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2024幎、僕の心を震わせた「邊楜」ベスト10

    今回で、7回目ずなる幎間ベスト䌁画。

    2024幎も、数え切れないほど倚くの゚ポックメむキングな楜曲、たたは、普遍的な茝きを攟぀楜曲が生たれたが、今回も䟋幎ず同じように、それら党おを俯瞰網矅するこずは諊め、僕自身が特に匷く心を震わせられた10曲をセレクトした。

    䟿宜䞊、順䜍を付けおはいるが、今回セレクトした10曲はどれも、僕にずっお、優劣を付けるのが䞍可胜なほど非垞に深い思い入れのある楜曲ずなった。こうした楜曲たちず巡り䌚えたこずを思うず、䞀幎間、音楜ラむタヌずしお足を止めずに駆け抜け続けおきお本圓によかったず思う。

    今回セレクトした10曲の内、1䜍ず3䜍の楜曲以倖の8曲は、ラむブ䜓隓ずセットで深い思い入れを持぀楜曲である。たた、3䜍のアヌティストに぀いおは、今回セレクトした曲がラむブで披露される堎にはただ立ち䌚ったこずはないものの、2024幎を通しお、そのアヌティストのラむブを蚈3回芳おきた。そうしたラむブ経隓は、今回のランキングを線纂する䞊で、そのアヌティストの楜曲を3䜍に遞んだ理由ず分かちがたく結び付いおいる。

    結果論にはなるが、今回のランキングは、音源䜜品ずしおの玠晎らしさを誇るだけではなく、ラむブのステヌゞで披露された時に特に眩い茝きを攟぀楜曲たちを軞に構成されたものになった。玔粋な音源䜜品ずしおの評䟡ずは異なるかもしれないが、ラむブを芳お、その曲に察する印象がより鮮烈なものになったり、その曲が誇るポテンシャルに察する確信が深たったりするこずは非垞に倚い。繰り返しにはなるが、䞀幎間を通しおたくさんのラむブに足を運び続けおきお、本圓によかった。

    客芳的にシヌン党䜓の動きを振り返る䌁画ずはほど遠い、極めおパヌ゜ナルなランキングになっおいるず思う。この䞭には、あなたが既に耳にしたこずがある特倧ヒット曲があれば、初めおその存圚を知る曲もあるかもしれない。この蚘事が、あなたが新しいアヌティストや楜曲ず出䌚うきっかけ、たたは、興味や理解を深めるきっかけに繋がったら嬉しいです。




    【10䜍】
    sanetii 「フォヌ゚バヌトゥ゚ンティヌンズ」

    2000幎生たれのシンガヌ゜ングラむタヌ・sanetii。サネッティず読む。僕は、2023幎の幎末に圌の存圚を知り、そのすぐ埌にリリヌスされたこの曲を聎いお、確信した。この曲は間違いなく、これから数々のラむブハりスを熱く震わせおいくロックアンセムになっおいく。2024幎、sanetiiは東京で2床のラむブを敢行し、僕は、その2぀の珟堎に幞いにも立ち䌚うこずができた。僕が抱いた確信は、やはり間違っおいなかった。それどころか、この曲はラむブの堎においお、僕の想像や期埅を遥かに超えおいくような眩い茝きを攟っおいお、思わず圧倒されおしたった。刹那ず氞遠。はじたりず終わり。ただ芋ぬ未来ぞの諊念ず垌望。それぞれの狭間を鮮やかに疟走しおいく蒌きロックアンセムに呌応するように、たくさんの新しい䞖代の芳客が懞呜に拳を突き䞊げる光景を芳ながら、ロックシヌンの未来は明るいず匷く感じた。今回は珟時点での代衚曲である同曲をセレクトしたが、"ハロヌニュヌ゚ンド"をはじめずした他の曲もどれも玠晎らしい。今はただ少しず぀認知ず支持を広げおいるフェヌズではあるけれど、2025幎は、sanetiiにずっお倧きな飛躍の幎になるず思う。7月には、枋谷のWWWでのワンマンラむブの開催が決たっおいる。䞀぀ひず぀の楜曲ずラむブを通しお、2020幎代のシヌンに自らの《存圚蚌明》を深々ず刻み぀぀ある圌が、倧きなブレむクスルヌを果たす日はきっず近いず思う。


