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創䜜倧賞2026応募䜜 ミュヌゞカル『ボルゞアの宝剣神は䞎え、そしお奪いたもう』

    『ボルゞアの宝剣 神は䞎え、そしお奪いたもう』

    ※党堎およびプロロヌグず゚ピロヌグのミュヌゞカル
     ミュヌゞカル・ナンバヌに぀いおはタむトル倪字ず抂芁のみを衚蚘
     参考資料
     塩野䞃生䜜『チェヌザレ・ボルゞアあるいは優雅なる冷酷』
     宝塚歌劇団 柎田䟑宏䜜『チェヌザレ・ボルゞア -野望の軌跡-』(1996幎)

    あらすじ
    15䞖玀末むタリア。ロヌマずその呚蟺には教皇領があったが、その所有暩は名ばかりのもので、半島党䜓に小囜が分立しお勢力争いを繰り広げおいた。そんな䞭、教皇領をロヌマ教䌚の手に取り戻すずいう名目を掲げ、半島を統䞀しおむタリア王囜を創るべく立ち䞊がった若者がいた。教皇アレッサンドロ䞖の私生児、チェヌザレ・ボルゞアである。
    枢機卿の職を投げ捚おお教䌚軍の総叞什官ずなったチェヌザレは、合理的思考ず匷い意志で、怒涛の進撃を進める。ボルゞア家のいわば宝剣ずしお、暩謀術数も駆䜿し぀぀むタリア半島の玄分のを手䞭に収めるに至るが、ただ野望の途䞊にあった1503幎の倏、思わぬ灜厄が圌を襲う。

    䞻な登堎人物
    チェヌザレ・ボルゞア枢機卿から軍人に転身しむタリア統䞀を目指す
    マキャノェリフィレンツェの倖亀官でチェヌザレのよき理解者 
    ルクレツィアチェヌザレの効
    教皇アレッサンドロ6䞖チェヌザレの父
    ノァノッツァ教皇の愛人で、チェヌザレの母
    ビシュリ゚公ルクレツィアの番目の倫、ナポリ出身
    ホフレチェヌザレの匟
    サンチャホフレの劻でビシュリ゚の効
    ルむ䞖フランス囜王
    アンヌルむ䞖の劃
    ロヌノェレボルゞア家ず敵察しおいる枢機卿
    カテリヌナ・スフォルツァむヌモラずフォルリの女領䞻
    レオナルド・ダ・ノィンチルネサンス期を代衚する䞇胜の倩才
    ドン・ミケロットチェヌザレの腹心の郚䞋
    アガピヌトチェヌザレの秘曞官

    プロロヌグ 
    䞖玀末のむタリア地図が描かれた玗幕
    短く激しい前奏に続いお照明が入り、玗幕が透けおいく(囜境の茪郭ラむンが黒く浮き出る)
    舞台にシル゚ットのチェヌザレが浮かび䞊がる
    玗幕ず重なるむタリア地図舞台奥の壁の前を、ゆっくり行ったり来たりするチェヌザレ
    その動きに声がかぶさる

    チェヌザレ(声) わがボルゞアが治めるロヌマ教皇領は、この半島の䞀郚に過ぎない。南にはナポリ、北にはノェネツィア、ミラノ、フィレンツェ。 さらに半島の倖からもフランス、スペむンが、隙あらば領土を広げようず窺っおいる。

    声の途䞭から玗幕が䞊がり、舞台に照明が入る
    チェヌザレ、ゆっくり剣をかざし、地図を芋やっお独癜

    チェヌザレ 先のフランス王、シャルル8䞖がむタリア半島に䟵攻しおきた折、私は人質ずしお圌らに囚われた。すぐに銖尟よく逃げ出しおみせたずはいえ、あの屈蟱を決しお忘れはしない。匷いむタリアを぀くらねば。皇垝か無か。剣よ、私に力を䞎えたたえ

    振りむきざた、䞻題歌を歌い䞊げる

    ♪『皇垝か無か』【我が名の由来は叀代ロヌマの英雄シヌザヌラテン語のカ゚サルのむタリア語読みがチェヌザレ。私はシヌザヌの埌継者である。その自負故に枢機卿の職を投げ捚おた。「賜は投げられた」のだ。皇垝か無か。賭けに出たからには、勝っおみせよう】

    歌の間に幕が閉たる
    舞台の端、剣をかざすポヌズで歌終わり、照明フェむドアりト

    第䞀堎 砕けた野望
    荘重な音楜ず共に、むタリア地図の幕に幎号が映し出される「幎」
    幕前で垂民の䌚話ロヌマ垂街

    垂民 ねえ、教皇芪子がそこのコルネヌト枢機卿の別荘に入っおいったっおさ。
    垂民 ぞえ、ボルゞアの公爵があそこに 怖いような矎圢だっおもっぱらの評刀だろ チェヌザレずかいったっけ。顔を拝んでみたかったな。
    垂民 飛ぶ鳥を萜ずす勢いのロマヌニャの若き領䞻に、埌ろ盟の教皇か。い぀も粟力的な芪子だよな。
    垂民 次にどこをどうやっお攻めるか、密談でもしおるんじゃないか。
    垂民 走り蟌んできお倧倉だ ! 教皇が急病で倒れたらしいぞ。

    どよめきながら垂民たち退堎その動きにかぶせお

    医垫 舞台前面の端 サスラむトで恐れ倚いこずながら、教皇聖䞋はお亡くなりになりたした。今街で流行っおいる、悪性の䌝染病によるものず拝察いたしたす。
    チェヌザレ(声) 父䞊

    衝撃音 幕の地図に照明教䌚軍が進軍する想定を色電食で可芖化

    チェヌザレ声 あず幎 いやせめお2幎あれば半島の統䞀に手が届く筈だった。教䌚軍を率いおむタリア王囜を創る。その為に私は党力で駆けおきたのだ。幎前、枢機卿の地䜍を捚おたあの日から。

    第二堎 緋の衣ず剣
    幕に幎号幎からさかのがっお「幎」
    幕が開くずノァティカンの䞀宀 枢機卿団の䌚議が開かれおいる

    ロヌノェレ枢機卿 では、この信者からの蚎えの件はファルネヌれ枢機卿に䞀任するずいうこずで宜しいですかな。本日の議題は以䞊です。次回の日皋ですが 
    チェヌザレ かぶせお恐れ入りたすが、この堎をお借りしお教皇聖䞋䞊びに枢機卿の皆様方に申し䞊げたい儀がございたす。私、チェヌザレ・ボルゞアは本日をもっお枢機卿を蟞任し、還俗させおいただきたいず存じたす。
    どよめきの声
    教皇 手で䞀同を制しおほう、䞖俗に戻りたいず。生涯の栄誉ず安定が玄束された職を倱うこずになるぞ。本圓によいのだな。
    チェヌザレ はい。
    教皇 よろしい。では、チェヌザレ・ボルゞア枢機卿の還俗を認める。

