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【連茉小説】檻城の姫君第䞉章 第䞃話 「䌝説」

    ▌前回▌


     ━━翔は気づいた。自分の郚屋の前に䞀匹の猫がいる。䜓育座りしお、
     俯いお、尻尟を䜓に巻き぀けおいる。
    「フラむ  どうしたんだ」
     フラむは顔を䞊げた。起き䞊がる。
    「う、ううん。なんでもないのっ おやすみなさい、翔」
    「おやすみ」
     フラむは隣の圌女甚の個宀ぞ入っおいく。
     翔も郚屋ぞ入った。たたもベッドぞ倒れる。
       フラむの奎、どうしたんだろう おやすみなさいが蚀いたかったのかな   
     なんか俺のこず埅っおたみたいな感じだったけど  
     なんか、元気なさそうだったな。なんかあったのかな   
     翔は、ベッドの䞊ぞ腰を䞋ろした。フラむの郚屋のほうの壁を芋぀めた。
    「   もしかしお、あい぀らに連れお行かれたずきに、なんかされたんじゃ  ⁈」
     ゚むムに殎られお気絶しお、あの赀猫に連れお行かれた埌。
     ━━もしかしお䜕か  ..⁈
     そう考えるず、䜕かいおも立っおもいられなくなった。
     その時。郚屋のドアがノックされた。
    「フラむ⁈」
     翔はドアぞ駆け寄った。ドアの向こうから珟れたのは、フラむではなく、癜猫だった。
    「゚むム⁈」
    「よっ」
     ゚むムははにかみながら、郚屋の䞭に入っおきた。
    「いいのかよ⁈ 䞻圹が抜けおきお」
    「よく蚀う。本圓の䞻圹は、翔でしょうに」
     ゚むムは郚屋を芋枡した。ナむトテヌブルの䞊の、翔のショルダヌバッグず高校の制服に目を向けた。
    「あっ、それ 俺の高校の制服なんだ」
    「」
    「孊校。勉匷教えおくれるトコ」
    「あ。あヌ  」
     なんか゚むムは居心地悪そうに身じろいだ。
    「あたいぃヌ、孊校、行ったこずないからヌ」
    「そうなの」
    「う、うん   」
     ゚むムは恥ずかしそうに䞋を向いた。でもただ珍しそうに、制服ずかを芋おいる。
    「觊っおもいい   」
     翔は埮笑した。
    「いいよ」
     翔もナむトテヌブルに歩み寄った。
     気埌れしお、恐る恐るそれらに振れる゚むムは、なんか小さな子䟛みたいでかわいかった。
    「ほら」
     翔は自分の胞の前で、圌女に芋えるように、ブレザヌを広げた。
    「うわヌ。なんかすご〜い かっこいっ 頭、よさそうっ」
    「そうかな」
     ゚むムは星の螊るような瞳でブレザヌを芋぀めおいる。
     翔は、゚むムの肩にそれをかけおやった。
     ゚むムは驚いお、すっごく嬉しそうに笑った。その堎でタヌンしながら、
    「うわぁヌいっ‌  すごいすこいっ‌」
     笑う笑う。無邪気な癜猫。゚むムも結構若いのかもしれない。もしかしたらフラむずおんなじくらいかも。
    「ありがずうありがずうっ‌」
     ゚むムは綺麗にそれを折っおテヌブルの䞊に戻しおくれた。今床はショルダヌバッグを芋぀める。
    「これ、かっこいいね」
     ゚むムは剣に韍が巻き぀いた、金色のキヌホルダヌに觊った。金属の擊れる音。
     鍔぀ばの蟺りに、青い石が嵌はたっおいる。䞭孊の時の修孊旅行で買った奎だ。青い石ず赀い石があっお、迷った末、青いのにしたのだ。
     翔はベッドに腰掛けた。ゆっくりず笑った。
    「ね、コスモドラゎンずフレアドラゎンっお、どんなの」
    「え えっずね、蒌いのず赀いの。匷いんだよねヌ」
    「かっこいい」
    「うんっ あたいは結構奜き。あずねヌ、メテオドラゎンっおのもいるらしいな」
    「どんなの」
    「黒っぜい奎。目が玅くっおさヌ。やっぱでかいらしいねっ‌ あたいもたた芋たこずないけど。あたいのおじいが、芋たらしいよ。翔は、ドラゎンが奜きなの」
    「どうかな かっこいいずは思うけど」
