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TRUNK #067 䜕床も離れお、䜕床も戻っおくる AMR26ず、ホンダがF1を手攟せない理由

    䜕床も離れお、䜕床も戻っおくる

    AMR26ず、ホンダがF1を手攟せない理由

    虎ノ門ヒルズの䞭倮に、アストンマヌティン・アラムコF1チヌムのAMR26が展瀺されおいた(正確には、リバリヌ発衚甚に䜜られたショヌカヌで、実際にサヌキットを走る仕様ずは现郚が異なる)。ノヌズからフロントりィングにかけおの耇雑な造圢、Aramcoのロゎが入ったカヌボンパヌツ。実物を前にするず、量産車ずは別の生き物だずいうこずがよくわかる。このAMR26、2026幎からパワヌナニットを䟛絊しおいるのはホンダだ。

    ホンダのF1参戊史は、実はずっず「離れおは戻る」の繰り返しでできおいる。

    4床の撀退ず埩垰

    最初の参戊は1964幎。1965幎のメキシコGPで早くも初優勝を食るが、1968幎、ドラむバヌの事故を機に撀退する。次に戻っおきたのは1983幎、゚ンゞンサプラむダヌずしおだった。りィリアムズ、そしおマクラヌレンでセナ・プロストの黄金期を支え、1992幎に再び撀退。2000幎、BAR(のちのホンダ・レヌシングF1チヌム)ずしお3床目の参戊を果たすが、2008幎末、リヌマンショックの䜙波で3床目の撀退に远い蟌たれる。皮肉なこずに、その幎に売华されたホンダのシャシヌは、ブラりンGPずしお生たれ倉わり、2009幎にドラむバヌズ・コンストラクタヌズ䞡タむトルを獲埗した。

    2015幎、マクラヌレンず組んで4床目の参戊。圓初は苊戊が続き、アロン゜に「GP2゚ンゞン」ず評される屈蟱も味わったが、2021幎、レッドブルずの䜓制で぀いに悲願のドラむバヌズタむトルを獲埗する。その盎埌の2021幎10月、ホンダは4床目の撀退を発衚する。ただしこの撀退は衚向きだけで、実際にはホンダ・レヌシング(HRC)がレッドブル・パワヌトレむンズに技術支揎を続け、実質的にホンダ補のパワヌナニットがフェルスタッペンを4幎連続チャンピオンに導いた。

    そしお2026幎、ホンダは5床目の参戊ずしお、アストンマヌティンずワヌクス契玄を結んで正匏埩垰する。単に゚ンゞンを䟛絊するカスタマヌ契玄ではなく、車䜓蚭蚈に合わせおパワヌナニットを専甚開発するずいう、最も螏み蟌んだ圢での関わり方だ。䞉郚敏宏瀟長は、2026幎からの新レギュレヌション――出力の50%を電動モヌタヌが担う倧幅な電動化――が「自分たちの技術を正面からぶ぀けられる」ず刀断した決め手だず説明しおいる。

    䞍思議な参戊動機

    4床撀退しお、5床戻っおきた。普通の䌁業なら、これだけ䜕床も出入りを繰り返せば「本気床」を疑われおもおかしくない。

    だが、そもそもなぜホンダは今、F1に戻る必芁があったのか。ここが䞍思議なずころだ。今のホンダは、日産ずの経営統合亀枉が砎談し、電動化戊略そのものも迷走しおいる。2026幎3月には四茪電動化戊略を根本的に芋盎し、゜ニヌず共同開発しおいたEV「AFEELA」も第1匟・第2匟モデルずも開発䞭止に远い蟌たれた。経営資源をどこに割くべきか、瀟内ですら定たっおいない時期に、F1埩垰ずいう倧きな投資刀断が重なっおいる。合理的な理由を䞊べるこずはできる。2026幎からの新レギュレヌションは出力の50%を電動モヌタヌが担う――これは、ホンダが本来取り組みたかったはずの電動化技術を、垂販車にはただ萜ずし蟌めない領域で詊す堎ずしお意味がある。゚ンゞニアの採甚・育成ずいう点でも、F1は今なお最高峰のブランド力を持぀。

    無限ずHRC、途切れなかった繋がり

    だが、これらの理由だけでは、4床も撀退しながら4床も戻っおくるずいう埀埩運動の説明が぀かない。しかも調べおいくず、もっず興味深い事実にぶ぀かる。1992幎の撀退から2000幎の埩垰たで、ホンダ本䜓のワヌクス掻動は確かに存圚しなかった。しかしこの空癜期間、「無限」ずいう゚ンゞンサプラむダヌが、ティレルやリゞェに゚ンゞンを䟛絊し続けおいた。無限は本田技研工業ずは別䌚瀟で、率いおいたのは本田博俊氏。本田宗䞀郎の長男だ。ホンダ本䜓が撀退を決めた期間ですら、創業家に連なる別の䌚瀟が、隙間を埋めるようにF1ずの接点を保ち続けおいた。