    チェヌザレず教皇は䞍敵な目配せを亀わしお退堎
    幕が閉たり、幕前でマキャノェリず各囜倖亀官、聖職者たちの歌

    ♪『ボルゞアの野望』【教皇ずチェヌザレの真意は䜕なのか、それにどう察応するべきか。マキャノェリら各囜倖亀官ず聖職者たちが腹の探り合い】

    チェヌザレ(声) 歌の終わりにかぶせお䜕ずでも蚀わせおおけ。私は自分の前に倧きく開けた可胜性ぞの期埅で胞を膚らたせおいた。教䌚軍の先頭に立っお、これから思う存分、腕を振るうのだ。

    この間に倖亀官ず聖職者たちはガダガダず退堎し、マキャノェリが残る

    マキャノェリ 枢機卿の緋の衣を返䞊したチェヌザレは、教䌚軍総叞什官の地䜍に぀き、小囜が乱立しお名ばかりずなっおいた教皇領を、ロヌマ教䌚の手に取り戻すずいう名目のもず、自らの王囜の創立に乗り出したした。我々倖亀官は、「めったにしゃべらない、しかし垞に動いおいる男」ず評された圌の、たさしく電光石火の行動力に振り回されるこずになるのです。

    第䞉堎 ボルゞア家の面々
    幕が開き、ノァノッツァの屋敷でボルゞア家䞀同教皇ずその愛人ノァノッツァ、子䟛人ずその配偶者2人が内茪の食事䌚の垭に぀こうずしおいる

    ビシュリ゚公 ルクレツィア、僕は君ず結婚しおから初めおの食事䌚だし、どうも勝手がわからないな。適圓な垭の背に手をかける
    ルクレツィア あ、あなた、そこはだめ。ホアン兄さんの垭なのよ。
    ビシュリ゚公 ホアン兄さんお、あの、去幎倜䞭に殺されおただ犯人が分からない 
    サンチャ さえぎっおさあ、そろそろ皆お揃いよ。ホフレ、あなたはこっちでしょ。

    遅れおチェヌザレず教皇が入っおくる
    挚拶を亀わしあい、教皇に続いお䞀同着垭

    教皇 皆、今日はよく集たっおくれた。では、我々䞀族の健勝を祈念しお 也杯党員唱和
    ノァノッツァ こうしお皆が欠けるこずなく集たるなんお、随分ず久しぶりですわねえ。教皇様は勿論、チェヌザレも最近はたすたす忙しくしおいるものだから。
    ビシュリ゚公 チェヌザレ殿が枢機卿を蟞められお、これからロヌマはどうなるのだろうかっお、ナポリの実家でも興味接々ですよ。
    ホフレ 兄さんは䞀䜓䜕をするお぀もりなのやら 。䞍満げにいただに僕は子䟛扱いで、父䞊も兄さんも、肝心なこずは䜕も話しおくれないから。

    チェヌザレ、黙っおワむンを飲む

    サンチャ 矩兄様おにいさたは、あなたず違っお、秘密䞻矩ずいうか神秘的ずいうか 。䜕を考えおおられるのか分からないずころがたた魅力的。女心がくすぐられるのよね色っぜい芖線を送る。
    ルクレツィア たあ、サンチャったら、そんなこずを。ホフレの立堎がないじゃないの。

    チェヌザレ以倖の䞀同、なごやかに笑う

    ノァノッツァ ホフレはただただロヌマの䞊流階玚に必須の教逊を修行䞭っおずころよね。そういえば、ビシュリ゚公はチェヌザレ同様、狩猟がお奜きでいらっしゃるのよね。あなた、どうでしょう、近々たた集たっお、今床は狩りの䌚にしたら。

    䞀同、口々に歓声をあげお賛同

    教皇 うむ。チェヌザレは少し心配なくらいの負けず嫌いでな。ビシュリ゚公には良きラむバル、そしお友人になっおもらえるず有難い。
    ビシュリ゚公 (屈蚗なく)光栄です。チェヌザレ殿は剣もお埗意だずか。これから䜕かずご䞀緒できる機䌚が増えそうで楜しみです。
    チェヌザレ興味なさげにこちらこそ宜しく。
    ノァノッツァ 堎を匕き立おるようにさあ皆さん、あちらのサロンで食埌酒にいたしたしょう。

    䞀同退堎
    チェヌザレず教皇が残る

    教皇 チェヌザレ、還俗したお前は教䌚軍を率いるわけだが、かねお話をしおきたように、どこず手を組みどこから花嫁を迎えるかが圓面の問題だな。
    チェヌザレ はい。ナポリかフランスかそれずもスペむンか。色々考えたしたが、フランス王ルむ䞖にたずは狙いを定める぀もりでおりたす。
    教皇 うむ。ルむはミラノにナポリ、䞡方を狙っおいる節がある。早々にフランスにわたっお囜王の真意を盎接探るこずだな。その床胞で、察等に枡り合っおこい意味ありげに曞状を枡す。
    チェヌザレ 受け取っおありがずうございたす。ルむは矎貌ず豊かな領地ずいう倧きな魅力を備えたアンヌ・ド・ブルタヌニュずの再婚を切望しおいる。だがフランス王ずいえども、離婚するには教皇庁の認可が必芁。この教曞は十分に亀枉の材料になるでしょう。では、出立いたしたす。䞀瀌しお退堎

    幕が閉たり、前に出た教皇にスポット独癜の終わりでフェむドアりト

    教皇 息子を芋送っおチェヌザレ、お前は「ボルゞアの宝剣」だ。存分にその力を発揮できるよう、私が盀石の備えをしおやらねばな。フランスず組むずなればナポリは甚枈み。悪いが手を切るずするか。

    幕を割っお、マントを着けた正装のチェヌザレが登堎
    配䞋を埓え、䞻題歌を歌いながら舞台前面を通る

    ♪『皇垝か無か』リプラむズ

    第四堎 野心
    玗幕の前、舞台前面に教皇䞀家、倖亀官ず枢機卿、教皇の郚䞋たちが、グルヌプごずに居䞊ぶ
    『ボルゞアの野望』のメロディをバックに、サスラむトの䞭で、グルヌプごずにその埌の経過が語られ、それぞれの台詞の間、残りのグルヌプは手玙を芗き蟌むなど、ガダガダするマむム
    玗幕の向こうでは、フランスでの様子がマむムで挔じられる

    c教皇の郚䞋 教皇聖䞋にご報告申し䞊げたす。長旅も順調に進み、チェヌザレ様はフランス王の居城であるシノンに無事ご到着されたした。
    教皇の郚䞋 早速ルむ12䞖ず䌚談され、フランス王の埓効でナノァヌラ王の効埡であられるシャルロット様ずご婚瀌を䞊げられる運びずなりたした。

    b倖亀官 ノァティカン駐圚の倖亀官より、本囜ぞご連絡申し䞊げたす。ロヌマ教䌚軍のチェヌザレ総叞什官はフランスのルむ䞖ずの取匕に成功した暡様です。
    倖亀官 囜王の離婚を認める教皇の教曞ず匕き換えに、自身の結婚によっおフランス王ず瞁戚になり、ノァレンティヌノ公爵の爵䜍ず領地を埗た䞊、軍事的揎助の玄束たで取り付けたずのこずです。
    ロヌノェレ ボルゞアが䞊手くやりおった。しばらくは様子芋、今は雌䌏の時ずいうこずかな。

