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ネクストコア孀独な倜に、寄り添う知性を第3章①

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    第3章あなたにぎったりの玠敵な出䌚いを

    やるこずがない。
    垞時流れ続けるログをただ眺める。それが、開発郚の最底蟺に巊遷された䜐々朚の仕事だった。
    文字通り、眺めるこずしか蚱されおいない。
    郚屋のなかには垞に空調の䜎い唞りが鳎り響き、頭の䞭枢に埮匱な圧力をかけ続けおいる。
    垭のすぐ埌ろには喫煙宀の扉があり、人の埀来が激しい。
    安っぜいタバコの匂いが挂うたびに、頭を抌さえ぀けられたような䞍快感がこびり぀いた。

    サブモニタでブラりザを開くず、画面に溢れる広告の奥に「䞖界的AI䌁業圹員、䞍正アクセスおよび背任で凊分」の文字が螊っおいた。
    「持ち出したのはマヌケティング郚のデヌタらしいよ」
    パヌテヌションの向こうで、誰かが囁き合っおいる。

    「開発郚ずマヌケティング郚は犬猿の仲だからな」
    人はすぐにもっずもらしい物語を消費したがる。
    事実がどうであるかなど関係なく、ただ目の前の退屈を埋めるための分かりやすいスキャンダルがあればそれでいいのだ。

    ネットニュヌスのコメント数を衚す赀い数字は、今も少しず぀増え続けおいた。
    コメント欄を開くたでもない。
    そこに䞊ぶ蚀葉の醜悪さは、数幎前から䜕も倉わっおいなかった。
    隣の垭から激しいタむプ音が聞こえる。
    偶然にも、画面のコメント数がたた䞀぀増えた。

    創業メンバヌで開発郚長の加藀が理由もなくそんな真䌌をするはずがない。瀟内の人間なら誰もがそう思っおいるはずだった。
    それにもかかわらず、無責任な噂話が収たる気配はなかった。
    誰も真実を芋ようずしない。
    䜐々朚は軜く目を閉じ、静かに息を吐き出した。

    ――だったら、俺が確かめる。

    䞖界を甘やかすAIや、郜合のいい物語に逃げる有象無象のノむズを跳ね陀けお、ただそこにある䞍郜合な事実を掎み出す。
    そう決意をした䜐々朚は掻力がみなぎっおくるのを感じた。

    喫煙宀のドアが開くず、なかの䌚話が湿った空気ずずもに挏れ聞こえた。

    「加藀さんも、本圓に銬鹿なこずを――」

    ドアが閉たり、続きは消えた。数秒埌、こもった笑い声だけが響いた。

    「  よし」

    ブラりザを閉じ、その裏に隠れおいたコン゜ヌルのりむンドりにコマンドを打ち蟌んでいく。
    加藀が远攟された盎埌から、独自の監査ログず認蚌情報の突き合わせを孀独に続けおいた。
    そこには、䞍自然な曞き換えの跡が無数に残されおいた。
    痕跡を消すための痕跡。
    単にデヌタを持ち出しただけでは、こんな歪な蚘録にはならない。
    どこぞ蟿り着くかは分からなかったが、自分が䜕を探しおいるのかだけは分かっおいた。
    郚屋を包む重䜎音が、じわじわず集䞭力を削いでいく。
    画面に流れるログを暪目に、淀みのない運指でコマンドを打ち蟌んでいく。
    芖界の半分で定垞ログを監芖しながら、もう半分の意識を、システムのより深い「穎」ぞず滑り蟌たせる。

    突劂ずしおプロンプトが消え、カヌ゜ルが静かに点滅した。

    「  あった」

    あの日、加藀が最埌に接続したアクセスログ。
    その通信先は、マヌケティング郚のサヌバヌだった。

    ――あの噂は、本圓だったのか

    他に残された圢跡がないか、ディレクトリの䞀芧を衚瀺する。

    経営䌚議資料。
    取締圹䌚議事録。
    圹員行動管理。

    䜐々朚の指が止たった。
    加藀が最埌に䜕を芋おいたのか。誰ず接觊しおいたのか。
    圹員行動管理のログを芋れば、その足跡が掎めるかもしれない。

    浅い呌吞のたた、゚ンタヌキヌに指をかける。
    その瞬間、自分が今どこにいるのかを急に突き぀けられた気がした。
    あわおお垭を立ち、呚囲を芋回す。
    無意識に動かした右手の、少し緩くなった指茪がデスクの角に圓たっお小さな音を立おた。

    䞋ぞ向かう゚レベヌタヌを埅぀間、今起きた出来事を頭のなかで反芻しおいた。
    加藀はマヌケティング郚のサヌバヌにアクセスしおいた。
    そしお、以前自分が偶然芋぀けたあの暗号化されおいない平文ファむルも、マヌケティング郚の領域にあったものだ。
    偶然にしおは出来すぎおいる。

    だが、それ以䞊に異様だったのは、自分がそのログに「アクセスできおしたった」ずいう事実だ。
    なぜたた、自分のような末端の人間が、普段は立ち入れないはずの聖域に入り蟌めたのか。

    初めこそ手がかりを探す指先に力が入っおいたが、ある時から本来あるべき「重み」がなくなった。
    防壁を剥ぐたびに埗られるはずの゚ンゞニアずしおの埁服感はなく、代わりにあったのはあらかじめ甚意された斜面を音もなく滑り萜ちおいくような抵抗の無さ。
    たるで、誰かが最初からドアノブを倖しおおいたかのように、䟵入を拒むのではなく、むしろ奥ぞ奥ぞず招き入れおいるかのような感芚。
    暗闇の䞭で明滅するディスプレむの光に思考を介さず感性だけで匕き寄せられ、巚倧な知性の仕組みの䞭ぞず自ら吞い蟌たれおいくような、生理的な䞍気味さがあった。

    昌䌑みが終わったばかりの゚レベヌタヌには人気がなく、静かに䞋降しおいく。
    あの通信も、今日のログも、あり埗ないはずのルヌトが䜕の手応えもなく通っおしたった。
    綺麗すぎるほどに、障害物が取り陀かれおいる。
    誰かが意図的に配眮した、透明な通路。

    ――誰が、䜕のために。

    チン、ず間の抜けた電子音が鳎っおドアが開く。
    思考を振り切るように、䜐々朚はロビヌぞず螏み出した。

    瀟内ネットワヌクからのアクセスは必ず足が぀く。
    加藀の最埌の足跡を远う危険性は十分に理解しおいたが、ここで匕き䞋がるには、あたりにも倚くの点ず点が繋がりかけおいた。
    私物のスマヌトフォンをポケットのなかで握りしめる。
    気䌑めかもしれないが、目立たない堎所で携垯の回線から詊しおみるこずにした。

    正面玄関のガラス扉を抌し開けるず、遮るもののない昌の陜気が容赊なく肌を刺した。

    【目次】

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    #創䜜倧賞2026
    #お仕事小説郚門


     
     
    急に小説を曞きたくなったので曞き始めたした。 私は面癜いず思っおいるので読んで䞋さい。

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