
【ギリシア哲学】『デモクリトス系原子論ナウシパネス』
【はじめに】
エピクロスには、若い頃に学んだ人物がいました。
それが ナウシパネス です。
しかし哲学史では、この名前はほとんど知られていません。
理由はシンプルです。
• 著作がほぼ残っていない
• 弟子のエピクロスが非常に有名
そのため彼は、思想家としてよりも
エピクロスの学習史に登場する教師として知られます。

① デモクリトス系の原子論に属する哲学者
ナウシパネスは小アジアの都市テオス出身で、一般に デモクリトス系の原子論者と分類されます。
原子論とは
世界は目に見えない小さな粒(原子)の動きでできている
と考える自然哲学です。
思想の流れは概ね次の系統に置かれます。
レウキッポス
→ デモクリトス
→(デモクリトス系の伝承)
→ ナウシパネス
→ エピクロス(学習史上)
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② エピクロスの教師として伝えられる人物
古代の伝記では、エピクロスは青年期に
ナウシパネスのもとで学んだとされています。
ただし重要な点があります。
• 何を学んだかの詳細は不明
• 原子論伝授の範囲も不明
• 影響の程度も不明
したがって安全な表現は
エピクロスの学習過程に関与した教師
となります。
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③ 思想内容は断片的にしか伝わらない
ナウシパネス自身の思想は、
ほぼ後世の引用や要約から推測されています。
一般に伝えられる特徴は次の通りです。
• 心や判断も自然現象として説明した
• 人間の認識の確実性に慎重だった
つまり現代的に言えば
心も自然の一部である
人間の判断は絶対ではない
という見方に近いとされます。
ただし重要な注意
本人の体系は不明
断片資料の再構成
そのため哲学史では
デモクリトス系自然観の一例
として扱われます。
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④ エピクロスとの関係は良好ではなかった
ナウシパネスはエピクロスの師とされますが、
関係は良くなかったと伝えられます。
古代伝記ではエピクロスが彼を
「クラゲ」
と罵倒した記述があります。
意味ニュアンス
• 形がない
• 中身がない
• 弱い
これは典型的な
• 影響は受けた
• しかし独自性を主張
という師弟関係の緊張を示します。

⑤ 哲学史での位置づけ
ナウシパネスは哲学体系そのものよりも、
デモクリトスの自然哲学
↓
エピクロスの哲学
の関係を考える際に参照される人物です。
最も安全で一般的な評価は次です。
エピクロスの学習史に現れる
デモクリトス系原子論者
ここから広い意味で
原子論伝承の一端を担う人物
と位置づけられます。
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