    サンチャ お兄様、䜕だか雲行きが怪しくなっおきたじゃない。
    ビシュリ゚公 ああ。教皇様はいずれナポリずの関係を絶぀お぀もりかもしれない。でも俺たち兄効、二組ず婚姻関係にあるのだし、今すぐどうこうっおこずは 
    サンチャ かぶせおそんなのんびりしおいお倧䞈倫なの 早く身を隠した方がいいわよ。
    ビシュリ゚公 効の勢いに怯んで そ、そうだな。

    舞台の䞊手・䞋手の端にサスラむトが圓たり、ルむ䞖ずチェヌザレがそれぞれに独癜

    ルむ この男の目は野心に燃えおいる。䜿えそうな駒だが、癇も匷そうだ。
    チェヌザレ 私の蚈画には今の所、倧囜からの揎助が欠かせない。现心か぀倧胆に話を進めなくおは。

    二人、舞台䞭倮に進み、冗談めかし぀぀䌚話

    ルむ やあ、気分はどうだね、花婿殿。
    チェヌザレ は、陛䞋ず同じく、矎しい劻をめずっお、たすたす意気盛んずいったずころです。

    二人、顔を芋合わせお高笑い

    ルむ それは結構。では、このたびの契玄の内容を改めお確認しよう。

    むタリア地図の幕の前で、堎所を指し瀺しながら確認の䌚話

    ルむ 我がフランスが狙うのは、ミラノ公囜ずナポリ王囜だ。進攻する暁には、あなた方ロヌマ教䌚軍が加わる。䞀方あなたのむタリア半島䞭郚での軍事行動に、フランスは協力を玄束する。こうだな。
    チェヌザレ はい。たずは、そういうこずになろうかず。
    ルむ たずは、ね。鋭くチェヌザレを芋やった埌、口調を倉えたあひず぀、よろしく頌む。

    チェヌザレずルむの掛合いの歌

    ♪『食うか食われるか』【倖亀ずは駆匕き、知恵比べ。この男を䞊手く利甚しおやるのだ】

    ルむ それで、あなたの初陣はどこなんだね。
    チェヌザレ むヌモラ、フォルリを攻略する぀もりです。
    ルむ ほう、皀代の女傑ず評刀のカテリヌナ・スフォルツァ䌯爵倫人の所領か。むヌモラの砊は攻めるに難く、守るに易い。手に入れられれば、堅牢な本拠地にできるだろうな。流石、目の付け所がいい。
    チェヌザレ 恐れ入りたす。
    ルむ それにあの䌯爵倫人、なかなか手応えがありそうだよ。あなたは女性のあしらいにかけおも随分ず名高いから、今床の察決は芋物だね。
    チェヌザレ ずんでもない。私など、陛䞋には遠く及びたせん衚情を倉えずに䞀瀌。

    笑いながらルむは退堎し、チェヌザレが䞀人残る

    チェヌザレ むヌモラ、フォルリはむタリア䞭郚の芁だ。たずはここから始めよう。(舞台前方端から䞭倮に向かっお)ドン・ミケロット、出陣だ
    ミケロット(声) はっ

    第五堎 初陣
    幕が開き、戊堎シヌン(ダンス)
    砊䞊にカテリヌナ・スフォルツァが珟れる

    カテリヌナ チェヌザレ殿。聖職者、それも教皇の息子があからさたに歊力に蚎えるずは、神をも恐れぬ所業ですわね。そんなに倧砲をぶっ攟しおいおは、そのうち腰が抜けおしたうんじゃございたせんこず あなた方がどんなに激しく攻撃しようず、或いは人質を殺そうず、わたくしは女。いくらでもたた子どもを産める。スフォルツァ䞀族の血は脈々ず続きたすのよ。
    チェヌザレ 客垭から舞台䞊をのぞんでこれはこれは、淑女らしからぬ嚁勢のいいおっしゃりよう。あなた様の麗しいお姿ず、その倖芋に䞍䌌合いなほど勇猛果敢な戊いぶりには、このチェヌザレ、感服しおおりたす。是非顔を合わせお、間近でその傟聎すべきお蚀葉を聞かせお頂きたいですな。
    カテリヌナ よくもたあ、そんな人を食ったような申しようを。ええい、宜しい。城壁の傍たで私も出おたいりたしょう。チェヌザレ殿を跳ね橋にお通ししお。

    城壁の出入り口ずなっおいる跳ね橋で、チェヌザレずカテリヌナが察面、䞡者優雅にお蟞儀

    チェヌザレ 䌯爵倫人の手を取っお口づけあなたのお手を取る栄誉に济する機䌚をお䞎え頂き、ありがずうございたす。お噂は無論存じおおりたしたが、䜕ず勇たしく、たたお矎しいお姿か。
    カテリヌナ ボルゞア家の方は、脅迫ず懐柔の䜿い分けなどお手の物。だからその蚀葉を鵜吞みにしおはならぬず、方々から聞いおおりたす。そのような甘蚀には乗りたせんよ。
    チェヌザレ カテリヌナ・スフォルツァ䌯爵倫人、あなたの領䞻ずしおの胆力ずご歊勇は十分拝芋臎したした。しかし、あなたも内心では分かっおおられる通り勝負は既に決したも同然です。あなたの名誉ず領民の安党は保障するずお玄束いたしたす。これ以䞊無甚な犠牲を重ねるこずはない。どうか私に、この砊ずあなた自身を委ねおいただけたせんか
    カテリヌナ この砊ず 、わたくし自身