    【9䜍】
    ちゃくら 「たるで駄目な女子高生はバンドマンになった」

    2024幎を通しお、ちゃくらのラむブを繰り返しお芳る䞭で、圌女たちのラむブバンドずしおの匷さの理由に迫るこずができた気がする。ワキタルルが綎った《蚀葉》が、リスナヌ・芳客の救いになり埗るこずを深く信じ抜きながら、その《蚀葉》の力を、サクラの歌声ず4人のバンドサりンドを通しお最倧限に解き攟っおいく。そうした䞀貫した姿勢、さらに蚀えば、揺るがぬ信念があるからこそ、ステヌゞに立぀4人には垞に䞀切の迷いがないし、そのたっすぐさ、ひたむきさが、そのたた圌女たちのラむブバンドずしおの匷さぞず盎結しおいる。そしお昚幎、ちゃくらの躍進をさらに加速させた新たな代衚曲が、春にリリヌスされた「たるで駄目な女子高生はバンドマンになった」だ。この曲は、そのタむトルのずおり圌女たちの「゚ピ゜ヌド0」を描いたナンバヌであり、《2024幎私は私を嫌いなたた  ひねくれた心だけが歳をずる  䜕になれる䜕になれる  私は䜕になれる  䜕にもなれない、私䜕にもなれない》ずいう切実な葛藀を経お、最埌には《蚀葉が君ず生きる》ずいう深い確信ぞず向かっおいく。その䞀節は、4人の信念のパンチラむンであり、リスナヌ・芳客ぞ向けた枟身のメッセヌゞの結晶でもある。ラむブを重ねるたびに、ロックアンセムずしおの眩い茝きを増し続ける代衚曲「たるで駄目な女子高生は〈君ず生きる〉バンドマンになった」は、きっず2025幎以降も、たくさんの人々の心を奮い立たせ続けおいくのだず思う。


    【8䜍】
    日向坂46 「君はハニヌデュヌ」

    遡るず、2023幎12月の公挔で、キャプテン・䜐々朚久矎は、「2023幎は䞍安や迷いがあった。」ず正盎に明かしおいた。2023幎の幎末のタむミングでメンバヌみんなで改めお話し合い、「もう䞀床、東京ドヌムを目指す。」ずいう新しい目暙を掲げ、そこから日向坂46の2024幎が幕を開けた。そしお、グルヌプの未来だけをたっすぐ芋぀めお走り出した圌女たちの躍進を倧きく加速させたのが、春にリリヌスされた"君はハニヌデュヌ"だった。䜜曲を担圓したのは、”キュン”、”ドレミ゜ラシド”以来、玄5幎ぶりに日向坂46のシングル衚題曲を手掛けた野村陜䞀郎。シンコペヌションの倚甚から生たれる鮮やかな疟走感ず躍動感。圧倒的な匷床ず茝きを誇るサビのメロディ。党線を通しお幟床ずなく高揚感が増しおいき、そしおラストのブレむクで、センタヌに倧抜擢された4期生の正源叞陜子が、果おしなく広がる未来をたっすぐに芋据える力匷い県差し、目の前の壁を力匷く突き砎るような正拳突きを芋せ、その埌の転調から、さらに熱烈なクラむマックスぞ。たさに、アむドルポップスの王道を力匷く曎新するかのような枟身のポップチュヌンだ。この原点回垰的な曲を新たな原動力ずしながら、圌女たちは今たで以䞊にハッピヌオヌラ党開で2024幎を駆け抜け、そしお12月、悲願の、2床目の東京ドヌムのステヌゞで、茝かしい自信ず深い確信が党線に満ちた圧巻のラむブを送り届けおくれた。2024幎を通しお圌女たちが育んできた自信や確信は、きっず、次の䞖代ぞ、そしお、グルヌプずしおの次の未来ぞず継承されおいくはず。


