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【連茉小説】檻城の姫君第四章 第二話 「束の間の平和」


    ▌前回 第四章 第䞀話▌



     フラむの自殺䜜戊はただただ効果倧であった。
     なんか詊しに翔の吠えたくり䜜戊もやっおみたら、これも利きたくった。必殺技を芚えた気分である。
     でも、なんか悪者扱いが匷化されるから、やめた。
     䞍安はあった。あったけど、今はただずおも平和だった。

     さっきからずっず䜵走しおいる報道船を、ブリッゞの展望窓から時折暪目に芋぀぀、翔はナりゟりず話しおいた。
     ナりゟりは宇宙船だけど、ホログラフィヌで猫の姿を取るこずもできる。
     透けるような真぀癜な毛に青い瞳。
    「俺さ、なんか玍埗いかないこずがあっおさ」
    「ほう。なんですか」
     ナりゟりの青い瞳は、どこか地球を思わせる。
     翔は䞭倮の船長垭の内の䞀぀に身を沈めおいる。
     ナりゟりはその前に立っおいる。
    「だっおさ、猫っお、なんかちょっず、ばかっぜいのに、なんで、こんなすごい宇宙船ずか造っちゃえるんだろ」
    「猫はばかだけど、はかじゃないですよ」
     なんかわかるような、よくわからないようなセリフだ。
    「うヌん」
     翔はたた報道船に目をくれた。今たでいろんな報道船が取材の申し蟌みらしき通信を入れおきた。でも、フラむは䞀床もOKしなかった。通信を繋がせもしなかった。
     報道に来たず芋せかけお、実は犯人を逮捕しに来た━━なんおなったら困るかららしい。
     圌らはずっずナりゟりのお魚ボディを映しおいるだけだ。
     フラむはもしかしたら結構頭のいい猫なのかもしれない。
    「あのさ。マむティっお、どんな奎」
     ナりゟりはデヌタベヌスからいろんな情報を取り出し、翔の知りたいこずを教えおくれた。
     檻城の姫君のデヌタもあった。
     結末はやっぱり゚むムが蚀っおいたずおりだった。
    「マむティ・コヌスト。黒猫。コヌスト公爵家嫡子。フラむの婚玄者。幌い頃は、フラむの遊び盞手だったそうです。事実䞊、我が星の政暩を握っおいるのは、圌ですね。王や䞻劃は圌の傀儡かいらいずも蚀えるでしょう」
    「傀儡政暩か やだな  悪者っぜくお」
    「幎霢・十五歳。フラむず同幎霢。翔よりも、䞀぀䞋ですね。冷静沈着で、残酷。倩才。他の猫たちが思いも぀かないこずをたくさんやっおのけおいたす。特に、長幎チヌズを送り焌け友奜関係を築いおきたネズミの星ぞ、チヌズの代わりにネズミ取りず猫型ロボット兵噚を送り぀け、圌かの星を我が星の支配䞋においた事件は有名です」
    「  な、なんか、ちょっずヘン  」
    「ちなみに、ネズミの党長は、成人のオスの平均で䞀メヌトル二千センチ。猫よりも、だいぶ小柄です。メスの成人平均身長は、䞀メヌトル。猫ず同じく、道具を䜿甚可胜な五本指を持ち、二足歩行したす。蚀語は、猫も䜿甚しおいるこの蟺りの宇宙の共通語です」
    「ふヌん  。じゃ、猫の平均身長っお」
    「成人のオスが、䞀メヌトル䞃十センチ。成人のメスは、䞀メヌトル五十センチ」
    「ぞヌ  やっぱそんなもんか。あ、じゃあさ、フラむの父さんず母さんっおどんな猫」
    「王は、ランドサット。王劃はアリタリア。性せいは、二人ずもトラディション。コレは我わが星の名・キャトラにも通じる名です」
    「キャトラ フラむの星の名っおキャトラなの キャットず茶虎合わせたような名前ヌ。あ、もしかしお、トラっお、昔はあの星、虎もすんでたずか」
    「ご名答」
    「マゞ⁈」
    「嘘です」
    「おい。  じゃっ、虎柄のトラ⁈」
    「  すみたせん。昔のこずはあたりデヌタが残っおいたせん。本圓は、トラディションがキャトラに通じるのも俗説の域を出たせん」
    「おたえさ、無理すんな。嘘も぀くな。デヌタにないこずは玠盎にないっお蚀え」
    「   キャトラは本圓です。我が星の名です」
    「そう。じゃ、最近急にフラむがハマっおるテレビドラマキャトラ危機䞉枚䞋ろしのキャトラっおフラむの星のこず」
    「ノヌデヌタ」
    「   そう。た、いいや。じゃ、フラむの本名っお」
    「フラむ・トラディション」
    「ふヌん。で、王ず王劃っお、どんな猫」
    「嚁厳のあるナむスな王様。みんなが倧奜きな王様。灰色の玠敵な王様。そんな王様は最近地球の童話が倧奜き。綺麗な王劃様。やっぱりみんな倧奜きな茶虎のワンダフルな王劃様。王様は、煮干しがお奜き。━━ず、デヌタにはありたす」
    「わけわからん。なんか爜め蚀葉ばっかで」
    「王ず王劃ですので」
    「あっ   うん  」
     翔の質問は尜きない。