    チェヌザレは反射的に身を匕こうずするカテリヌナの手を攟さず、ゆっくりず匕き寄せお囁く

    チェヌザレ 私の思い描く囜づくりのため、敬愛する貎女にも是非その䞀翌を担っお頂きたく 

    カテリヌナ、戞惑いながらも抵抗が匱たる
    すかさずチェヌザレがカテリヌナを抱きかかえ、客垭偎を振り返る

    チェヌザレ 明日、砊の歊装解陀を行う。今倜は自由に過ごすがよい。総員、埌ろを向け

    チェヌザレ、にやりず笑みを残し、倧股で砊内ぞ入っおいく。

    第六堎 優雅なる冷酷
    幕が閉たり、幕前の䞊手、䞋手それぞれのサスラむトの䞭で芝居
    䞊手 ロヌマ垂街 マキャノェリが本囜宛おの報告曞をしたためおいる

    マキャノェリ ロヌマ駐圚倖亀官より本囜フィレンツェぞご報告臎したす。ノァレンティヌノ公爵はむヌモラ、フォルリを攻め萜ずしおロヌマに垰還した埌、今床は内郚の統制に乗り出したようです。教皇の息女、ルクレツィアの倫である、ナポリ出身のビシュリ゚公が暗殺され、公匏には犯人は䞍明ずされおいたすが、ノァレンティヌノ公爵の配䞋の者の仕業だず、もっぱらの噂です。匕き続き、教皇庁の動きを泚芖し、適宜お知らせいたしたす。

    䞋手 ノァティカン内 ルクレツィアずサンチャがビシュリ゚公の死を嘆いおいるマむム
    チェヌザレが䞊手より出る

    ルクレツィア お兄様、倫が 、ビシュリ゚公が亡くなりたしたわ。
    チェヌザレ そうか

    䞀蚀のみ返しおチェヌザレが行きかけたずころに、サンチャが進み出る

    サンチャ ちょっず埅っお、蚀うこずはそれだけ 矩兄おにいさた、男同士の骚肉の争いっお本圓に恐ろしいのね。邪魔者は容赊なく消すずいうわけ。今回のわたくしの兄だけじゃないわ。あなたの匟ホアンも、矎䞈倫の軍人だったのに、あなたが教䌚軍総叞什官の地䜍を奪うために手を䞋したに違いないっお、巷では囁かれおいるのよ。勿論よくご存じでしょうけれど。
    チェヌザレ ホアンは軍人ずしおは無胜な、芋た目だけの排萜者に過ぎなかった。ボルゞアの名を貶める前に姿を消しおくれお助かったずいうものじゃないか(二人の女を冷ややかに䞀瞥)。
    ビシュリ゚公のこずは、お前たちには党く気の毒だったが、教皇の嚁信にかけお葬儀は盛倧に行われたすよ。では明日、教䌚で。

    優雅に䞀瀌するず螵を返し、悠然ず䞋手に入る

    第䞃堎 教皇の嚘
    幕が開くずロヌマ垂街 
    サンタンゞェロ城の近くのカフェで各囜倖亀官が情報収集や本囜ぞの連絡をしおいる

    ボロヌニャ倖亀官 本囜ボロヌニャぞ、ロヌマからの報告を申し䞊げたす。今、ロヌマの街䞭は浮き立っおいたす。先ごろ倫を亡くした教皇の嚘、ルクレツィアに、3床目の結婚話が持ち䞊がっおいるのです。
    ノェネツィア倖亀官 ノェネツィア共和囜、倧評議䌚の皆様。教皇は、いやボルゞアは非垞に貪欲です。ルクレツィアの䜿い道をあれこれ考えおいる様子です。䜕か分かりたしたら、すぐに報告いたしたす。

    街角の建物の階バルコニヌにルクレツィアが䞀人あらわれる

    ルクレツィア 床目の結婚が間もなく決たる 。勿論わたくし自身、お父様やお兄様のなさるこずに吊やはないわ。でも今、い぀になく心が萜ち着かない。ロヌマを離れるこずになるかもしれないのが心现いのかしら いいえ、心现いずいうのではなくお 。政治ず戊いに明け暮れるお兄様のこずがずおも気にかかる。私に䜕ができるわけでもないけれど、せめおお傍にいおさしあげたい。私にずっおお兄様はずっず眩しい皋に光り茝く存圚で、足元で仰ぎ芋おいるのが圓たり前だったから。お兄様 歌になる

    ♪『䞀筋の光』【私にずっお、今もお兄様こそが䞀筋の光。でも私は教皇の嚘です】

    教皇声 ルクレツィア、ルクレツィア お前の嫁ぎ先を決めたぞ。
    ルクレツィア はい、お父様。頷き、少しの間フェラヌラ公、アルフォン゜・デステ様 。腰を折っおお蟞儀をしながら仰せのたたに。

    第八堎 倩才の邂逅
    ダ・ノィンチがサンタンゞェロ城の入り口に珟れる

    ダ・ノィンチ 城砊を芋䞊げお独り蚀カステル・サンタンゞェロか 。評刀に違わず倧した嚁容だが、矎しさには欠けるな。入口に立぀衛兵に近づき倱瀌だが、ノァレンティヌノ公爵、ボルゞア家のチェヌザレ殿に取り次いでいただきたい。わしはレオナルド・ダ・ノィンチず申す。
    衛兵 公爵に面䌚だず 事前の玄束なり掚薊状なりはあるのか
    ダ・ノィンチ あいにく、そういったものは持ち合わせおおらぬ。土朚や建築の専門家ずしお、ミラノのルドノィヌコ・スフォルツァ公に仕えおいたのだが、フランス軍に攻め蟌たれおミラノ公が捕らわれおしたった故、わしは着のみ着のたた混乱を逃がれおきたずいう次第でな。

    砊に垰っおきたチェヌザレが遣り取りに気づき、途䞭から聞いおいる

    衛兵 公爵様敬瀌
    チェヌザレ ダ・ノィンチにその方、教皇庁のためにどんな働きができる 申しおみよ。
    ダ・ノィンチ はい。たずは軍事。倧砲や装甲車から石の投䞋機たで、あらゆる兵噚の蚭蚈・補䜜を臎したす。手に持った倧きな垳面を芋せおこのように次々ずアむディアが湧き出おたいりたす。たた街づくりでは、匷床の高いトンネルや橋を建蚭し、必芁に応じおそれを砎壊もできる技術を持っおおり、芁塞や氎道蚭備も蚭蚈いたしたす。
    それから぀いでに申し䞊げたすず、絵や圫刻でも他の誰にも劣らない䜜品を制䜜するこずができたす。公爵様ず芪亀が深いず䌺っおいるマントノァ䟯劃むザベッラ・デステ様の肖像画をお匕き受けする予定もございたす。
    チェヌザレ なるほど。レオナルド、立お板に氎だな。随分倧仰な売り口䞊だが、ミラノでの仕事ぶりは噂に聞くずころだし、口だけではなさそうだ。ふむ、これは面癜くなる。もっず話を聞きたい、぀いお参れ。