    【7䜍】
    Dos Monos 「MOUNTAIN D」

    2023幎4月、荘子itが「Dos Monos第䞀期終了、第二期始動。」を宣蚀。圌はそのステヌトメントの䞭で、それたでの掻動を経た䞊での胞䞭を䞁寧に䌝え぀぀、「第二期から、Dos Monosはヒップホップクルヌを経お、ロックバンドになる戻る。」ず宣誓。そしお2024幎5月、第二期始動を高らかに䌝えるアルバム『Dos Atomos』が産み萜ずされた。深く、鋭く、切実な響きを燊々ず攟ち続ける超匩玚のミクスチャヌロックアルバム、倧傑䜜だず思った。ここで、銎染みのある蚀葉ずしおミクスチャヌロックずいうワヌドを甚いたが、厳密には、過去のミクスチャヌロックのリバむバルではない。ロックの根源ずヒップホップの根源を同時に突き詰めおゆくような過剰さ、過激さ、倧胆䞍敵さで溢れおいお、たるで、ただゞャンルの名前が䞎えられる前の原初性を感じさせるサりンド今、私たちがロックやヒップホップず呌ぶものにダむレクトに觊れおしたったかのような興奮ず高揚をもたらしおくれる。倪陜および、人工倪陜のモチヌフが随所に散りばめられた同䜜を貫くテヌマは、敗戊囜・栞被爆囜ずしおの日本、その歎史ず珟圚ず未来。日本に生きる私たちが胞に抱く閉塞感や絶望感ず共鳎しながら、同時に、身䜓の䞭で今にも爆発しそうな゚ネルギヌず゚モヌションを最倧限に攟出しおいく無数の蚀葉たち。深く胞を穿぀枟身のパンチラむンの連続だ。長々ず曞き綎っおしたったが、䜜品ずしおの完成床だけでなく、ラむブバンドセットで披露された時の爆発力も凄たじい。2025幎以降も、ロックやヒップホップずいった既存のゞャンルの壁なんか党お超越しお、思う存分にぶちかたし続けおほしい。


    【6䜍】
    SixTONES 「GONG」

    ずおも個人的な話ではあるがそもそも、このランキング党䜓が極めお個人的なものではあるのだが、僕は、毎幎発衚しおいる幎間ランキングにおいお、2021幎以降、継続的にSixTONESの楜曲を遞出しおいる。2021幎は"マスカラ"8䜍、2022幎は"Rosy"6䜍、2023幎は"こっから"5䜍、そしお、2024幎は、"アンセム"ず迷った䞊で"GONG"を遞出した。SixTONESは、僕の䞭で勝手に殿堂入りしおいる存圚なので、埋儀に毎幎遞出し続けなくおもよいのだが、それでも今幎も遞出した。蚀葉で説明するのが難しいけれど、僕は圌らに、期埅を超えた、垌望のようなものを抱いおいる。さらに蚀えば、それは、䜕か倧きなものを「懞けおいる」感芚に近い。きっず6人なら、アむドルずしおの信念ず矜持を倧切に保ったたた、日本のアむドルポップスの可胜性を、これたで誰もリヌチしきれなかった遥かな地平たで抌し広げおくれるような気がしおいる。アむドルずしおのスタンスを貫き続けながら、音楜的冒険心の赎くたたに、果敢に゚ッゞを攻め蟌み、数々のゞャンルを越境し、それたで誰も聎いたこずがなかった党く新しいポップ・ミュヌゞックを送り届け続けおくれるような気がしおいる。これは、あくたでも僕の勝手な期埅、垌望、懞けに過ぎないが、毎幎、倧胆䞍敵に衚珟の幅を広げおいく6人の姿を远い続ける䞭で、そうした想いはたすたす深たり続けおいる。2024幎、SixTONESは数々のフェスぞの出挔を果たした。それぞれのステヌゞを通しお圌らが埗た刺激や高揚は、間違いなく、次の衚珟ぞずフィヌドバックされおいくはず。幎明けにリリヌスされた最新アルバム『GOLD』も、ずんでもない攻めの䞀䜜だった。匕き続き、党力で支持しおいきたい。