    「だよねっ  かっこいいよね〜っ‌   .実物前にするず、䜈いけど。ねっ、コレ、あたいにくんない」
     青い石の぀いた、地球の小さな思い出のキヌホルダヌ。
     でも、゚むムに蚀われるたで忘れおいた。 
     そんなちっぜけな思い出ず、存圚。
    「  いいよ」
     翔は、キヌホルダヌをバッグから倖しお、゚むムの手に握らせおやった。
     ちょっぎり惜しい気もしたけど、゚むムの笑顔を芋たらそんな思いも吹き飛んだ。
     ゚むムはキヌホルダヌを手のひらの䞊で遊ばせおいる。
    「゚むムはさ、なんで宇宙海賊になったんだ」
     なぜだろう。翔ぱむムに芪近感みたいなものを感じおいた。
    「え、うヌん  」
     ゚むムは床に腰を䞋ろした。先皋のフラむず同じ䜓育座り。ベッドの䞊の翔を芋䞊げる。
    「あたいはさ、他になんにもなかったんだよね  できるこずが。それだけ」
     ゚むムはどこか寂しげに笑った。
    「あたいのおじいが、やっぱり頭かしらでさ〜、でもうちの芪は今時海賊なんおはやんないっお逃げちゃった。あたいは眮いおかれた。おじいはあたいを育おおくれた。あたいは頭になるために生たれたんだっお、おじいは蚀った。あたいも、ばかだから、他のこずなんおできないしね  」
     翔ぱむムの喉を撫でおやった。
    「そんなこずねぇよ。゚むムなら、きっずなんだっおできるよ。だっお、今日の゚むム、すごかったもんな。匷いし、頭いいし」
    「頭いい   本圓に そんなこずいわれたの初めお あははうれしぃな。あっ、でも、宇宙海賊になったこず、埌悔はしおないよ。みんなばかだけど、いいダツでさ〜、あたいはみんな倧奜きなのっ そのおかげで翔にも逢えたしね。あたい、今日すっごく、宇宙海賊やっおおよかったなっお思ったの」
     でも、゚むムの衚情は曇った。
    「けど、けどさ  疲れちゃうの。みんなの前にいるず、い぀も頭をやっおなきゃいけないから」
     翔の頭の䞭には、自分の運か圌方の家が浮かんだ。孊校が浮かんだ。
     翔は䞡方ずも倧奜きだけど、時には疲れおしたうこずがあった。
    「だけど、翔は違うの。翔の前だず、二人っきりだず、ただの゚むムに戻れるの」
     翔ぱむムに心を蚱した。䌌おいたのだ。゚むムは。自分に。そしおなにより━━。
    「あたいは、翔が倧奜きなの」
     ━━フラむに。
    「゚むムは、偉いな」
    「えぞぞそうかなぁ」
     翔は蟺りを芋回した。ナむトテヌブル。ガラステヌブル。デスク。ワヌドロヌブ。チェスト  などなど。
     フラむは、地球っぜい家具をこの郚屋に最初から備えおくれおいた。青い地球のホログラフを再生したりもできる。
     ━━癜い倩井、癜い蛍光灯。癜い壁。                                
     ━━壁の向こうの郚屋に、フラむが居る。
    「なぁ、檻城の姫君っお、知っおる」
    「え   うヌん。あ、あれでしょ 䌝説でしょ 檻みたいな城に閉じ蟌められたお姫様が、遠い星から来た男の子ず恋をするの。お姫様は、男の子にキスをしおもらうんだ。そうするずね、姫の呪いは解かれるの。檻城は消えおなくなるの。それで、お姫様はええず━━どうすんだっけかな  」
    「思い出せない」
    「え、えっずねヌうヌん  逃げるんだったかな   なんか悲しい話だった気がする」
    「悲しい」
    「うん。あぁそうだ お姫様は死んで、男の子は自分の星ぞ垰っちゃうんだ でも、最期に姫は蚀うの。『幞せだった』っお   」
    「    」
    「やだね。なんか無理やり感動させようずしおるっおいうか、自己完結っおの 無理に綺麗にしお、矎化しおるっおいうか━━でも、よく翔知っおたね。これ、わりずマむナヌなんだけどな あははヌ。なんであたい知っおんだろっおか うちの芪が昔聞かせおくれたのかな   おじいかな」
    「━━フラむが、前に蚀っおたから  」
     ゚むムの顔色が倉わった。
    「  」
     考え蟌んでしたった翔には、゚むムの倉化がわからない。
    「  なんだ、そうか  そういうこずか。あたいも酒に酔っおるのかなすぐ気づきそうなもんなのに  」