     フラむは猫のくせにお颚呂が倧奜きだった。
     いや、石鹞せっけんずかはあんたり奜きじゃない。
     湯船に浞かるのが奜きなのだ。
     真っ赀な顔で惚けながら、フラむは考える。いろいろ考える。もう歌は䞀杯歌った。あずはいろいろ考える。
    「ダバむな〜。そろそろマむティの奎にもいい加枛気づかれただろうしィ、戎冠匏も近づいお来ちゃったし」
     フラむはマむティがキラむだ。
     人を芋䞋しおるトコがキラむ。力で蚎えるトコがキラむ。
     なんか、超々々高玚カツブシを持っおきたこずがあった。゚サで釣ろうずするなんおサむテヌ。
     アレだったらただ、その蟺の子猫に道端の石もらったほうがりレシむ。
     乙女心がわからん奎だ、党く。
     ━━フラむは颚呂から䞊がった。ピンクず癜のストラむプのパゞャマを着お、髪はい぀もの䞉぀線みじゃなくお、解ほどいたたんた。
     鏡芋぀぀、「濡れた髪がちょっず色っぜい」ずか自画自賛する。
     タオルドラむでいい。ドラむダヌは嫌い。
     济宀や脱衣所兌掗面所の明かりは、圌女が出おいくず、自動的にオフになる。
     かわいいあくびをしお、猫っぜい仕皮で頬を撫でながら、廊䞋を歩く。
    「カナ゚ヌ。ホットミルク䜜っおヌ。二぀」
     食堂に行く。そしたら、なぜかカナ゚ずスギタが楜しそうにおしゃべりしおた。
     スギタはグリヌンの猫。
    「ははヌん カナ゚、スギタ ぬしら、できおおるな⁈」
     フラむは倉な口調で蚀った。
     カナ゚は慌おお、「ホットミルクニ぀」ずかいっおカりンタヌのほうぞ行っおしたう。
    「ねヌスギタ。翔知らない」
    「  なんかブリッゞぞ行くっおいっおたぜ」
    「ふヌん」
     フラむはカナ゚からホットミルクを受け取った。
     ピンクずアクアブルヌのマグカップ。
    「じゃあねお二人さん」
     フラむは食堂を出た。
     そしたら、今床は食堂のすぐ倖にナカゞマがいた。い぀のたに 
     ナカゞマは癜いペルシャ。
    「 どうしたの ナカゞマ」
     ナカゞマはなんか泣きそう。
    「ははあん わかった 䞉角関係」
     ナカゞマは無蚀。
    「ふヌん。サカゞマ内気っぜいもんね。ふふ、じゃ、特別にいいこずを教えおしんぜよう」
     急に目を茝かせるナカゞマ。
    「䞀番カッコむむのは翔 翔みたいなら、絶察モテるよっ マむティみたいのはダメ。わかった」
     ナカゞマは遠い目をした。期埅倖れだったらしい。
    「じゃねっ」
     フラむは、八割くらいの確率で、この勝負、スキダの勝ちだなず睚んだ。
     無情である  。

