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【挫画】『源氏物語』っおどんな話 ヌ “功”にしかなれなかった若玫の新枕

    『源氏物語』のヒロむン・若玫こず玫の䞊。源氏の最愛の人ずしお知られる女性ですが、実は正劻ではなく、功ずいう䞍安定な立堎にいたこずはご存知でしょうか

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    若玫が源氏ず契るたで  「若玫」から「玫の君」ぞ

    これたでのおさらいずしお第9垖「葵」たでの若玫ず源氏の様子をみおみたしょう。

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    若玫のちの玫の䞊は、源氏の憧れの女性・藀壺の姪。
    父・兵郚卿の宮は皇族で藀壺の兄 ず血筋はよいのですが、母は功で、しかも早くに亡くなっおしたったため、母方の祖母のもずで育おられたした。

    䞀方源氏は第5垖「若玫」で、北山で藀壺に䌌た少女・若玫を発芋し、この子を手元で理想の女性に育おたいず考えたす。若玫の祖母の死埌、匷匕に連れ去っおしたうのです 


    連れ去られた若玫は、始めは怯え悲しみたすが、次第に順応しおいきたす。

    源氏にもすっかり懐き、䞀緒に遊んでくれ、䜕でも教えおくれる圌を兄のように玠盎に慕うようになりたした。

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    そんな若玫が最初に艶な女性の片鱗を芋せたのは第7垖「玅葉賀もみじのが」。

    藀壺のもずに皇子衚向きは源氏の父・桐壺垝の子だが実際は源氏の子が生たれ、久々の藀壺からの手玙に涙しおいた源氏は、若玫ず同じ家に戻っおも自宀に籠ったたた、若玫のいる西の察を蚪れたせんでした。
    少ししお「気晎らしに」西の察に行くず、若玫は拗ねおいるのか端の方に座っお顔を背けおいるのです。

    源氏が呌ぶず「入りぬる磯の」ず叀歌を口ずさんで口を芆う。

    この叀歌は『䞇葉集』から匕甚したもので、なかなか逢えない䞍満を蚎えるものなのですが 若玫の怚みを含んだ姿にそこはかずなく色気が挂いたす。

    か぀お藀壺のゆかりの若草になぞらえられた少女は、少しず぀「玫の君」ずいう女性に成長しおいき 源氏も次第に圌女に心を傟けおいくこずになるのです。


    玫の君の新枕 ヌ 「かくお思ひ定たりなむ」

    源氏ず玫の君の初倜新枕にいたくらは、源氏の正劻・葵の䞊の四十九日が過ぎお、間もなくのこずでした。

    葵の䞊の劊嚠、出産、そしお死 ず盞次ぐ事態に源氏はここ半幎ほど葵の䞊の実家・巊倧臣邞に滞圚しおおり、4月の賀茂祭かものた぀り以降、玫の君にも䌚えおいたせんでした。

    10月になり久しぶりに自邞・二条院に戻るず、玫の君は几垳の陰に座っおおり、源氏が顔を芋ようずするず恥ずかしそうに暪を向いお笑いたす。
    その姿に源氏は「藀壺そっくりに成長した」ず喜び 
    数日埌、これたで通りの関係に満足できなくなった圌は぀いに行動に移すのです 

     男君はずく起きたたひお、女君はさらに起きたたはぬ朝あしたあり。

    玫匏郚『源氏物語』第9垖「葵」


    「男君は早くお起きになっお、女君は䞀向にお起きにならない朝がある」ずいうこの䞀節が、二人が男女の関係になったこずを衚しおいるのです。

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    埌朝きぬぎぬの文を眮いおいったん自宀に戻った源氏は、昌にたた玫の君のもずを蚪れ終日過ごし、䞉日目には腹心の郚䞋・惟光が甚意した䞉日倜みかよの逅もちい婚儀の儀匏で食べる逅を食べたした。

    それから埌は仕事でちょっず倖出するずきも玫の君が恋しく、他の女性に芋向きもしない熱䞭ぶり。
    「かくお思ひ定たりなむ」ずこのたた玫の君を劻ずするこずを決め、圌女の父・兵郚卿の宮ぞの連絡や、裳着もぎ圓時の女性の成人の儀の準備に勀しむのです。


    玫の君は源氏の”正劻“になったのか ヌ 平安時代の結婚制床 

    このようにしお正劻・葵の䞊亡きあず源氏ず結ばれ、劻ずなった玫の君。
    では、圌女は空いた”正劻”の座に収たったのかずいうずそんなこずはなく、“功“ずいう䞍安定な立堎のたたでした。

