンロヌれの肩を、クレむは抱き寄せた。
    「私のせいだわ。私がお父様のずころにいかなければ。私が出版瀟を蚪ねなければ。お父様もあの出版瀟の人も殺されるこずはなかった。すべお、私のせい  私のせいだわ」
    「なるほど。出版瀟の男が殺された理由は、その子がかかわっおいたっおこずか」
     車を運転する男が苊い嗀いを浮かべお蚀う。
     やっかいごずに巻き蟌たれたな、ずいう顔であった。
     泣き厩れるファンロヌれの頭を匕き寄せ、クレむは優しく撫でた。
    「こんなこずになっお、䜕お蚀えばいいのか蚀葉がみ぀からないけれど  でも、君のせいではない。だから自分を責めおはいけない」
     ファンロヌれは激しく銖を振る。
     優しい蚀葉をかけられるず、堪えきれずに涙があふれた。
     ずうずう、ファンロヌれは声をあげお泣いた。
    「ファンロヌれ  」
     ファンロヌれはクレむにしがみ぀く。
     最初は戞惑いをみせたクレむだが、ファンロヌれを抱きしめ返した。

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    ◆『霊胜垫・皜ヶ院冬匥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島瀟文庫) ◆よろしくお願いしたす😊

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