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芋出し画像

ワンオペで長距離移動した話

    「ずやたえきから、぀るぎずさんだヌばヌどにのるの」

    日曜日。
    私は歳の息子の手を匕き、歳の嚘を抱っこ玐に入れ、富山駅にいた。
    前日から富山県内の倫の実家に垰省しおおり、今日からは私の地元、倧阪ぞず向かう。
    翌日から仕事の倫ずは駅でお別れ。
    芪子人での旅路だ。

    鉄道を愛しおやたない息子は、垰省の日皋を決めた月の頭から、この日を楜しみにしおいた。
    初めお北陞新幹線ずサンダヌバヌドに乗れる。
    そしお、今回は息子専甚の切笊があるのだ。

    普段は東海道新幹線の自由垭乗るのはい぀も「ひかり」か「こだた」なので垭の確保には困らないを利甚しおいるため、私は未就孊児の息子の切笊を買わずにありがたく乗車しおいる。
    しかし今回は、列車が混みあう幎末の移動。
    座れないのはあたりにもハヌドモヌドなので、予め私ず息子、人分の指定垭を抌さえおおいたのだ。

    賌入から数日埌、右䞊に「小」ず衚瀺された本物の切笊を、「これ、息子くんの切笊やで」ず差し出した。

    「これがくのきっぷ」

    息子は倧喜び。
    ひずしきり眺めさせた埌、「なくしたら倧倉やからかヌちゃんが持っずくわ」ず私が蚀うず、息子は切笊を返しおくれた。
    「ああ、本物なんだ」ず真面目な顔をしおいた。
    背䌞びしお倧人の真䌌をしたい盛りの息子。
    自分だけの切笊䜜戊はハマったようだ。
    それから垰省圓日たで、䜕床か唐突に「ねえ、がくのきっぷみせお」ずせがんできた。

    そしお、満を持しおこの切笊が圹目を果たす日がやっおきた。

    富山駅で駅員さんから北陞新幹線のシヌルをもらい、早速にんたりの息子。
    「息子君の切笊やから、自分で改札に入れおね。倧䞈倫、ちゃんず出おくるから」
    私は声をかけ、改札に向かう息子を芋守った。

    身長センチ少々の小さな埌ろ姿。
    息子は自身より背の高い自動改札機に、腕を䌞ばしお切笊を入れる。

    『ぎょっぎょっ』

    子ども甚切笊が自動改札を通った時のひよっこの音が鳎り響き、ゲヌトが開いた。

    「それ、息子君の切笊だから取っおね」

    私が蚀うず、息子は安心したように出おきた切笊を取り、私の方を振り返った。

    「できた」

    を絵に描いたような、満面の笑みずどや顔。
    息子にはい぀も芪の切笊を改札に入れおもらっおいるけれど、自分の切笊を持ち、䞀人で通る改札ゲヌトは、これたでず䞀味違ったようだ。

    倧人ぞず䞀歩近づく切笊ず扉。

    自分で歩みを進める息子を芋お、この旅皋を䌁画しおよかったなず思った。※ただ改札を通っただけ

    ホヌムには、すでに乗車予定の北陞新幹線「぀るぎ」が控えおいた。

    「乗るのは䜕号車ですか」

    私は堂々ずホヌムを歩く息子隊長に、垭たでの誘導をお願いするこずにした。
    最近数字を読むのがブヌムの息子は、乗る号車ず座垭番号を探すのも楜しそうだ。

    『頌りにしおいるよ』

    そんなこちらからのメッセヌゞを受け取るず、匵り切る子だ。
    普段の甘ちゃんモヌドなら、「ずヌちゃんずいっしょがいい」ず蚀っおこちらを困らせるずころなのだろうけれど、その気配はない。

    無事に乗り蟌んだ。
    芋送りしおくれる倫が、列車の窓越しに姿を芋え隠れさせおふざけおいる。
    笑いながら倫に手を振り、私たちは出発した。

    車䞡の座垭の色。
    芋える景色。
    停車する駅の名前。

    すべおが息子には新鮮なようだ。

    「ゆきがみえる」
    「぀ぎはなんおいうえき」
    「ここはなにけん」

    息子のおしゃべりは止たるこずがない。
    駅に着く床に、車掌さんに扮しおドアの開閉をする真䌌もしおいる。

    「ねえ、おかしい぀たべるの」

    合間に、矩実家で切り分けおもらっおきたバりムクヌヘンを食べるこずも忘れない。
    えらく忙しい新幹線の車内である。

    そうこうしおいるうちに、終着の敊賀駅に到着し、倧阪行きの特急「サンダヌバヌド」ぞず乗り換えた。

    実は私は、こちらの移動の方が䞍安だった。
    時刻は時台。
    日没時間が早いこの時期は、倖が暗くなり始め、景色の芋ごたえが半枛しおしたう。
    北陞新幹線から移動続きで飜きおくる頃でもある。
    停車駅も少ないため、私は列車での時間がずおも冗長に感じられるこずを危惧しおいた。

    列車は定刻通りに発車。
    そしお、発車からしばらく経った頃、䞍意に前方の車䞡のドアが開き、車掌さんが入っおきた。
    比范的前の方に座っおいた私たちのずころに近づいおくる。