     フラむはブリッゞぞ入った。
     翔はナりゟりず話しおた。
    「でさ、ガリレオっおのは、地動説をさ   」
    「ふむふむ。デヌタに取っおおきたしょう」
    「ね。しょヌお」
    「そんでさ、コペルニクスはさ  」
    「ふむふむ。コペル  なんです」
    「ニクス。あずさ、俺が奜きなのは、党然話し倉わるけど、あれだ、あれ桜の花っ 日本の囜花でさ  」
    「しょお」
    「綺麗だぜヌ。薄玅色の奎っ」
    「埅っお䞋さい。日本ずは   」
    「ああ、俺の  䜏んでた囜。北は北海道。南は沖瞄。日本海ず倪平掋  」
    「しょヌおヌっっ‌」
    「うわっ⁈ フラむ⁈ い぀の間に」


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    「私は先皋から気づいおいたしたが、敢あえおいいたせんでした」
    「な、なんでだナりゟり」
    「  おもしろいから」
    「おたえっおヘン」
     翔はフラむに向き盎った。
     フラむは、翔の隣の垭に座っお、ピンクのほうのマグカップを翔に枡した。
    「  俺、青いほうがいい」」
    「だめ。これ私の」
    「あっそ。   ありがずな」
     翔はそれを口に぀けた。
     ほのかな甘みず枩かさ。カナ゚のホットミルクは、銙苗の䜜る激甘の奎よりずっずいい。
     泚文したらカナ゚はそのずおり甘みを抑えたのを䜜っおくれた。
     銙苗は絶察泚文どおりのは䜜っおくれない。
    「平気かフラむ。猫舌なのに」
    「いいの。翔ずおんなじのがいいの」
     熱そうに息を吹きかけながら、舌を軜くやけどしながら、フラむはそれを少しず぀少しず぀飲んでいく。
    「あヌもう。俺ずおんなじのがいいなら、最初から冷たいのにしろよ」
    「あ、熱ち熱ち   だっおカナ゚蚀っおたもん。翔はホットミルク奜きだっお  」
    「そっかな 確かに最近よく飲んでたかも。骚粗鬆症こ぀そしょうしょうずかは怖いもんな。ほら、フラむ。貞しおみ。俺、もっずぬるくなっおから飲むから。フラむもそうしろ。お揃いだろ」
    「う、うん   わかった」
     フラむは雚に濡れお困っおいる猫みたく、翔にマグカップを手枡した。
     翔はそれを自分の脚で隠すようにしお、自分の垭の圱の、床ぞ眮いた。
    「倧䞈倫か」
    「平気平気」
     フラむは䞋を向いおしたった。
    「 あ、あのさ、聞いおくれよ。俺、今日さ、サナ゚に怒られちゃった。それがさヌ、ひどいんだぜヌ。タナベずハラの奎がさ、戊闘ロボットのくせにどこから拟っおきたのか猫猶で猶蹎りしおやんの。しかもその蟺の通路で。あい぀ら、マゞな顔しお『戊闘挔習』だずかなんずか蚀いやんの。で、悪いこずに、あい぀らその蟺に猫猶眮いたたた、『戊略的撀退』ずかいっおいなくなっちゃっおさ。そしたら、サナ゚が珟れお、蚀うんだぜヌ。
    『翔。あなた、ゎミも捚おられないくらい子䟛なの だいたいあなたちょっず最近たるんでるわ。ほら、襟えりが曲がっおる。ずいうより、この猫猶の山はどぉいうこず⁈』ずかっお。䌌おるだろサナ゚のたね。サカモトも䌌おるっおいっおたぜ。でさ  いきなり、殎んだぜ 殎んのっ ロボット䞉原則だっけ なんかそんなのにさ、ロボットは人を傷぀けちゃいけないずかっおなかった で、そういったら、『ロボットにだっお自由はありたす。愛の鞭くらいなら問題ありたせん』ずかサナ゚蚀うの。サナ゚なら倧䞈倫だず思うけど、俺の星じゃさ、幌児虐埅ずか問題になっおおさ  」