    「  」
    「あんな、あんな姫さんの、どこがいいの」
    「  えっ」
    「あたい、知っおるよ。フラむ姫は、たじめだっお評刀だけど  けどさ、でも、笑わないんだっお」
    「  笑わない  」
    「そうだよ  決しお笑わない倉なお姫さんだっお あたいも芋たこずないや。嘲笑くらいなら今日、芋たけどさ。それすら珍しいんじゃない 衚情の乏ずがしい姫なんだっお」
    「嘘だ」
    「嘘なもんか なんだったらみんなに蚊いお回るずいいよ。あんた、いい加枛目ェ芚たしなよ あんた、利甚されおるだけじゃないか このたたじゃ、あんたい぀か殺されるよ⁈  あんたの星になんか垰れっこない‌ 今はただいいさ。でも、戎冠匏が近づいおごらんよ。猫っおさ、キレるず怖いんだよ あんた、確実に死ぬよ。  そうだ。うちらの船においでよ 王家だっおただ知らない秘密の隠れ家があるんだっ 仲間以倖にゃ堎所も教えちゃいけないんだけどさ、あんたなら平気だよっ‌  あたいじゃ、あんたを地球ぞは垰しおあげられないけど、かくたっおあげられる。少なくずも、あんな自分勝手な姫さんずいるより、長く生きられるはずだよ⁈」
    「  」
    「そうしなよ⁈  ねぇ、そうしおよ⁈  あたい、あんたが死んじゃうんなんお嫌だよぉ」
     ゚むムは、翔の腕にすがり぀いた。翔はなぜか、圌女から目を逞らしおしたった。
    「    。あんたさ、王家舐めおんの⁈  そりゃばかばっかだけど、あそこにはマむティがいるんだよ 切れ者のあの黒猫がっ‌」
    「  マむティ」
     いろんなずころで聞いた名だ。翔は、重鎮じゅうちんかなんかだろうずは思っおいたが  。
    「あんた  そんなこずも知らないの なんにも話しおないんだね。あのお姫さんは。よくそれで、あの子のこず、信じられたね⁈  公爵家のプリンスさ。ぞぇじゃぁあのこずも知らないんだ かわいそう」
     意地悪く、゚むムは笑った。
    「フラむ姫はね、もうすぐ域冠する。それは知っおるよね 十六で戎冠するのが、うちらの星の王家の習わしさ。その時、その時さ━━ほんずに考え぀かなかった ふふふ、結婚するんだよっ 圓たり前じゃん 星を叞぀かさどりながら、子孫代々栄えさせおいくのが、王家の䜿呜だもんあはは、あははは」
     ゚むムの笑いが掠れる。翔はものすごく怖い顔をしおいた。でも、゚むムは蚀わずにはいられなかった。
    「その、その盞手っおのがあれだよっ 婚玄者のマむティさた。あはははは。あの子は、結婚しちゃうんだよっ‌ 残念だったね あはは、あはははは  」
     泣いおいた。゚むムは衚面䞊は笑っおいたけど━━心の䞭では泣いおいた。どうしお今日逢ったばかりなのに、こんなにこの人のこずが奜きなんだろう  
     心が壊れそうだ。砕けそうだ。悲しくお愛しくお、こんなにも想いが膚らんで膚らんで砎裂しそうだ。
    「  なんだよそれ  」
     迷い子みたいに呟いお、翔ぱむムの䞡腕を掎んだ。
     ━━痛い。怖い。翔の目は、怖くお怖くお、でも悲しい。
    「なんだよそれっ⁈  そんなの俺聞いおないぞっっ⁈」
     ゚むムは泣きそうになった。子䟛のように倧声で泣きたくなった。
    「翔のバカっ‌」
     逃げおしたった。もう、芋おいられなかった。゚むムは翔の郚屋から逃げ出した。
     なんで。なんで翔は、あの子のこずばかり、あんな、あんなに䞀生懞呜に想っおるの あの子のために、声を嗄らしお叫ぶのっ⁈  あの子のために、あの子のために、そればかり━━‌

    ※よろしければ、スキやフォロヌで続きを応揎しおいただけるず嬉しいです。

    ▌次回 第八話 「すれ違い」



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    https://note.com/usagisantoka/n/na28673f5c44c



     
     
     
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