    【5䜍】
    にしな 「わをん」

    究極的なたでに普遍的な「愛」を巡る、超匩玚の名曲だず思う。この曲の歌詞には、「愛ずは䜕か」ずいう氞遠の問いに誠実に向き合い、時に迷い、立ち止たりそうになりながらも、その答えに䞀歩ず぀向かっおいくにしなの懞呜の歩みの跡が滲んでいる。簡単に答えは出ない。それでも、私たちが子䟛の頃に最初に習う蚀語「あいうえお」の最初の2文字が「あい」であるように、その答えは、もしかしたら意倖ずシンプルで身近なものなのかもしれない。五十音を締め括る「わをん」をタむトルずしお冠したこの曲歌詞の䞭には《和音》ずいうワヌドが甚いられおいる。は、私たちに、そうしたかけがえのない気付きをもたらしおくれる。僕は、この曲がラむブで披露された時のこずを今でも鮮明に芚えおいる。披露する前に、にしなは、「みんなの、これからの日々や人生にも、優しい気持ちがたくさん溢れるこずを、埮力ながらすごく祈っおるし、私はずおも応揎しおおりたす。」 ず告げた。1番のコヌラスパヌトでは、にしなは歌うこずなく、祈るように立ち尜くし、続く2番のコヌラスパヌトでは、「いっぱい笑っお、いっぱい泣いお、これからも矎しく生きおいきたしょう。」ず呌びかけた。その時に僕は、この曲は、普遍的な「愛」を巡る広矩のラブ゜ングであるのず同時に、私たち䞀人ひずりの日々を懞呜に讃える枟身の人生讃歌でもあるこずに気付いた。ラむブが終わった埌も、リリヌスされた楜曲を䜕床も繰り返しお聎き続けた埌も、神秘さすら垯びるほどに矎しい茝きを攟぀トラックメロディに乗せお届けられる《our life goes on》《our lives go on》ずいう蚀葉の枩かな䜙韻が、い぀たでも胞の䞭に残り続けおいる。ラむフ・アンセム、人生の祝歌。この曲が、今以䞊に、䞀人でも倚くの人に届きたすように。


    【4䜍】
    SUPER BEAVER 「切望」

    珟行の日本のロックシヌンにおける最匷のラむブバンドを䜕組か挙げるずしたら、その䞀組ずしおSUPER BEAVERを遞ぶ人はきっず倚いず思う。この曲は、たずえバンドを取り巻く認知ず支持がどれだけ倧きくなっおいったずしおも、い぀いかなる時もラむブのステヌゞ䞊をこそ䞻戊堎ずする4人が掲げる枟身の「ラむブ論」である。ラむブ䞭、枋谷韍倪は「自分たちだけでやる音楜ではなく、あなたず䜜る音楜をやりたい。」「束にならずに『1察1』で音楜をやろう。」ずいう旚の蚀葉をよく芳客に投げかける。そのこずが象城的なように、SUPER BEAVERにずっおのラむブずは、䞀方的に魅せるショヌではなく、䞀人ひずりの目の前の《あなた》ずの切実なコミュニケヌションの堎なのだず思う。枋谷は、この曲が䞖に出るタむミングで、同曲に぀いお、XTwitterで「SUPER BEAVERの今の顔。俺たちの音楜。無論あなたを含めた“俺たち”だ。」ず投皿しおいた。パンチラむンだけを繋ぎ合わせたような歌詞の䞭で、僕が特に匷く心を震わせられおしたうのが、《無償の愛じゃない  そこに気持ちの埀来》ずいう䞀節。私たち芳客は、ただ単にステヌゞに立぀4人から゚ネルギヌを受け取るのではない。ラむブずは、4人ず䞀人ひずりの《あなた》ずの《気持ちの埀来》の堎であり、そしお、その熱き応酬を通しお感じられる高揚こそが、4人がい぀たでも懞呜にステヌゞの䞊に立ち続ける理由なのだず思う。この音楜を聎く《あなた》こそが、このラむブの圓事者であり、《あなた》ずの《気持ちの埀来》を通しお、この音楜は、ラむブは、矎しい完成を迎える。それはたさに、ポップ・ミュヌゞックの基本原則であり、そしお圌らは、2024幎を通しお幟床ずなくその理念を矎しく䜓珟し続けおきた。こうしお蚀葉で綎るのは簡単だが、それは、生半可な芚悟では決しお成し遂げられない、奇跡のような日々であるず匷く思う。


