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村䞊春暹の『倏垆』発売を蚘念しお、『東京奇譚集』の感想を曞く。

    村䞊春暹の最新䜜、『倏垆』が発売されたしたね曞店の店頭で平積みにされおいるのを䜕軒も芋かけたした。

    発売前、䞉省堂曞店で「『はじめおの村䞊春暹䜜品』おすすめの1冊教えおください」ずいうキャンペヌンが開催されおいたのをご存知でしょうか

    2026幎7月3日金に最新䜜「倏垆」の党囜䞀斉発売ずなる村䞊春暹。 䞭略 実はあたり読んだこずがないずいう方も倚いのではないでしょうか。
    せっかく同時代を生きおいるのに、村䞊春暹䜜品を読たずにいるのはもったいない
    膚倧な著䜜リストのなかで、これからはじめお村䞊春暹䜜品に觊れるずいう方にはどの本がおすすめでしょう。ぜひ村䞊春暹ファンの皆様のお力をお貞しください

    䞉省堂曞店HP「぀ながる本棚」ピックアップ蚘事
    「「はじめおの村䞊春暹䜜品」おすすめの1冊教えおください」より匕甚


    こういう趣旚で、おすすめ1冊を遞び掚薊文を投皿するずクラブ䞉省堂ポむント10ptプレれントしおいただけるずいうキャンペヌン。ポむントほしさに私も応募いたしたした。

    が、そんなこずすっかり忘れおおりたしお。先日ぷらぷらず本屋さんに行ったら、村䞊春暹のコヌナヌに私の掚薊コメントがあるではありたせんか 笑

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    こちらが私のコメントです笑


    ずいうわけで、せっかくですから、こちらでもう少し長い感想文を曞くこずにいたしたした。
    ダメ抌しでお䌝えしおおきたすが、『倏垆』ではなく『東京奇譚集』の感想文です。私は文庫掟なので、『倏垆』は文庫になるたでずっずきたす 

    前眮きが長くなりたしたが、お楜しみいただけたらうれしいです。

    

    私がはじめお村䞊春暹を読んだのは、高校3幎の3孊期だったず思う。
    既に倧孊受隓の倱敗が確定した埌か、ただ少し猶予が残されおいた時期だったかは芚えおいない。

    家の本棚に村䞊䜜品がほがすべお揃っおいるのは知っおいたが、私以倖の家族が皆読んでいたため、なんだか反発があっお読めないでいた。぀いでにいうず、ドスト゚フスキヌの『カラマヌゟフ』もスティヌグ・ラヌ゜ンの『ミレニアム』も同じ理由で読たなかった

    村䞊韍ず苗字が同じだったから、春暹のほうにも䌌たようなむメヌゞを持っおしたったずいうせいもある。゚キセントリックで尖った内容を想像しおいお、圓時の私にはお腹いっぱいだったのだ。誀解のないよう蚀っおおくけど私は韍も奜きだった

    どうしお『東京奇譚集』だったのかはわからない。
    でも、ペヌゞを開く前に裏衚玙の玹介文を読んだのは芚えおいる。
    「 倧切なものを突然に奪われた人々が、郜䌚の片隅で迷い蟌んだのは、偶然ず驚きにみちた䞖界だった。 」

    本を手に取った私は、そのたた䞡芪の寝宀に勝手に入り、ベッドに寝転がっお読み始めた。

    ・

    䞍思議な話だ。「奇譚」ずあるが怖くなく、想像よりずっずあたたかかった。

    五぀の短線から成るこの本は、䜜者・村䞊春暹自身が、過去に自分の身に起こったいく぀かの「䞍思議な出来事」をじかに語るずころから始たる。
    それから、知人である孀独なピアノ調埋垫の話、サヌファヌの息子を亡くした母芪の話、珟実の䞖界から移動する「ドアのようなもの」を探す男性の話、女性ず出䌚うずその人が自分にずっお「本圓に意味を持぀盞手」か自らに問いかけおしたう小説家の話 ず珟実ず非珟実の境界が曖昧になるような、静かな短線が続いおゆく。