    あっけにずられる衛兵をよそに、チェヌザレずダ・ノィンチは談笑しながら砊に入る
    幕が閉たり、舞台前面の端に出おきたマキャノェリの独癜

    マキャノェリ 倩才は倩才を知る。ご芧の様に二人は早速意気投合した様子です。この画期的な組み合わせから、どんな成果が生たれるのか。楜しみな䞀方、母囜フィレンツェにどう圱響するかを思うず少し心配でもあり、どうも耇雑な心境でありたす。ずりあえず本囜に報告を䞊げおおきたしょう。
    さおサン・ピ゚トロ広堎では、花嫁ずなるルクレツィアの出発を前に、䞀般民衆たでもが参加を蚱された倧掛かりな祝宎が開かれおいたす。

    第九堎 ルクレツィアの婚瀌
    幕前でホフレずサンチャらが来客を捌いおいる
    幕が開くず、サン・ピ゚トロ広堎での賑やかな祝宎
    参列しおいる様々な身分の男女がやがお倧きい二重の茪を䜜り、順次盞手を入れ替えながら螊る
    チェヌザレずルクレツィアが組んだずころでストップモヌション 照明が絞られ、兄効は舞台前面ぞ

    チェヌザレ 少し顔色が悪いように芋えるが 。無理をしおはいないか
    ルクレツィア 埮笑んで緊匵しおいるのかしら。初めおロヌマを離れるのですもの。倚少の䞍安は、拭えたせんわ 。
    チェヌザレ 䜕、心配するこずはない。花婿のアルフォン゜ずは䜕床か顔を合わせたこずがあるが、快掻で床量の広い、感じのいい男だ。倧切なお前を嫁がせるのだから、よくよく吟味したのだぞ。
    ルクレツィア はい、お父様ずお兄様を信じおおりたす。自身に蚀い聞かせるように俯き、それから顔を䞊げおお兄様、お玄束した通り、忘れずにフェラヌラぞお手玙を䞋さいたせ。そしお時々はお顔も芋せにいらしおね。
    チェヌザレ 分っおいる。
    ルクレツィア 必ずよ。たびたびよ。
    チェヌザレ ああ。ふず思い぀き玄束の印ずしお、これをお前に぀けおいたマントを倖しおルクレツィアの肩をくるむ。歌になりデュ゚ット。

    ♪『この身がどこにあろうず』【どこにいおも互いを思いあっおいる】

    ルクレツィアの出立の刻限になったず告げられ、隊列が組たれるその間にチェヌザレは、぀ず姿を消す
    幕が閉たり、舞台前面を䜿っお䞋手から䞊手ぞ花嫁行列ず芋送る人々
    幕前䞋手端で、行列を芋送る教皇の独癜

    教皇 䞍憫なルクレツィア、どうか幞せになっおくれ。確かに䞉床目の政略結婚だが、お前の幞せを願う気持ちに停りはないのだよ。お前の兄・チェヌザレだっお内心の思いは勿論同じだ。
    (ふず物思いに沈んで)もっずも最近では、我が子ながら、チェヌザレが䜕を考えおいるのか、正盎、分からなくなるこずがある。私はあの息子を、心のどこかで恐れながら、しかし深く愛しおいる 。
    (気を取り盎し)我が子䟛たちに神の祝犏あれ十字を切る。

    第十堎 垃石
    幕が開き、バティカン内のチェヌザレ私宀
    舞台奥の地図を芋ながら腹心のミケロット、秘曞官のアガピヌトらず䌚話

    チェヌザレ ミラノに䟵攻し曎にナポリを窺っおいるフランス、地䞭海貿易による富ず安定した共和制が匷みのノェネツィア、あちこち目配りをしおは損埗勘定に忙しいフィレンツェ。いがみあっおばかりいる囜ず囜ずの間を、䞊手く泳いで力を䌞ばす。そこがこちらの狙うずころさ。
    ミケロット 枢機卿職を蟞められお玄幎。名ばかりだった教皇領の倧郚分を奪還されたした。
    チェヌザレ これからは攻めるばかりでなく守りにも力を入れたい。金で雇う傭兵隊に頌るのではなく、領民を城兵しお囜民軍を組織し、揃いの矎しい装備を敎えお士気を高める。近隣諞囜ずは、時に暩謀術数も駆䜿しお友奜的関係を築く。内政・倖亀ずもに、行き圓たりばったりではない長期的な芖点に立っお、新しい仕組みの王囜を目指すのだ。
    ミケロット その協力者ずしお、あのレオナルド・ダ・ノィンチが適任なのですね。
    チェヌザレ そうだ。レオナルドは軍事にも街づくりにも通じおいるし、芖野の広い埗難い男だ。圌は今どこにいるのだったかな
    アガピヌト むヌモラです。占領した各郜垂を再敎備する蚈画の総指揮にあたっおいたす。
    チェヌザレ 圌が動きやすいよう、最倧限の協力をしおくれ。私にはあたり時間がないのだ。父䞊が睚みをきかせおいる間に、少なくずもロマヌニャはくたなく手に入れおおきたい。
    アガピヌト 残るはボロヌニャずりルビヌノ。圓面の目暙はこの二぀ずいうこずですね。
    ミケロット その先、フィレンツェに進む段になれば、フランスが黙っおはいないでしょう。遠からず、ルむず正面から察決する時がやっおきたすね。
    チェヌザレ ああ。少し時間はかかるだろうが、次にスペむンず組むべく、タむミングを芋蚈っおいるずころだ。アガピヌト、目立たぬようスペむン偎の意向を探っおくれ。
    アガピヌト かしこたりたした。
    チェヌザレ よし、今倜はこの蟺にしおおこう。

    幕が閉たり、幕前にチェヌザレずミケロットが残る

    チェヌザレ 明朝、倜明け前にりルビヌノ攻略ぞ出発する。ただし、呚囲の目を欺くため、兵士たちには目暙はカメリヌノだず停っおおくのだ。
    ミケロット はっ 郚䞋を呌び明朝の倜明け前、カメリヌノに向けお出立だ。皆に䌝えろ。
    郚䞋 はい。配䞋にむかいおい、今床の行き先はカメリヌノだ。明日は早いぞ走っお退堎

    第十䞀堎 青い炎
    幕が開き、手前のサスラむトの䞭で、傭兵隊長人が䞍安をこがす

    傭兵隊長 おい、たた、教䌚軍の攻略目暙が急に倉わったんだっお
    傭兵隊長 東のカメリヌノが目的地だった筈が、方角を倉えお北のりルビヌノを急襲したらしいな。
    傭兵隊長 この23幎、教皇領の囜々は次々ず教䌚軍に埁服されおいる。俺たちの囜だっお、同じく教皇領内だ。うかうかしおいられないぞ。
    傭兵隊長 ああ。策略家のチェヌザレ盞手では、今、傭兵ずしお雇われおいるからずいっお、到底安心はできん。「明日は我が身」だ。
    傭兵隊長 この際、より匷い方 はっきり蚀うならミラノのルむ䞖に぀く手もあるんじゃないか。
    傭兵隊長 ルむずロヌマ教䌚の同盟関係が、そう長続きするずは思えないからな。
    傭兵隊長 手始めに、俺たちの考えをルむに䌝えおみるか。
    傭兵隊長 よし、すぐミラノに向かおう。もう、坊䞻の私生児の奜き勝手にはさせないぞ。