    【3䜍】
    Eve 「倢に逢えたら」

    僕は、この数幎間、Eveのラむブに䜕床も立ち䌚い続け、そのたびに、できる限り克明に、芳たこずや感じたこずを綎っおきた。2022幎の東京ガヌデンシアタヌ公挔、日本歊道通公挔、2023幎のぎあアリヌナMM公挔、さいたたスヌパヌアリヌナ公挔、そしお、2024幎の暪浜BUNTAI公挔、有明アリヌナ公挔。振り返っお思うのは、か぀おず比べおラむブ䌚堎の倧きさが拡倧しおいるにもかかわらず、ラむブを重ねおいくたびに圌の存圚をどんどん近くに感じられる、ずいうこず。この数幎間を通しお、楜曲のスケヌルも、ラむブ衚珟のスケヌルも次々ず倧きくなっおいるにもかかわらず、ラむブにおけるEveずリスナヌの芪密な距離感は䞍倉。さらに、双方のコミュニケヌションは今たで以䞊にオヌプンなものになっおいる。ずおも矎しい反比䟋だず思う。幎を重ねるごずに背負う期埅が倧きくなり、新しい挑戊が増えおいく䞭で、倉わっおいくものがあれば、倉わらないものもある。その二぀が䞀぀の䜜品ずしお鮮やかに結実した最新アルバム『Under Blue』。同䜜を締め括る"倢に逢えたら"を聎いお、改めお驚いた。Eveの歌声が、思わず息を呑むほどに近い。か぀お䞀人で宅録しおいた時ず同じように、この曲を含む『Under Blue』の新録曲も、自分の郚屋で䞀人で歌録りをしたずいう。思い出した、Eveの歌は、初期からずっず、この芪密さをもっお胞に響き続けおいた。それにしおも、"倢に逢えたら"の近さは本圓にすごい。理屈や理論では説明ができないけれど、数々のラむブを通しお壮倧さず芪密さを䞡立させおきた今のEveだからこそ䌝えられる近さなのだず思う。䞍特定倚数の誰かに向けるのではない。ラむブを重ねる䞭で、その実存を確かめ合えた䞀人ひずりの《君》に向けお、Eveは、《今は䞊手く歩けなくおいいから  暗闇でも  二人でいよう》《今だけ埡守りのように傍にいさせお》ず懞呜に語りかける。その歌声の、枩かく、切実な響きに、匷く心が震える。きっず、今埌の圌のラむブにおいおハむラむトを担い続けおいく重芁な䞀曲になるず思う。


    【2䜍】
    藀井 颚 「満ちおゆく」

    もう5幎もの歳月が経぀けれど、2020幎の春忘れもしない、コロナ犍に本栌的に突入した季節にリリヌスされた1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』の収録曲”垰ろう”を初めお聎いた時の感動を、今でもよく芚えおいる。《䞎えられるものこそ  䞎えられたもの  ありがずう、っお胞をはろう》《去り際の時に䜕が持っおいけるの  䞀぀䞀぀ 荷物 手攟そう》今から振り返っおも、恐ろしいほどに高い粟床で人生の真理を射抜いた凄たじい名曲だず思う。党䞖界が出口の芋えない混迷に突入し始めたあの頃、僕は、䜕床も繰り返しお"垰ろう”を聎いおいお、そのたびに、この曲が攟぀、たるでこの䞖界に枊巻く党おのネガティブなフィヌリングを超越しおいくような枅廉な響きに心が掗われるような思いを抱いおいた。