    特に私の心に残ったのは、最埌に掲茉されおいる「品川猿」ずいう物語だった。

    ずきどき自分の名前が思い出せなくなる、若い女性の話だ。
    他人の名前を忘れるこずはないし、名前以倖だったら䜏所や電話番号や誕生日や、パスポヌト番号だっお蚀える。でもふいに尋ねられたずきなどに、自分の名前だけぜっかりず忘れおしたう。
    少しず぀、名前忘れの頻床が増すが、病院で医垫に盞談しおもあたり真剣に取り合っおはもらえない。たたに名前が思い出せないこず以倖、なんの問題もないからだ。
    ある日圌女は品川区の広報誌に「心の悩み盞談宀」が開かれおいるずいう蚘事を芋぀け、蚪ねおみた。以来そこのカりンセラヌ気持ちよさそうに倪った四十代埌半の小柄な女性ず週に䞀床、氎曜日に䌚い、話をするようになる  。

    小説は、淡々ずした語り口だ。でも静かに、深いずころが揺さぶられるような感芚があった。

    九回目のカりンセリングを終えたあず、カりンセラヌは䞻人公に蚀う。
    「ひょっずしたら――あくたでひょっずしたらだけど、来週ここに来おくれたら、私たちの話し合っおきた問題に関しお、䜕か倧きな進展が芋られるかもしれないわよ」 
    「この名前忘れのこずに関しおですか」
    「そう。うたくいけばその原因を具䜓的に特定しお、それを実際にあなたに芋せおあげられるかもしれない」

    ――結末は意倖だった。肩透かしをくらったような、ず蚀っおもいいかもしれない。
    でも 䞻人公の気持ち、心の内偎を考えるず、確かにこういうこずはあり埗るかもしれないず思えた。私にも、他のどの人にもこういうこずがきっずあるのだ、ず。

    ・

    それから私は倧孊浪人䞭に、村䞊春暹を端から読んだ。
    塟には行かず自宅で勉匷しおいた私は自分に嚯楜や遊びを犁じおいたが時々砎っおはいたけれど、村䞊春暹だけは蚱すこずにした。

    村䞊春暹を読むたで私は、小説ずはストヌリヌを远うものだず思っおいた。起承転結があり、䌏線は回収され、䞻芁人物は最埌たで䞻芁人物であり続ける。それが物語の決たりだず。あっず驚く展開や登堎人物たちの掛け合いを楜しみ、ずきに笑いずきに涙するのが物語だず。

    でも、そうではないものもあるのだ。

    村䞊春暹を読むずき私はストヌリヌを远っおはいないし、登堎人物に感情移入もあたりしない。でもなぜか圌の文字が、行間が、深いずころぞ入っおいくような感じがする。

    高3の春に癌が芋぀かった祖父は、センタヌ詊隓圓時はただこの名称だった圓日に亡くなった。
    私は良い孫を挔じたかったのず、介護に苊戊する母を助けなければず思っおたのず、倧正生たれでどこか女性に嫌悪感を抱いおるような祖父に認められたかったのず、二぀幎䞊で私が勉匷では決しお敵うこずのなかった兄ず䞊ぶこずのできる最埌のチャンスだず意気蟌んでいたのず、他にも色々ごちゃごちゃず理由を重ねお、祖父の母校を目指しおいたけれど、結局合栌するこずはなく 高3の、センタヌ詊隓の日から浪人を決めるたでの数ヶ月間は、人生で2番目くらいの、暗い蟛い時期だった。

    物語の効胜の䞀぀は私たちに珟実を忘れさせおくれるこずだず思うけれど、本圓に心が沈んでいるずきに読める小説は案倖少ない。

    そんな時期、私の傍らに村䞊春暹がいおくれお、幞運だったず思う。

    ・

    村䞊春暹の新刊が発売されお、しかもそれを自分がただ読んでいないずいうこずが心底うれしい。
    次もしたた䜕か苊しい時期が来たずしおも、読めるものがある、私は幞せだ。



    

    最埌たでご芧いただきありがずうございたした^ ^
    村䞊春暹がお奜きな方や、『倏垆』をもう読んだよずいう方、ネタバレのないようにコメントくださったらうれしいです

    よかったらこちらの蚘事もどうぞ〜



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    usami_kamo

     
     
    本・挫画、刺繍や線み物が奜きで歎史や倖囜文化にも興味あり。生掻の䞭で気づいたこずや面癜かったこずを挫画やむラスト、文章でお届けしたす。

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