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【プラトン党集第7巻『カルミデス』】カルミデス

    ニコ

    〖はじめに〗

    ポテむダむアの戊いから、゜クラテスが垰っおきたずき、人々はたず圌の無事を喜びたした。

    戊堎から戻った圌は、アテナむの䜓育堎ぞ向かいたす。

    そこには若者たちがいたした。
    議論を奜む者。
    町の噂を聞きたがる者。
    矎しい少幎を芋に来る者。

    その䞭で、ひずきわ泚目を集めおいた青幎がいたす。

    カルミデス。

    圌はただ賢い青幎ではなく、
    矎しい青幎ずしお珟れたす。
    人々の芖線が集たる。空気が倉わる。

    ゜クラテスでさえ、その矎しさに揺さぶられる。
    けれど、゜クラテスが本圓に芋ようずしたのは、顔立ちではありたせんでした。
    その魂は、矎しいのか。本圓に節制を知っおいるのか。

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    ① 戊堎垰りの゜クラテス

    この察話は、゜クラテスがポテむダむアの戊いから垰った盎埌に始たりたす。

    久しぶりに戻った圌のもずぞ、カむレポンが勢いよく近づきたす。

    のちにデルポむぞ赎き「゜クラテスより知恵ある者はいない」ずいう神蚗に関わった、熱心な友人です。

    死の気配をくぐり抜けた人間が、
    若者たちのいる堎所ぞ戻っおくる。

    そしおこれから䞀人の矎しい青幎に、「節制ずは䜕か」ず問うのです。

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    ② 堎の空気を倉えた青幎

    やがお、カルミデスが珟れたす。

    人々の芖線が、
    いっせいに圌ぞ向かいたす。

    若者たちは少し身を乗り出し、
    倧人たちたで思わず圌を芋る。

    ゜クラテスもたた、
    䟋倖ではありたせんでした。

    衣の合わせ目から芗いた䞀瞬、
    自分の理性が揺れるのを感じた。

    カルミデスは、
    ただ入っおきただけではありたせん。

    堎の空気を倉える青幎ずしお、
    そこに珟れたのです。

    圌は名門の青幎でした。

    家柄があり、
    姿も矎しく、
    人々から泚目されおいた。

    アテナむの未来を背負うような、
    目立぀若者です。

    しかも、
    圌のそばにはクリティアスがいたす。

    教逊があり、
    詩や哲孊にも通じ、
    ゜クラテスずも関わりのあった人物です。

    しかし埌に、
    アテナむの䞉十人政暩の䞭心人物ずなりたす。

    䞉十人政暩ずは、
    敗戊埌のアテナむに眮かれた少数支配の政暩です。

    倚くの人が远攟され、
    財産を奪われ、
    呜を萜ずした時代でした。

    カルミデスは、
    そのクリティアスの芪族であり、
    近い䜍眮にいたした。

    矎しい青幎。
    名門の家。
    哲孊を語る芪族。
    その先に埅぀政治の暗い圱。

    物語はすでに少し䞍穏です。

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    ③ 頭痛から、魂ぞ
    カルミデスには頭痛があるずされたす。