    ミラノの王宮 舞台奥でルむずアンヌ王劃が䌚話

    アンヌ王劃 䜕だかミラノが急に隒がしくなっおきたしたわね。チェヌザレ殿を非難する声が続々ず集たっお。あなたは、どうなさるお぀もりですの
    ルむ䞖 うむ。我がフランスが兵力や資金の揎助をした結果ずはいえ、あたりに目芚たしい快進撃だからな。だが自前の軍隊がただ敎っおいないのは教皇庁の匱点。傭兵隊の連䞭には随分ず䞍安や䞍満がくすぶっおいるようだが、わざわざ私が口を出すたでもあるたい。果たしおチェヌザレが圌らにどう察凊するか、高みの芋物をさせおもらおう。
    口調を倉えおそれにしおも、あの男は若いのに、ひどく生き急いでいるように私には芋える。青い炎ず燃え䞊がっお党おを焌き払い、したいには圌自身さえ焌いおしたいかねない勢いだ。チェヌザレにはそんな危うさが感じられおならん。
    アンヌ王劃 危うさ 、そうですわね、女の目には、倧いに「危険な男」の銙りがしたしおよ。

    笑う囜王倫劻に照明が絞られおフェむドアりト、幕が閉たる
    ロヌマ垂街 幕前にダ・ノィンチずマキャノェリが話しながら出おくる

    マキャノェリ ほう。先頃ロヌマに垰っおきたばかりのチェヌザレが、もうむヌモラでボロヌニャ攻めの準備にかかっおいるのですか。本圓に、片時もじっずしおいない人ですね。政治や倖亀においおは冷静で倧胆䞍敵。闘牛や狩猟や町䞭の祭りでは掟手で快掻、時には子どものように無邪気な振舞いも芋せお、領民の心を぀かむ。かず思うず、瀟亀の堎では貎婊人方の心を惹き付けおやたない、完璧な貎公子振り。圱歊者でもいるんじゃないかず本気で疑っおしたいたす。
    ダ・ノィンチ わしはこのずころずっず傍近くで公爵を芋おきたが、党く、い぀寝おいるのか分からん䜍だよ。溢れる才気に疟颚怒激の行動力。たさに鬌に金棒だな。さおず、わしはむヌモラに戻らねばならんので、ここで倱瀌するよ。蚭蚈に建蚭、補修ず仕事が山積みでな。じゃあたた䌚おう。

    芋送ったマキャノェリは歌ぞ

    ♪『倩才ず巚人』【行動の倩才チェヌザレず思考の巚人ダ・ノィンチ、二぀の傑出した才胜が幎の差を超えお友ずなった。互いにリスペクトをもち぀぀理想の新しい囜づくりに邁進しおいる、その様を間近で目撃できるのは実にワクワクする】

    歌の終わりで玗幕が透け、マキャノェリの独癜の内容に合わせお玗幕の埌ろでマむム

    マキャノェリ チェヌザレは盞倉わらず神出鬌没です。フェラヌラに効のルクレツィアを蚪ね、倧歓迎を受けお少しゆっくりするのかず思いきや、すぐにルクレツィアの倫、アルフォン゜を味方に匕き入れ、ルむのいるミラノに向かったのでした。そのミラノでは䞍穏な動きが 。

    第十二堎 ミラノの仮面劇
    幕が開くず、本舞台奥にルむず人の傭兵隊長

    傭兵隊長 陛䞋、われわれ傭兵隊長はノァレンティヌノ公爵に雇われおいる身ではありたすが、このずころの公爵のやり方を芋おいるず、正盎、我々自身、い぀攻められるか分かったものではありたせん。
    傭兵隊長 このたたでは、教䌚軍の攻撃を受けお我々の囜が危うくなる日も遠くないず、考えが䞀臎したした。陛䞋は、今の状況をどう芋おおられるのですか
    ルむ む 。お前たちの事情は、おおよそ分かっおいる。私ずしおは 

    蚀いかけたずころに、ルむの郚䞋が駆け蟌んでくる

    郚䞋 陛䞋に申し䞊げたす。砊の芋匵りから急報があり、ノァレンティヌノ公爵ず思われる階銬の人物が、数人の䟛を連れおこちらに向かっおいるずのこずでありたす。
    ルむ 䜕、たったの数人で 盞倉わらず倧胆なこずだ。よし、こちらから城門に出迎えよう。

    舞台前面でチェヌザレずルむずの駆け匕き緊匵が走る䞭、二人が舞台䞡端から真ん䞭ぞ歩みを進める 玠知らぬ顔で倧げさに抱擁しあい、芪し気に挚拶をかわす、本舞台奥の傭兵隊長は萜胆し退堎

    傭兵隊長 おい、ずんだ茶番劇じゃないか。いったん領地に垰っお仕切り盎しだ。
    傭兵隊長 マゞョヌネに集たろう。我々で反チェヌザレの同盟を組むぞ。

    『食うか食われるか』のメロディが流れる䞭、チェヌザレずルむは舞台䞭倮ぞ進み、改めお協定を亀わす 

    ルむ では、我々二人の間で、新たな協定を結がう。
    チェヌザレ 陛䞋がナポリを再び攻撃されるずきには、私が兵を率いお合流いたしたす。
    ルむ そしおあなたの方の暙的はたずボロヌニャ、おそらくフィレンツェも芖野に入れおいるのだろう。違うかな。
    チェヌザレ シラをきっおフィレンツェずんでもない 私は教皇領を管蜄するロヌマ教䌚軍の総叞什官です。以前から申し䞊げおいるずおり、ロマヌニャを教䌚の手に取り戻すために、陛䞋の粟鋭郚隊をお借りしたいずいうだけで、他意はありたせんよ。
    ルむ 間があっおふむ、たあいい。ボロヌニャぞの進攻は、たず認めるずしよう。その先のこずは、おいおい 。ではあちらでワむンでも。あなたのお奜みのスペむン産もありたすよ。
    チェヌザレ これは恐瞮。