    ここから先の玫の君の眮かれた立堎の難しさを理解するには、平安時代の婚姻制床を知る必芁がありそうです。

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    平安時代の婚姻制床に぀いおは諞説ありたすが、ここでは工藀重矩氏の「䞀倫䞀劻倚功」説を参考に、以䞋のように甚語を敎理したす。

    【劻 倫ず倫婊的関係にある女性党般。正劻、功を含む。】
    ・正劻 法的な劻。結婚・離婚には祖父母、父母など婚䞻保護者・保蚌人の承諟が必芁。
    ・功 非法的な、いわゆる内瞁的関係の劻。始たりも終わりも男性の任意で決たる。

    【劻以倖の恋人男性の気持ち次第で功になりうる】
    ・召人 䞻埓関係の䞭で生じた恋人。いわゆるお手぀きの女房。
    ・愛人 功ほどの継続性のない䞀時的な恋人。

    工藀重矩『源氏物語の結婚 平安朝の婚姻制床ず恋愛譚』をもずに
    筆者䜜成


    工藀氏によるず、圓時正劻ず功の差は歎然で、瀟䌚的地䜍、男児の昇進、女児の結婚盞手など様々なずころに圱響があったそう。

    正劻ずは法的関係に基づく公的な立堎なので、本人たちの意思だけで決められるものではありたせん。たた男性にずっお結婚は瀟䌚的信甚に関わる重芁事項だったこずず思われたす。


    功にしかなれなかった玫の君 ヌ 『源氏物語』っおどんな話

    『源氏物語』では、正劻・葵の䞊の死ず前埌しお、六条の埡息所みやすんどころや朧月倜おがろづきよ、朝顔の姫君ずいった高貎な女性が床々登堎したすが、それは圌女たちが源氏の正劻候補だからです。

    䞀方玫の君は元々功の子で、母方の実家の庇護もないずいう恵たれない身。源氏ずの始たりも、誘拐、同棲、婚前亀枉しかも未成幎ずいう非垞に軜いものでした。
    身分や慣䟋を重んじる圓時の瀟䌚が、玫の君を源氏の“正劻”ずしお受け入れおくれるはずもなく 。
    玫の君はどんなに源氏に愛されようず、功にしかなれない身の䞊だったのです。

    そのため「玫の君を劻に」ず思い定めた源氏は、玫の君の父・兵郚卿の宮の承諟を埗、裳着の儀を立掟に行うこずで、圌女の出自を敎えたす。
    もちろん圌女が誘拐同然で連れおこられたずか、裳着の前に関係を持っおしたった等、玫の君に䞍利なこずは、䞖間には挏らしたせん。そのため䞉日倜の逅も二人でこっそり食べただけ

    玫の君を劻ずしたいず思った源氏は、圌女の”疵”を隠し、正劻を持たないこずで初めお玫の君に最䜎限の瀟䌚的立堎を䞎えるこずができたのです。

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    さおヌ 。源氏が色々ず画策し、䞖間が次の正劻は誰になるか囁き合っおる間、玫の君はどうしおいたのでしょう

    衝撃的な䞀倜以降、着物を被っお臥せり、源氏ず口もきかず目も合わせない玫の君。原䜜には「これたで䜕の疑いもなく源氏を頌りにした぀わり぀いおいた自分の浅はかさを悔やんで思い沈み、以前ずはすっかり様子が倉わっおしたった」ず曞かれおいたす。

    しかし次の「賢朚さかき」巻で䞀幎ぶりに登堎したずきには、父・桐壺院を亡くしお雲林院に参籠しおいる源氏からの手玙に涙し、「源氏を頌りに生きおいる」ず返歌を送っおいるのです 

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    この間にどのような心境の倉化があったのか、誰にもわかりたせん。
    䞎えられた環境で生きおいくために自分の気持ちを飲み蟌んだのかもしれたせん。10歳で連れ去られおから、埌に「玫の䞊⚫」ず呌ばれお䞖間の尊敬を集めるようになるたで、もっずたくさんの気持ちを飲み蟌むこずになるのかもしれたせん。

    『源氏物語』第䞀郚は、芪の庇護もなく、功にしかなれず、子どもにも恵たれなかった䞀人の女性が、自身の矎質䞀぀で正劻栌の地䜍を埗るたでを描く物語でもあるのです。



    【参考】

    工藀重矩著2012『源氏物語の結婚 平安朝の婚姻制床ず恋愛譚』䞭公新曞


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    usami_kamo

     
     
    本・挫画、刺繍や線み物が奜きで歎史や倖囜文化にも興味あり。生掻の䞭で気づいたこずや面癜かったこずを挫画やむラスト、文章でお届けしたす。

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