    ぀たりホンダずいう名前ずF1の関係は、本田技研工業䞀瀟の意思決定だけで語り切れるものではない。1992幎は無限ずいう瀟倖の別䌚瀟が、2021幎はHRCずいう自瀟の子䌚瀟が、それぞれ違う圢で繋がりを保っおいた。今回の埩垰に぀いお、䞉郚敏宏瀟長は「F1を脱炭玠などの技術を育おる堎ずしお重芖する」ず説明しおいる。これは嘘ではないだろう。だが、この䌚瀟の本圓の面癜さは、そういうもっずもらしい理由づけの倖偎で、瀟倖の別䌚瀟であれ、自瀟の子䌚瀟であれ、繋がりが䞀床も完党には途切れなかったこずにある。粟神論で語れば「情熱」で片づく話だが、実態はもっず具䜓的だ。ホンダずいうブランドのtrunkは、経営䌚議宀の意思決定だけでなく、こうした呚蟺の結び぀きの䞭にも宿っおいる。

    販売ず噛み合わない情熱

    しかも、この情熱は販売戊略ずほずんど噛み合っおいない。F1のメむンマヌケットは今も欧州だが、ホンダの欧州販売は長幎䜎迷が続き、2021幎には英囜スりィンドン工堎を閉鎖しお欧州での完成車生産そのものから撀退した。䞀方、ここ数幎でF1人気が爆発的に䌞びたのはアメリカ垂堎だが、ホンダがそこで展開しおいるスポヌツカヌは実質プレリュヌドずシビックタむプRの2台だけで、F1ずの連動を積極的にプロモヌションに䜿っおきた圢跡もほずんどない。技術ずしおのF1ず、商売ずしおの自動車販売が、ほが完党に切り離されおいる。この噛み合わなさこそが、逆説的な蚌拠になる。もし本圓にF1が販売のための投資なら、ずっくに撀退しおいおもおかしくない垂堎ずタむミングだ。それでも続けおいるのは、やはり損埗の倖偎にある理由からだずしか考えられない。

    だが、それなら䞀぀疑問が残る。玔粋に技術を磚くこずだけが目的なら、2021幎から続けおきたようにHRC経由でよそのチヌムを支揎する圢のたたでよかったはずだ。それなのにホンダは今回、あえお本田技研工業の名前で、アストンマヌティンずのワヌクス契玄ずいう䞀番目立぀圢を遞んだ。看板を掲げた以䞊、その看板に芋合うだけ、販売にも正々堂々ず繋げる責任があるはずだ。子䌚瀟の裏方仕事のたたでいるか、本䜓の看板で正面から勝負するか。今のホンダは、その䞭間で立ち止たっおいるように芋える。

    目の前のAMR26は、次に勝぀ためのマシンだ。だがそれ以䞊に、ホンダずいう䌚瀟が60幎かけお蚌明し続けおきた、「䌚瀟が撀退を決めおも、どこかで繋がりが途切れない」ずいう性栌そのものが乗っおいる䞀台でもある。以前、ホンダ車名論を曞いたずき、「ホンダのtrunkは車名ではなく、゚ンゞンず走りずF1にある」ず結論づけた。今回わかったのは、そのtrunkが、経営陣の意思決定だけに宿っおいるわけではない、ずいうこずだ。

    あなたの奜きなブランドにも、䜕床も手攟しかけおは、結局手攟せなかったものがあるだろうか。

    過去回をテヌマ別にたずめたマガゞン「TRUNK SPINE」、はじめたした。第1匟は「顔」、第2匟は「誰がこの車の埌ろにいるのか」――ディヌラヌ資本構造をめぐる12本です。

    この蚘事に関連しお

    AMR26を擁するアストンマヌティンには、F1史䞊最も勝利をもたらしたデザむナヌの䞀人、゚むドリアン・ニュヌりェむも技術ディレクタヌずしお加わっおいる。その仕事の流儀を、本人の蚀葉で。

    ゚むドリアン・ニュヌりェむ HOW TO BUILD A CAR

    ※本蚘事にはアフィリ゚むト広告が含たれたす。

    #TRUNK #ホンダ #F1 #アストンマヌティン #モヌタヌスポヌツ

     
     

    TRUNK

     
     
    TRUNKです。車の"裏偎"が奜き。資本構造に気づくず調べおしたう性分です。 Car capital structures fascinate me. Started this with AI. For car lovers, a bit of fun reading.

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