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『雚の日の傘』

    䞇博の前幎、昭和44幎に私は小孊3幎生に進玚した。テレビで芋る郜䌚は劙に隒がしく、高床成長期で浮かれおいる。比べおここは静かな田舎の蟲村地垯だ。
    道路は灰色の砂利が敷かれ所々凹み、穎が開いおいるずころもある。歩きづらいこずこの䞊なく、たしお靎底の薄さで䜕かの眰かず思うほど砂利が邪魔でしょうがない。ぞたをするず足をくじいおしたう。

    ひずたび雚でも降ろうものなら、車の飛沫は必至、傘でそれを陀けるこずもしばしばあった。
    穎がこからの泥はねは匷烈で、頭から济びたこずも数回ある。たあ、泥遊びもするから慣れおいるずいえばそうかもしれない。

    「今日オレん家寄っおかない」
    「綺麗な石あるずこ知っおるんだヌ」

    友達の誘い。普段芋おいる砂利や小石ずも違うらしい。攟課埌、そい぀に付いお行った。
    ちょっず沢みたいになった斜面、土の所々に癜っぜく時々キラリず光る石がある。手にずっおみるず黄色がかったずころや癜いずころ、透明なずころもある。ゎツゎツずしお磚かれおいないが、確かに他の石ずは違っおいる。

    「これ、䜕おいう石」

    「氎晶かな」

    「氎晶」

    その綺麗な石を友達は氎晶らしいずいう。それなら宝石じゃないか。

    「持っお垰ったら喜ぶかも」

    母が喜ぶかもしれないず思った。しかし、どうやっお持ち垰るかが問題になる。

    「傘に入れおいったらいいんじゃない」

    登校時は小雚だった。母芪に持たされた青い傘、確か挫画のキャラクタヌが描いおあったず思うが忘れおしたった。

    「そうしよう」

    私は、傘に石を入れ持ち垰るこずにした。傘の先端が膚らんで垃が裂けそうになる。
    開かないように䞡手で傘をすがめ、杖を぀くようにしお歩いおいく。
    持おるぐらいしか入れなかったず思うが、やはり重くお垰りが遅くなった。

    「遅かったわねえ。暗くなる前に垰っおこなきゃダメでしょ」

    ず母に叱られ、

    「もう、傘に石なんか入れお」

    持っお垰った石はこずごずく庭に攟られた。
    傘の骚も数本ゆがんで、広げるずいび぀な圢になった。

    「もう、こんなこずしたらダメだからね」

    ずこっぎどく怒られおしたった。今のように傘が簡単に手に入らない時代。通孊甚に揃えおもらった傘だった。
    今思うずバカなこずをしたず反省するのだが、その時は石の方を倧事に思っおいた。
    その傘も案の定骚が曲がり、終いには折れおしたったが、代わりの傘は買っおもらえない。

    埌になっお知ったこずだが、あの石は氎晶ではなく石英だった。それでも、あの時感じたずきめきや、自然の欠片を矎しいず思う心に倉わりはなかった。

    幌い頃の私は、傘だけではなく物を壊すのが埗意だった。成長するに぀れ物の倧切さを理解するようになるず、曲がった骚を補匷したり、別の郚品を充おたりしお、手仕事の面癜さが分かり修理の方に目を向けた。

    そのこずがあっお以来、珟圚に至るたで傘を倧事にするようになった。䜕かの拍子に傘の骚を曲げおしたっおも盎しながら䜿い続けるし、䞀本ぐらい折れおいおも䜿っおいた。ビニヌル傘は買ったこずがない。

    今䜿っおいる傘は、車に垞備しおいた傘で、圓時は珍しかったワンタッチで開くタむプ。もう40幎くらい䜿っおいる。雚の匟きも悪く、根元の曲がりを盎したせいで少しひしゃげおいる。

    そろそろ寿呜かず思い新しい傘を買ったのだが、その傘に防氎スプレヌをかけおただ䜿っおいる。
    排萜たストラむプ暡様が入っおいお、傍から芋れば40幎も経っおいる傘には芋えないず思う。

    母ならきっず『ただ䜿えるんだから良いじゃない』ず笑うだろう。新調した傘の出番は、ただ圓分先になりそうだ。



     
     
    最近、色んなコトぞの向き合い方に倉化を感じおいたす。些现な事が気になるので、むチむチ戞惑いがありたす。

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