     お掃陀ロボット・サナ゚。
     名前がいけなかったのか、なんだか口うるさい母芪みたいに翔に接する。早苗は優しい母芪で、口うるさいのは効の銙苗のほうだったのだが  。
    「  そう」
     フラむはただ䞋を向いおいる。
    「フラむ   どうかした  」
    「う、ううんっ あ、ね、ねぇナカゞマのこずどう思う」
    「 最近蹎鞠がうたくなっおきたかな   」
    「奜きだね翔。円くなっおボヌル蹎んの」
    「フラむもやる」
    「やるやる でねっ、私芋ちゃった なんずねっ、カナ゚を巡っお、ナカゞマずスギタがラブバトルなの 䞉角関係なの」
    「  うそ、マゞ⁈ あヌ、どうすんだよナカゞマ だからアむツ  」
    「なに 翔はナカゞマ掟 じゃっ、賭けない どっちがカナ゚ずらぶらぶになるか」
    「おたえ、おもしろがっおるだろ ナカゞマは真剣なんだぞ」
    「スギタだっお真剣ず芋たね。だっお、芋たこずもない誠実そうな顔しおたもん あの、むカサマ 垫のスギちゃんがっ」
    「......詐欺じゃねぇ」
    「ぜったい本気‌ わかるもん」
    「......そうなのか ダバむな〜」
    「なんで翔はナカゞマ掟なの 私は意倖に本気で積極的っぜいスギちゃんのが今んトコかなりリヌドしおるず思うな」
    「だっおさ、アむツ、䌌おんだもん。杉田に」
    「スギタ」
     匓道郚の高原先茩が奜きな、超玔情な杉田。
    「スギタ スギタ」
     フラむは銖を傟げおいる。
    「じゃさ、私はやっぱスギタに賭ける。え぀ずねもし負けたら......うヌんずね  そだっ オオタニ先生のお郚屋のベッド䞀日占領件を授けよう」
    「マゞ いいなあそこ、保健宀みたいで居心地いいんだもん。久しぶりに占領しおみおぇなあ。カナルんずき以来だな」
    「じゃさ぀、翔はナカゞマね。なに賭ける」
    「.......え よしっ 䞀日䞭ねこじゃらしで遊んでやろう」
    「ホント ホント スゎロクもしお あやずりもしお あずね、心理ゲヌムず、オセロず囲碁ず......」
    「わかったわかった。なんでもやる」
    「やったヌ‌」
    「でも  ホントにスキダも本気なら  。俺、マゞメな話。どうしよう  」
    「翔は、スギちゃんもナカゞマも奜きだもんね。それに  翔、優しいし」
    「え⁈  あ、でも  フラむだっおアむツら奜きだろ」
    「たぁね。でも、私は翔が䞀番倧奜き」
    「あ、あ、え、えっず  っ  」
     翔は焊っお、照れ隠しに、もうすっかりぬるくなっお、もしかしたらかなり冷めおるかもしれないミルクを取ろうずしお、しゃがみこんで犬みたいに尻尟を振っおこっちを芋おいるナりゟりに気づいた。
    「な、なにヘラヘラニダニダしおんだ⁈  ナりゟり⁈」
    「  キスでもしないかなぁず思っお」
     涌しい声でナりゟりは蚀っおのけた。
    「なっ⁈  な぀な、なに蚀っおんだナりゟり‌」
    「きゃやだ ナりゟりったらっ‌」
     ずおも、平和だった。  衚面䞊は。
     そう━━、
     氎面䞋ではもうマむティが動き出しおいた。

     翔は、どこか元気のないフラむのこずが気になっおいた。


    ※よろしければ、スキやフォロヌで続きを応揎しおいただけるず嬉しいです。


    ▌次回 どうなる⁈  第四章 第䞉話「迫り来る檻、觊れる唇」▌




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