
4時間の迷走と「損切り」の決断。Cloudflare × Docker 導入戦記
前回(Vol.11)では、ログイン画面の「数分間の沈黙」を解消するため、Cloudflare TunnelとDockerの導入を決意したお話をお伝えしました。
「コストもかからないし、改善できればラッキーだ」
そんな軽い気持ちで始めた作業でしたが、結果的に私は、パソコンの前で4時間以上も頭を抱えることになりました。今回は、その想定外に泥臭くなった試行錯誤の記録です。
構築の「入り口」で待っていた、地味な足止め
まずドメイン取得から着手しましたが、選択肢の多さに細かな違いがわからず、「お名前.com」に決めるまでで、思った以上に時間を使ってしまいました。
続く Cloudflare Tunnel では、実際の設定画面が AI の説明と異なっており、
その読み替えに少し手間取りました。
一方で Docker の設定は、説明されていた手順どおりに進み、この段階では大きく止まることはありませんでした。
この時点では、ここまでの調整が今回の作業の中心になるだろうと考えており、その後に待つ移行作業で、ここまで足が止まるとは思っていませんでした。
「コピペでいける」という甘い誘惑
なぜこの作業を「楽勝」だと思ってしまったのか。それは、AIのこんな言葉を鵜呑みにしたからでした。
「以前のn8nで使っていたフォルダから、ログイン情報などのデータをコピーしてくるだけで移行できますよ」
しかし、蓋を開けてみれば現実は全く違いました。 環境変数(.env)という、普段の生活ではまず目にすることのない設定ファイルの編集。そして、中身は理解できないけれど「これを打てば動く」と信じて繰り返す、ターミナルへの果てしないコマンド入力。
「コピペと、ちょっとした設定だけ」という言葉の響きとは裏腹に、私はいつの間にか、自分が今何を直そうとしているのかさえ見失い始めていました。
繰り返されるエラーと、AIの「ループ」
やっとの思いで起動に漕ぎ着けても、ログイン画面は容赦なく私を拒絶します。
正しいはずのパスワードを入れても、ボタンが無反応
ログイン情報の入力画面が、真っ白な画面で表示
理由もわからずターミナルに並び続けるエラーログ
AIに解決策を求めても、しばらくするとまた同じ提案が返ってくる「ループ」が始まりました。4時間が経過し、頭がぼーっとしてきたとき、私は確信しました。これ以上、過去のログイン情報に固執するのは時間の無駄だ、と。
「救えるもの」だけを持って、新天地へ
ここで私は、「1から再スタートする」という損切りを決断しました。
過去のログイン設定は潔く諦め、n8nを完全新規で立ち上げる。その代わり、苦労して積み上げてきた「ワークフロー(仕組み)」だけは、JSONデータという形で書き出し、新しい環境へ移植することにしたのです。
もちろん、新環境では各ツールとの連携認証(APIキーの再発行など)を一からやり直す必要がありました。しかし、一度経験した手順をなぞるだけの「復旧作業」は、あの原因不明のエラーと格闘していた時間に比べれば、確実で平穏な時間でした。
今回、強く思ったこと
今回の4時間の格闘で得た、もっとも重い教訓はこれです。
「自サーバー運用を続けるなら、本格的に使い込む前に安定化(Cloudflare Tunnel / Docker)させておけ」
仕組みが複雑になり、データが増えてからでは、今回のような「やり直し」のダメージは計り知れません。
現在は、あの数分間のログイン待ちが嘘のように、スムーズな起動と安定した接続が手に入っています。4時間の「授業料」は決して安くありませんでしたが、それと引き換えに、私はようやく「本当の意味で実用的な自動化基盤」を手にすることができたのです。
📎 過去の記事はこちら
この連載が、なぜ始まったのか
Vol.1:40代・製造業エンジニアが、会社の外で「自分の市場価値」を問い直す。AI自動化で『資産』を作るリスキリングの記録。
https://note.com/toto_automake/n/n26f026045328
Google認証(OAuth)で止まった話
Vol.10:Google認証の「見えない壁」。自サーバー運用という自由の代償
https://note.com/toto_automake/n/n9857fd31ff32
認証で止まったあと、運用の形を決め直した話
Vol.11:「満足」から「改善」へ。数分間の沈黙を越えるための決断
https://note.com/toto_automake/n/n4cf0e072d641
📎 次の記事はこちら
止まったあとに、運用を落ち着かせた話
Vol.13:数分の沈黙が「数秒」に。安定と引き換えに手に入れた、新しい運用のリズム
https://note.com/toto_automake/n/nb6b575c87eba
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作業中に感じた違和感や、
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記事になる前の、
思考の途中経過を置いている場所です。
https://x.com/toto_automake