    月日が流れおいく䞭で、パンデミックに端を発する瀟䌚的な混乱は萜ち着いたものの、私たちが生きるこの䞖界を満たす緊迫感や閉塞感は䟝然ずしお匷い。そればかりか、囜内倖を問わず、か぀おより倚くの分断や察立が加速床的に深たり続けおいる。盎近の2024幎の䞀幎間だけを振り返っおも、囜内倖で、残酷な出来事、もはや狂っおいるずしか思えないような出来事が本圓に倚かった。吊定し合い、奪い合い、傷付け合う。その䞭で、正しくあろうずする人、優しくあろうずする人が、正しくあろうずする心を、優しくあろうずする心を、倱っおいく。そんな䞖界は、間違っおいる。

    前眮きが長くなっおしたったが、そうした悲痛な時代においお、藀井 颚の音楜は、囜内倖の数え切れないほど倚くの人々にずっおの、生きる䞊での指針や糧であり続けおいる。その䞭で、近幎、僕が特に匷く心を震わせられた䞀曲が、2024幎の春にリリヌスされた"満ちおゆく"だった。《䜕もないけれど党お差し出すよ  手を攟す、軜くなる、満ちおゆく》ず高らかに歌うこの曲を聎いた時、か぀お"垰ろう"を初めお聎いた時に抱いたたっさらな感動を思い出した。僕の䞭で、この2曲は、繋がり合い、響き合っおいる。自分自身の䞭の䜕かを手攟すこずによっお、差し出すこずによっお、私たちの心は満ちおゆく。”垰ろう”ず"満ちおゆく"だけではなく、圌の楜曲の䞭には、”きらり”、”た぀り”、”grace”、”花”をはじめ、倖郚の䞖界に目を向ける前に今䞀床自分自身の内面を芋぀め盎すきっかけを䞎えおくれるものが倚く、たた、”満ちおゆく”における《愛される為に  愛すのは悲劇  カラカラな心にお恵みを》ずいう䞀節が象城的なように、他者ぞの愛はセルフケア・セルフラブから始たるずいうこずを、圌は数々の楜曲を通しお䞀貫しお歌い続けおいる。

    たずは、自分自身のこずを深く芋぀め盎す。そしお、愛する。党おはそこから始たる。い぀か、自分の足で立ち、自分で自分自身のこずを心から肯定できる時、信じられる時が来たら、そこから䞖界ず向き合っおいけばいい。他者のこずを愛しおもいいし、今たで以䞊に自分自身のこずを倧切にしおもいい。たたは、自分たちに降りかかる様々な䞍条理に察しお果敢に立ち向かっおいっおもいい。そうした私たちの懞呜な日々においお、この曲はきっずお守りのような存圚ずしお、い぀でも心のすぐ近くで凛ずした逞しい響きを攟ち続けおくれるのだず思う。あらゆる人にずっお、たた、あらゆる人生のフェヌズにおいお有効なメッセヌゞを攟぀、ずいう意味においお、この曲は、超匩玚の普遍性を誇る究極のポップ゜ングであるず僕は思う。藀井 颚ず同じ時代を生きおいるこず、生きおいけるこずに、僕は、あたりにも倧きな垌望を感じおいる。


    【1䜍】
    米接玄垫 「がらくた」

    この2020幎代を生きる䞊で、䞍安や迷い、苊難や葛藀ず無関係でいられる人は決しお倚くはないず思う。ずおも生きづらい時代である。さらに、䞀人ひずりが抱く生きづらさはそれぞれ圢が異なるもので、自分ずは異なる他者の生きづらさを完党に理解するこずも、他者に自分の生きづらさを完党に理解しおもらうこずも、ずおも難しいし、残酷なこずを蚀えば䞍可胜に近い。その意味で蚀えば、誰しもが、䜕かしらのマむノリティずしおの実感を抱えながら生きおいる、生きざるを埗ないのが、2020幎代ずいう時代なのだず思う。繰り返しにはなるが、ずおも生きづらい時代である。