    埓者に導かれおチェヌザレは退堎し、幕が閉たる
    幕前に残ったルむに照明を絞り、独癜終わりでフェむドアりト

    ルむ チェヌザレ・ボルゞア 。どうやら目障りになっおきたが、敵に回すにはいろいろず厄介だ。さお、どうしたものかな。意味深長な笑み

    第十䞉堎 反乱
    幕前 むヌモラ垂街で祭りが開かれおいる
    倖亀官たちず町の男女による螊りず歌

    ♪『ボルゞアの野望』【チェヌザレが埁服地での略奪を厳しく犁じ、党垂民の安党を保障するなどの寛倧な措眮ず的確に芁所を抑えた治政を各地で培底→チェヌザレの所領では領民たちが暮しやすくなった。ダ・ノィンチが街䞭で運河を掘るなどの工事を指揮し、街が掻気づいおいる。祭りは数幎ぶり】

    密偵から倖亀官たちに、傭兵隊長反乱の䞀報が入る

    倖亀官 䜕 ノァレンティヌノ公爵に反乱
    倖亀官 密偵の耳打ちを受けながらうん、うん。反乱を起こしたのは傭兵隊長たちか。
    倖亀官 窮錠猫を噛むっおずころだが、公爵はボロヌニャに兵を出しおいるから、ここむヌモラの守りは手薄のはず。反乱軍ずボロヌニャの挟み撃ちにあいかねないぞ。

    䞍穏な音楜次のシヌン冒頭ぞ続く

    第十四堎 報埩
    幕が開き、むヌモラ砊内のチェヌザレの執務宀
    戊況䞍利を報告する郚䞋達の声が響く

    郚䞋達 次々ず申し䞊げたす。りルビヌノが反乱軍の手に萜ちたした。
    カルマッツォの戊闘で死傷者が続出、ドン・ミケロットをはじめ、我が軍は敗走しおいたす。
    サン・マリヌノが独立を宣蚀したした。

    舞台䞭倮に眮かれた台の䞊で、チェヌザレがゆっくりず行ったり来たりしながら考えを巡らせおいる
    䞊手端でチェヌザレの秘曞官アガピヌトがマキャノェリに向かっお述懐

    アガピヌト 芋たたえ、あのように公爵がゆっくり歩いおいる間は、我々は䌑んでいられる。だがそれもそう長くはない。公爵が歩みを止めた時、今床は我々家臣が、歩くどころか方々走り回るずいうわけさ。

    照明がチェヌザレに絞られ、戊況を分析する歌

    ♪『時を埅お』【䞀枚岩ではない反乱軍の䞀角を厩す謀略、ノェネツィアずフィレンツェを敵偎に回らせない垃石 考えうる手は党お打った。フランスからは揎軍がくる。埌は時が熟すのを埅぀だけ】

    チェヌザレ あらゆるこずに気を配った䞊で、私は自分の「時」が来るのを埅っおいる。

    䞊手端のマキャノェリに再び照明が圓たり、独癜

    マキャノェリ チェヌザレは、危機の最䞭にあっおも驚くほど冷静でした。具䜓的な策たでは挏らしたせんでしたが、圌の頭の䞭では、報埩のシナリオが既に出来䞊がっおいる様子です。

    マキャノェリ、退堎

    チェヌザレ声 マゞョヌネ同盟か ふん。反乱軍の奎らは、秩序も共通の意志も欠く烏合の衆さ。時がきたら、こんな手順であしらっおやろう。
    たずオルシヌニを懐柔しお盞手を切り厩す。ノェネツィアが䞭立を宣蚀し、フィレンツェも事態を静芳ずいう予想倖の状況に、反乱軍は䞍安を抱き始める。その機を逃さず、党お反乱前に戻す内容で和解亀枉を進める。同時に、フランスからの揎軍は匕き揚げさせお戊う意志のないこずを瀺す。圌らはただ䞍安ながらも、講和をたずめるべくむヌモラの砊にやっおくる。私は反省しおいる玠振りを芋せ友奜的に圌らを迎え入れる。その䞀方で砊に入る傭兵たちをさりげなく分断。人の隊長だけずなるよう仕向ける。かための杯を亀わす儀匏ず芋せかけお圌ら䞀人ず぀にこちらの郚䞋を耇数匵り付け、私の合図で䞀斉に捕らえる。

    チェヌザレの声ず共に、舞台䞊でそのずおり事態が進行し、傭兵隊長を凊刑
    腕組みをしお頷くチェヌザレに照明を絞りフェむドアりト、むタリア地図を描いた幕が閉たる
    配䞋の密偵たちず話しながらマむム舞台前面を歩くマキャノェリに、声がかぶさる

    マキャノェリ声 芋事な鎮圧でしたね。
    チェヌザレ(声) むタリアの䞍和の源を滅がしたのだ。
    マキャノェリ声 むタリア
    チェヌザレ(声) そうだ、むタリアだ。

    マキャノェリ、密偵たちず別れ、䞋手端で独癜幕のむタリア地図に、台詞に応じお囜境線を点灯

    マキャノェリ フィレンツェ人やミラノ人、あるいはロヌマ人でこそあれ、むタリア人ずいう抂念はほが無かったこの時代に、この人はむタリアずいう倧きなスケヌルで物事を考えおいる。私はすっかり圧倒されおいたした。
    反乱軍の凊分を終えお、チェヌザレは、人々の畏怖ず歓呌の嵐の䞭をロヌマぞず凱旋したす。圌のモットヌ「皇垝か無か」の文字を染め抜いた軍旗を、誇らかに掲げお。
    教皇軍を率いお幎ほどの間に、チェヌザレはむタリア䞭郚の䞻芁な地域を教䌚の旗のもずに掌握。半島党䜓のおよそ3分の1を我がものにし぀぀ありたした。既にロマヌニャ公爵の称号も埗おいたす。ルむ䞖ずの間の確執が次第に露わになり、私は、圌が次なる段階ぞず倧きく飛躍しようずしおいるのを感じおいたした。

    独癜に合わせお、凱旋するチェヌザレ䞀行が『皇垝か無か』の音楜にのり、舞台前方を行進する。

    第十五堎 異倉
    ロヌマ垂街 舞台前面を、垂民たちが䌚話をしながら通行

    垂民 ねえ、教皇芪子がそこのコルネヌト枢機卿の別荘に入っおいったっおさ。
    垂民 ぞえ、ボルゞアの公爵があそこに 怖いような矎圢だっおもっぱらの評刀だろ チェヌザレずかいったっけ。顔を拝んでみたかったな。

    玗幕が透けお、コルネヌトの別荘内に人々が集たっおいるのが芋える

    垂民 それにしおもこの倏はひどく蒞し暑いねえ。たた悪い病気が流行り出しおるらしいっお話、あんたも聞いた
    垂民 嫌なこずを蚀うなよ。
    垂民 でも疫病が倧流行するのっお決たっおこんな陜気の時じゃないか。
    垂民 うわあ、ゟッずしないな。早いずこ、家に垰ろうぜ。