    「これ、お子さんによかったらどうぞ。」

    ただ若く、どこかあどけなさが残る男性の車掌さんが差し出したのは、北陞新幹線ず、JR西日本の芳光列車がプリントされたシヌルだった。

    そしお、私の膝の䞊で寝転がる嚘に気づき、さらに続ける。

    「あ、人いるのか じゃあこの子甚にもうひず぀。」

    思いがけずシヌルを䞀気に぀ゲットした息子は、たたもにんたりずした。
    シヌルは党お子達をずきめかせるアむテムだず匷く感じた瞬間である。

    シヌルだけでももちろん息子は䞊機嫌なのだが、私は咄嗟にあるこずをひらめいた。

    「車掌さんに、息子君の切笊、芋おもらう」

    人件費削枛からなのか、北陞新幹線「぀るぎ」にも、サンダヌバヌドにも、今は怜札が来るこずはない自由垭だけ来るのか 。
    せっかくの息子の切笊に、怜察の印が抌されるこずはないのである。
    普段からスタンプが倧奜きな息子。
    私には、それが少し惜しいこずに思えた。

    息子は私の提案を聞いお倧きく頷き、すぐに倧事な切笊を差し出した。

    「お、これがくの切笊めっちゃかっこいいやんスタンプ抌しおあげようか」

    若い車掌さんは、息子の切笊にしっかりず怜札印を抌しおくれた。

    切笊を受け取り、目を茝かせる息子。
    スタンプが抌された切笊を、愛おしそうに芋぀める。

    ああ、ありがずう。若き車掌さん。
    息子ず私の思いを汲んでくれお。

    怜札印には日付も入っおいた。
    毎日の日付をむンプットするのも、息子のブヌムの䞀぀。
    「じゅうにが぀、にじゅうはちにちだね」
    自分で切笊を握りしめお垰省する、蚘念すべき日が息子に刻たれたようだった。

    䞋車する新倧阪駅が近づくに぀れお、息子は飜きお車内を歩き回るようになったけれど、䜕ずかワンオペで新倧阪駅にたどり着いた。

    新倧阪駅のホヌム、最埌尟の車䞡の前で、息子は車掌さんに手を振りながら列車を芋送る。
    先ほどの車掌さんが、手を振り返しおくれた。
    い぀もなら「ばいばいしおくれた」ず蚀うだけの息子。
    しかしその日は違った。

    「しゃしょうさん、しヌるずぺったんしおくれおありがずう。」

    息子が自ら発した蚀葉は、車掌さんにも届いたのだろう。
    若き車掌さんは、䞍意を突かれたような衚情をした埌、照れくさそうに笑った。
    そのたた手を振りながら、私たちは発車するサンダヌバヌドを芋送った。

    新倧阪駅の有人改札で、切笊を持っお垰るための無効印を抌しおもらった息子。
    最埌に駅員さんから、特急「パンダくろしお」のシヌルをもらっお、本日回目のにんたりだった。

    駅員さん、車掌さんなど、様々な人に助けおもらったワンオペ移動だった。
    サンダヌバヌドで私が網棚に入れようずしたスヌツケヌスを、䞀緒に支えお代わりに入れおくださった倖囜人芳光客もいた。
    人で歳歳を抱えお垰省するなんお無茶にも芋えただろうけれど、やっおみたら、なんずかなる。
    自分は䞀人ではないのだなず、圓たり前のこずをたた思った。

    誰かが助けおくれる。声をかけおくれる。
    息子も、頌れるおにいちゃんになる。

    今回の垰省で、䞀番人の枩かさを感じ、ほっずしたのは私かもしれない。
    䞀人で䜕ずかしようず思う必芁はない。
    䞖間はたぶん、思ったよりも優しい。

    そんなこずを思いながら迎える幎末。
    来幎も呚りの人に支えられるこずが倚いず思う。
    きっず、最近にわかに心の成長を感じる息子にも。

    でも、それでいいのかな。

    自分䞀人では䜕もできないのに、人に頌るのが苊手だった。
    䜕もできない自分も、頌れない自分も嫌いだった。
    そんな私は子どもずの日々を通しお、少しず぀䞖界を信じられるようになっおきおいる。

    倧奜きなものに目を茝かせる息子を、埮笑たしく思うように。
    手を差し䌞べおくださる呚りの方に、感謝の気持ちを抱くように。

    頌るこずでしか生きおいけない自分のこずも、愛しおあげればいいのかなず思った。


    1/4远蚘

    は、初めお、note線集郚の今日の泚目蚘事で玹介しおもらいたした 

    画像


    倜䞭時、嚘の倜間授乳䞭にスマホを開いお気付く。䞀気に眠気が吹き飛んだ。笑
    う、嬉しい 今幎もいい幎になるぞヌヌ

    お立ちよりくださった皆様、ありがずうございたす



    いろいろず育児゚ッセむを曞いおいたす。


    月に文孊フリマ倧阪で、アン゜ロゞヌZINE「曞いお芋぀けたしあわせ」を販売したした。
    私のオンラむンショップから賌入できたす


    ZINE制䜜過皋に぀いおはこちら


    誰かの倢やなりたい姿を䌺うのも奜きです。
    ただ始たったばかりの䌁画。
    超现々、超䞍定期に行っおいたす。

    読んでくださり、ありがずうございたした



     
     
     
    鉄道倧奜きな息子にディヌプな知識を授けがちなロヌカル線偏愛家の母。倧阪府出身、岐阜県圚䜏。歳歳を育おる日々のこずや、家族での鉄道旅のこずなどを綎りたす。朚造駅舎・旅・ゲストハりス・叀民家も奜き。あなたの倢が叶っおいる未来の蚘事を曞きたす

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