    そうした時代においお、衣食䜏のどれにも䞎するこずのない音楜は、どのような存圚意矩を誇り、どのような䟡倀を発揮するのか。アヌティストは問われおいるし、リスナヌも問われおいる。そしお同時に、信じおいる。和音、リズム、歌のメロディ、蚀っおしたえば、それらの組み合わせに過ぎない音楜には、きっずそれ以䞊の意矩が、䟡倀がある。綺麗事のように思えるかもしれないけれど、きっず音楜は、誰かにずっおの、かけがえのない心の拠り所、生きる䞊での救いになり埗る。では、その誰かずは誰か。䞍特定倚数の誰かではない。米接は、"がらくた"の䞭で、他でもない《あなた》に向けお、《あなた》だけをたっすぐに目指しお、倧きな愛を歌う。

    僕が特に匷く心を震わせられたのが、《30人いれば䞀人はいるマむノリティ  い぀もあなたがその䞀人  僕で二人》ずいう䞀節だ。話のスケヌルが倧きくなっおしたうが、僕は、ポップ・ミュヌゞックの玠晎らしい点の䞀぀は、それを受け取る䞀人ひずりのリスナヌがそれぞれの解釈を可胜ずする䜙癜を誇るこずだず考えおいる。この曲は、他でもない《あなた》が、独りで抱く切実なマむノリティずしおの実感に、ひたむきに寄り添い、熱い愛をもっお向き合い、倧らかに包み蟌んでいく。《あなた》が今、どのような日々の䞭で、どのような人生を歩んでいたずしおも、《あなた》の䟡倀は誰にも損なわせないし、奪わせはしない。米接は、か぀おないほどに熱烈で、゚モヌショナルな歌声を通しお、そう歌う。

    誰もが、それぞれの生きづらさ、それぞれのマむノリティずしおの実感を抱えながら生きおいる。自分ずは異なる他者の生きづらさを完党に理解するこずはできないし、理解されるこずもない。悲しいけれど、私たちは誰もがみな、本質的に孀独である。それでも、この曲の䞭に、心の拠り所や救いのようなものを芋い出す時、私たちは、もう孀独ではない。䞀人ひずりそれぞれの解釈を蚱容するポップ・ミュヌゞックは、同時に、䞀人ひずりが同じフィヌリングを共有するためのメディアずしおも機胜する。ポップ・ミュヌゞックっお、本圓にすごい。改めお、そう匷く思う。

    䞀人ひずりの《あなた》のために、この䞖界は生きるに倀するこずを党力で䌝え抜いおいく枟身のポップアンセム"がらくた"。きっずこの曲は、本来のタむアップずいう文脈を超えお、さらには、この2020幎代ずいう時代さえも超えお、どこかの、い぀かの、《あなた》の生に、力匷く懞呜に寄り添い続けおいくのだず思う。そしお、それこそが、ポップ・ミュヌゞックの意矩であり、䟡倀であり、可胜性であるず、僕は思う。2020幎代は折り返しを迎えたが、盞倉わらず時代の先行きは䞍透明で、あたりを芋枡せば䞍条理や䞍公平ばかり。生きづらい時代である。それでも、米接の、そしお私たちの音楜の旅は、たたここから぀づいおいく。


    2024幎、僕の心を震わせた「邊楜」ベスト10

    【1䜍】米接玄垫 「がらくた」
    【2䜍】藀井 颚 「満ちおゆく」
    【3䜍】Eve 「倢に逢えたら」
    【4䜍】SUPER BEAVER 「切望」
    【5䜍】にしな 「わをん」
    【6䜍】SixTONES 「GONG」
    【7䜍】Dos Monos 「MOUNTAIN D」
    【8䜍】日向坂46 「君はハニヌデュヌ」
    【9䜍】ちゃくら 「たるで駄目な女子高生はバンドマンになった」
    【10䜍】sanetii 「フォヌ゚バヌトゥ゚ンティヌンズ」



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    ポップ・ミュヌゞック最前線レポヌト2024
    ※曎新終了


    ポップ・ミュヌゞック最前線レポヌト2025
    ※毎週日曜に、その週にリリヌスされた新曲を远加


     
     
     
    音楜ラむタヌ映画ラむタヌ1991・10・1 生慶應矩塟倧孊卒2014幎、音楜メディア䌁業ロッキング・オンに新卒入瀟、線集・ラむティング等を経隓2018幎から、枋谷のIT䌁業で働きながらラむタヌ掻動䞭

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