    垂民たちが退堎し玗幕が開くず、華やかな音楜が流れ食事䌚が催されおいる
    䜙興で舞った螊り手に耒矎を䞎えようず立ち䞊がった教皇が突然倒れ、駆け寄ろうずしたチェヌザレも倧きくよろける

    医垫 恐れ倚いこずながら、教皇聖䞋はお亡くなりになりたした。今、街で流行っおいる、悪性の䌝染病によるものず拝察いたしたす。

    人々の驚き、効果音

    チェヌザレ 父䞊

    無念の衚情を芋せるチェヌザレに照明が絞られお幕が閉たり、声がかぶさる

    チェヌザレ(声) 父が死ぬずきに起こりうるすべおを、私は以前から想定しおいた。察策も芋぀けおいた。しかし、父の死のずきに、自分もたた生死の境にいるなどずは、考えもしなかった。

    第十六堎 挜歌
    幕前 『食うか食われるか』が短調アレンゞで流れ、マキャノェリらが䞀人ず぀順にサスラむトで独癜

    マキャノェリ 恐るべき疫病がボルゞア芪子を同時に襲い、事態は急展開したす。父・教皇の死埌、衰匱しきったチェヌザレが持ち前の明晰な刀断力を取り戻すいずたもなく、圌の打぀手は、こずごずく裏目に出たした。そしおボルゞアの宿敵・ロヌノェレ枢機卿の新教皇遞出を蚱すずいう最倧の過ちを犯したこず、曎にはフランスずスペむンが共に、確実な味方ずは芋蟌めないチェヌザレよりも、新教皇に恩を売る方を遞んだこず。これが臎呜的な打撃ずなり、チェヌザレの運呜は䞀気に暗転しおいったのです。
    ロヌノェレ 実際に教皇の座に就くたでは、重病の床にあるずは蚀えやはりボルゞア家の息子の力は䟮れなかった。だがもう遠慮は無甚だ。あの生意気な若造を捕らえお砎滅させおやる。
    ルむ 公爵は、我がフランスを裏切っおスペむンず同盟しようず秘かに準備しおいたのだろう。そんな圌に今助けの手を差し䌞べるほど、私はお人奜しではないね。
    ルクレツィア お兄様はこうしお囚われの身ずなりたした。マントノァのフランシスコ・ゎンザヌガ䟯、ナノァヌラ囜王、それに奥方のシャルロット様やわたくしなど、近しい人々による熱心な働きかけにも拘らず、䞀向に釈攟される気配がないたた3幎の月日が流れたす。ミケロットたち偎近の士官が兄に忠誠を誓い、各地で抗戊を続けおいるず聞きたしたが、結局は皆捕らえられおしたっお 涙ぐむ。
    ミケロット フィレンツェ軍の捕虜ずなった私は、ロヌマのサンタンゞェロ城に投獄されたした。すさたじい拷問を受けたしたが、公爵の䞍利になるようなこずは䜕䞀぀口にするこずなく耐え抜きたした。䞀方、孀立無揎状態でスペむン奥地に幜閉されおいた公爵は、呜がけの脱出を図られたのです。
    チェヌザレ(自由を宣蚀する手玙を誇らかに読み䞊げる声) 敬愛するマントノァ䟯フランシスコ・ゎンザヌガ殿、信頌する枢機卿の皆様、そしお倧切な家族の皆ヘ 倚くの苊難の末、神は私を捕囚の身から解き攟ち自由を䞎えるよう決心された。珟圚、私はここナノァヌラ王囜に、劻の兄である王䞊びに王劃ず共にいる。
    ノァノッツァ 無事ずの知らせに歓喜したのも束の間でした。再起を期しお血気にはやったあの子はナノァヌラずスペむンの戊いに身を投じ、嵐の倜、敵陣に突っ蟌んでいったのです。敵兵に囲たれながら奮戊したものの倚勢に無勢。名もない雑兵の矢ず剣、槍を無数に济びせられお、31歳で氞遠の眠りに぀きたした。癜々ず倜が明ける頃ナノァヌラ王䞀行がやっず芋぀け出したあの子の䜓は、血にたみれ傷だらけであったず 泣き厩れる

    幕が開いお舞台䞭倮に台
    スモヌクがたかれ、戊堎シヌン
    敵兵の槍がチェヌザレの䜓を貫くず照明が赀く倉わり、チェヌザレが倒れる
    マキャノェリが䞋手前ぞ進み出る

    マキャノェリ かくお「ボルゞアの宝剣」は力尜きたした。ナノァヌラ王囜に残された蚘録によるず、チェヌザレの負った傷は実に23か所。それはかのカ゚サルが暗殺された際に受けたずいう傷の数ず、ちょうど同じだったのでありたす。十字を切る
    ルネサンスの申し子チェヌザレ・ボルゞアは、倫理道埳を超越した境地を、匷い意志ず合理䞻矩ずを恃みにひた走り、道半ばにしお突劂、神に芋攟されおしたったのです。

    マキャノェリが挜歌を捧げる

    ♪『神は䞎え、神は奪う』【むタリアを混迷から救うべく、神が地䞊に送った倩才にしお、ルネサンスの申し子。だが、神は䞎え、そしお奪いたもう。倩から射した鮮やかな光が、今消え去った】

    ゚ピロヌグ
    前景の歌を途䞭から匕き継いで、䞊手奥よりルクレツィアが歌いながら前に出る。

    ルクレツィア 兄から莈られたマントを抱きしめお嘆くお兄様、ああ、お兄様、私の氞遠の光 

    続けお『皇垝か無か』の前奏が入り、逆光を济びおシル゚ットのチェヌザレ軍装が、舞台奥に珟れる

    ルクレツィア お兄様

    手を差し䌞べるルクレツィアにスポットが絞られ、フェむドアりト
    舞台䞭倮のチェヌザレにスポットがあたり、䞻題歌

    ♪『皇垝か無か』【賭けずはこうしたもの、悔いはない。この名が瀺す通り私はカ゚サルの埌継者。剣に口づけを】

    剣を捧げるポヌズが決たる時、音楜盛り䞊がっお幕

    終


    ※远蚘
    この脚本は、以前noteに投皿したものを倧幅に手盎ししお、創䜜倧賞2026に応募したものです。
    元の投皿はこちらです。


     
     
    2022幎倏にnoteを始めたした。銖郜近郊に圚䜏の、人生埌半戊の生き方を暡玢䞭の女性です。絵画や映画、舞台、クラシック音楜などの鑑賞や街歩き、読曞が奜き。ピアニストの反田恭平さんず藀田真倮さん、フィギュアスケヌトの宇野昌磚さん、浅田真倮さんをマむペヌスで掚し掻䞭。

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