    そこで゜クラテスは薬の話を始めたす――
    ただし、ふ぀うの薬ではありたせん。

    トラキアの医者たちの話を持ち出し、
    身䜓だけを芋おも人は治せない、
    魂を敎えなければならないず語りたす。

    頭痛が、魂ぞの入口に倉わる瞬間です。
    衚に芋える䞍調。
    内偎にある魂。
    矎しい顔。
    その奥にある生き方。

    この青幎は、本圓に敎っおいるのか。
    そう問うために、゜クラテスは頭痛の話を入口にしたのです。

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    ④節制ずは䜕か――二぀の答えず、その厩れ

    ゜クラテスに問われ、
    カルミデスはたず答えたす。

    節制ずは静かに行動するこずだ、ず。

    萜ち着いおいるこず。
    慎み深くふるたうこず。

    䞀芋するず悪くない答えです。
    けれど゜クラテスは止たりたせん。

    孊ぶずき、
    走るずき、
    戊うずき、

    すばやく動かなければならない堎面がある。静けさはい぀も埳ではない。

    次にカルミデスは蚀いたす。
    節制ずは恥を知るこずだ、ず。
    しかしこれも厩れたす。

    必芁な堎面で発蚀できない、
    正しいこずを蚀うべきずきに黙っおしたう、それもたた恥です。
    恥ず節制を同じにするこずはできない。

    「おずなしい子」は本圓に立掟なのか。
    評刀のよさ、
    芋た目の矎しさ、
    恥を知る態床。
    それらは立掟に芋える。

    けれどそれだけで、
    魂が敎っおいるずは限らないのです。

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    ⑀節制を語る人が、節制を倱う

    議論が進むず、
    クリティアスが前に出おきたす。

    カルミデスの答えに、
    䜕かを足そうずするように。

    クリティアスは、
    カルミデスよりも幎䞊で、
    教逊もありたす。

    圌は、節制ずは、
    自分自身のこずをするこずだ、
    あるいは自分自身を知るこずだ、
    ずいう方向ぞ議論を進めたす。

    ここで空気が倉わりたす。

    矎しい青幎をめぐる䌚話から、
    知的な議論ぞ移りたす。

    しかし、
    読者はもう知っおいたす。

    クリティアスは埌に、
    䞉十人政暩の䞭心人物になる。

    「自分を知るこず」
    「節制」
    「魂の敎い」

    そうした蚀葉を語る人物が、
    埌に暎力ず支配ぞ近づいおいく。

    節制を説明できるこずず、
    節制ある人間であるこずは、
    同じではありたせん。

    この察比が、
    『カルミデス』を若者教育の話だけで終わらせたせん。

    賢そうに話すこずず、
    正しく生きるこずは違う。

    クリティアスは、
    その危うさを背負った人物ずしお立ち䞊がりたす。

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    ⑥矎しさの奥にあった危うさ

    前403幎、民䞻掟ずの戊いの䞭でクリティアスずカルミデスは呜を萜ずしたす。

    この結末を知っお読み返すず、若き日の問答が重くなりたす。

    節制ずは䜕か。
    それは静かにしおいるこずではなかった。

    恥を知るこずでもなかった。
    賢そうな蚀葉を語るこずでもなかった。
    矎しさ、家柄、教逊、政治的な近さ。

    それらは人を高い堎所ぞ抌し䞊げたす。
    しかし魂が敎っおいなければ、その高さは危うさに倉わるのです。

    カルミデスは察話篇の䞭で、決定的な悪人ずしお描かれおいるわけではありたせん。
    むしろ魅力ある青幎です。

    䞊品で、期埅されおいお、゜クラテスの問いにも向き合った。

    けれどプラトンは、圌を矎しさだけの人物ずしお残したせんでした。
    問いの前に立たされた青幎ずしお残した。
    本圓に、自分を知っおいるのか。

    才胜がある人。
    泚目される人。
    力ある家に生たれた人。
    そういう人ほど、この問いから逃げられない。

    カルミデスずいう青幎は、
    その問いを私たちの前に残しおいたす。

    叀代アテナむの䜓育堎の䞭だけではなく、
    人から芋られるこずに慣れたすべおの人の前に、今も静かに立っおいるのです。

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    【人物デヌタ】
    名前 カルミデス Charmides
    分類 アテナむの名門青幎
       政治家 䞉十人政暩偎の人物
    生没 前403幎ごろ
    ※クリティアスずずもに、民䞻掟ずの戊いで戊死したずされる。
    出身 アテナむ
    家柄 アテナむの名門出身。
    父はグラりコンずされる。
    プラトンの母方の芪族にあたり、クリティアスずも近い芪族関係にある。

    ■ 䞻な登堎䜜品
    プラトン『カルミデス』

    ■ 関係する䞻な人物
    ・゜クラテス
    ・クリティアス
    ・プラトン
    ・グラりコン

    ■ クリティアスずの関係
    クリティアスは、カルミデスの芪族であり、埌芋人的な立堎に近い人物。

    察話篇『カルミデス』では、カルミデスの答えが行き詰たるず、クリティアスが議論に加わる。

    のちにクリティアスは䞉十人政暩の䞭心人物ずなるため、カルミデスの人物像にも政治的な圱が差す。

    ■ 人物像
    カルミデスは、矎貌ず家柄に恵たれたアテナむの青幎ずしお描かれる。

    圌はただの矎少幎ではなく、呚囲から期埅される名門の若者だった。

    しかし、゜クラテスに「節制ずは䜕か」ず問われるず、明確には答えられない。

    この点が、カルミデスずいう人物の面癜さである。

    倖から芋れば、敎っおいる。
    矎しく、䞊品で、名門に生たれおいる。

    けれど、内偎の魂たで本圓に敎っおいるのか。

    そこを゜クラテスに問われた人物である。

    ■ 『カルミデス』で問われるテヌマ
    䞭心テヌマは「節制」。

    節制ずは䜕か。

    カルミデスは最初、節制を「静かに行動するこず」のように答える。

    しかし゜クラテスは、静かであるこずが垞によいわけではないず問い返す。

    次に、節制は「恥を知るこず」のようにも語られる。

    けれど、恥もたた、い぀もよいずは限らない。

    必芁な堎面で発蚀できないこずも、恥によっお起こる。

    こうしお、カルミデスの答えは少しず぀厩れおいく。

    ■ 重芁なポむント
    カルミデスは、「節制を問われた人物」である。

    しかも、圌は埌に䞉十人政暩偎の人物ずなる。

    そのため、読者は圌をただの矎青幎ずしお読むこずができない。

    若いころに「節制ずは䜕か」を問われた人物が、
    埌に政治的な混乱ず暎力に近い堎所ぞ進んでいく。

    ここに匷い皮肉がある。

    ■ 政治的背景
    前404幎ごろ、アテナむはペロポネ゜ス戊争に敗れる。

    その埌、スパルタの圱響䞋で䞉十人政暩が成立する。

    この政暩は少数者による支配䜓制で、倚くの垂民を远攟・凊刑したため、恐怖政治ずしお語られる。

    クリティアスはその䞭心人物。

    カルミデスもたた、この政暩偎に属した人物ずしお知られる。

    ■ 最期
    前403幎ごろ、民䞻掟のトラシュブロスたちずの戊いの䞭で、クリティアスずカルミデスは戊死したずされる。

    この最期により、カルミデスの人物像には、若き日の矎しさず、政治的砎局の圱が重なる。

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    第7巻

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    やぁやぁ、ニコです( â€¢Ï‰â€¢àž…) 1日1蚘事朝7時ごろ曎新。 哲孊神話歎史の基瀎から1日1蚘事 ゆヌヌヌくり楜しんで 勉匷しおいきたしょう📚 映画アニメの元ネタたくさんあっお楜しいよ

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