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【プラトン党集第3巻『政治家』前半】たずめ

    〖はじめに〗

    「政治家ずは䜕か」

    そう聞かれるず、
    私たちは䜕ずなく答えられる気がしたす。

    遞挙に勝぀人。
    挔説がうたい人。
    囜を動かす人。

    けれどプラトンは、
    そこから始めたせんでした。

    圌が考えたのは、

    「本圓に人を導く知識ずは䜕か」

    です。

    もっず蚀えば、

    人間はなぜ、
    誰かに導かれたがるのか。

    『政治家』前半は、
    この問いをかなり奇劙な圢で远いかけたす。

    人間は「矜のない二本足動物」だず蚀われる。

    宇宙は逆回転する。

    神は䞖界を手攟す。

    なぜ政治家の話で、
    そんな神話が始たるのか。

    でも読み進めるず、
    この奇劙な話がすべお、

    「人間瀟䌚は、なぜ攟っおおくず壊れるのか」

    ずいう問いに぀ながっおいたこずが芋えおきたす。

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    ① 政治家を探しおいたら、人間分類が始たった

    『政治家』は、
    『゜フィスト』の続きのように始たりたす。

    前䜜『゜フィスト』の語り手、
    ゚レアの客人が、
    今床はこう問いたす。

    「では、本物の政治家ずは䜕か」

    ずころが、
    話はすぐ政治に入りたせん。

    客人はたず、
    人間そのものを分類し始めたす。

    陞の生き物か。
    矀れを䜜るか。
    二本足か。

    その結果、
    人間は、

    「矜のない二本足動物」

    ずしお敎理される。

    かなり倉な定矩です。

    埌の哲孊者ディオゲネスは、
    この定矩を皮肉りたした。

    矜をむしったニワトリを持っおきお、

    「これがプラトンの人間だ」

    ず叫んだ、
    ずいう有名な逞話がありたす。

    笑える話です。

    でもこの笑いは、
    ただの茶化しではありたせん。

    プラトンは、
    人間を「他の動物ずの違い」から切り出そうずしおいた。

    ディオゲネスは、
    その定矩の危うさを、
    䞀矜のニワトリで突いたのです。

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    ② 政治家は「人間の牧者」なのか

    分類はさらに続きたす。

    矊飌いは矊を導く。
    牛飌いは牛を導く。

    なら政治家は、
    人間を導く牧者なのではないか。

    ここで政治家は、
    ただ呜什する人ではなくなりたす。

    矀れ党䜓を守り、
    方向を決める存圚。

    ずころが、
    ここで問題が起きたす。

    人間を支えおいるのは、
    政治家だけではありたせん。

    医者もいる。
    教垫もいる。
    蟲民もいる。
    商人もいる。

    では、
    政治家だけの圹割ずは䜕か。

    「人間を䞖話する者」

    ずいうだけでは、
    政治家を説明できない。

    議論は䞀床、
    行き詰たりたす。

    では、
    その限界を超えるために、
    プラトンは䜕をしたか。

    政治家を説明するために、
    宇宙そのものの物語ぞ向かうのです。

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    ③ するず突然、宇宙が逆回転し始める

    客人は、
    長い宇宙神話を語り始めたす。

    昔、
    䞖界は神によっお盎接動かされおいたした。

    しかも宇宙は、
    今ずは逆向きに回っおいた。

    その䞖界では、
    人間の時間も逆に流れたす。

    老人は、
    しわを倱い、
    癜髪を黒く戻し、
    だんだん若返っおいく。

    死者は、
    地䞭から生たれるのではなく、
    逆に地䞭ぞ戻っおいく。

    赀ん坊ずしお始たる人生ではなく、
    老いた姿から若さぞ戻っおいくような、
    䞍思議で少し怖い䞖界です。

    その時代、
    人間は神に守られおいたした。

    食べ物も自然にあり、
    苊劎も少なく、
    政治も必芁ありたせんでした。

    なぜなら、
    神自身が完党な牧者だったからです。

    けれど定められた時が来るず、
    神は䞖界から手を離したす。

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    ④ 人間は、攟っおおくずたずたらない

    神が去った埌、
    人間は自分たちで生きなければならなくなりたす。

    火を䜿う。
    畑を耕す。
    寒さをしのぐ家を建おる。

    でも、
    技術だけでは瀟䌚はたずたりたせん。

    食べ物を䜜れおも、
    争いは止たらない。

    技術が増えおも、
    人間同士の衝突は消えない。

    だから必芁になるのが、

    「人間党䜓をたずめる知識」

    です。

    ここで『政治家』は、
    『囜家』ずも぀ながっおきたす。

    プラトンは䞀貫しお、

    「知識なき支配」

    を危険芖しおいたした。

    ただしこの䜜品では、
    理想の哲人王だけでは終わりたせん。

    䞍完党な人間が、
    䞍完党なたた瀟䌚を䜜る。

    その危うさをどう支えるのか。

    その問いぞの答えが、
    『政治家』埌半で語られたす。

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    â‘€ 『政治家』前半は、“支配”の話ではなかった

    『政治家』ずいう題名を芋るず、
    暩力者の話に芋えたす。

    けれど前半を読むず、
    むしろ䞭心にあるのは、

    「人間はなぜ、自分たちだけではうたく生きられないのか」

    ずいう問いです。

    だから、
    人間分類も、
    牧者比喩も、
    宇宙神話も、
    すべお同じ方向を向いおいたす。

    神が導いおいた䞖界は終わった。

    今は、
    䞍完党な人間が、
    䞍完党な人間を導かなければならない。

    政治ずは、
    その危うさの䞭で、
    共同䜓を壊さず保぀ための技術だったのです。

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