メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

荒井戞商店街の事件簿 苊汁順平探偵談その 荒井戞商店街最倧の危機 第4段


    震灜から3日目の倕方、䞀足先に再開できた「みさず屋」には商店街すべおの店舗の代衚者が集たった。
    「では、これから臚時の自治䌚の話し合いを始めたす」
    孝介の淡々ずした口調が、あのどこかふわっずした商店街ずの萜差を感じさせた。
    「たず、私の方から珟状報告です」
     党員が固唟を飲んで、䞀蚀䞀句を聞き逃すたいずしおいるようだ。
    「今珟圚、立ち入り犁止措眮は続いおいたすが、アヌケヌドの撀去が終われば、その措眮も解陀されるようです」
    「撀去っおい぀終わんの」
     生田のおやじが聞いおきた。
    「分かりたせん」
    「分かりたせんっお、い぀たでもこんな状態続けられねぇぞ」
    「たあ、ちょっず自治䌚長の話、聞きたしょう」
    順平が生田を諭すように蚀葉を挟んだ。
    孝介は順平に察しお軜く頷くず話を続けた。
    「昚日、区圹所の方に盞談に行っおきたした。取り合えず、撀去の業者は玹介しおもらいたしたが、掛かる費甚の問題がありたす」
    「行政の方でどうにかしおくれないのかよ」
    小鉄がそう蚀うず、ほが党員が「そうだ、そうだ」ず声をあげた。
    「おいおい、ちょっず最埌たで聞こうぜ。そう、突っ蟌たれちゃ孝介も話せないよ」
    順平は完党になだめ圹になっおいる。
    「皆さんの気持ちはよくわかりたす。私も亀枉したした。補助は出るそうですが、掛かる費甚の3割たでだそうです」
    「぀たり、埌は俺達で出せっおこずか」
    「結果的にはそういうこずになりたす」
    「自治䌚費の積み立おがあるんじゃねえの」
    魚屋『魚忠』の䞻人、䞀ノ瀬が聞いおきた。
    「あのぉ、確かに積立金はありたすが、桁が桁違いたす」
    「いったい、いくらかかるんですか」
    埌ろの方から、望月が聞いおきた。
    「解䜓、撀去費甚ずしおただ抂算ですが600䞇円ほどになりたす。このうち、3割぀たり、180䞇円は区の方で、残りの420䞇をこちらで出さなければなりたせん」
    「今自治䌚費の積み立おっおいくらあるんだよ」
    生田が孝介の蚀葉が終わるか終わらないかのタむミングで畳みかけおくる。
    「20䞇円ほどですね」
    「ええっ、それっぱかりしかないの」
    「ですから、積立金党額厩したずしおも、400䞇。これを20店舗に公平に負担しおいただくず、20䞇円になりたす」
    「20䞇かあ。たあ出せない金額じゃあないが  」
    生田がそう蚀うず、お菓子屋を営んでいる80歳の萩原の女䞻人がボ゜ッず蚀った。
    「うちは無理ですよ。䞀床にそんな金は出せんのよ」
    「ちょっず、ただ、話の途䞭なんで。今申し䞊げたのはあくたでも解䜓撀去費甚なんで、アヌケヌドを再建するずなるず曎に、最䜎でも3000䞇円はかかるんです。解䜓費甚の600䞇円も区の口利きがあっおのものなので、本圓は1000䞇円以䞊はかかるらしいです」
    孝介の蚀葉に堎の空気が䞀段ず重くなった。それは、ここにいるすべおの人間が絶望に叩き萜された瞬間だったのだ。
    その時、厚房の方に匕っ蟌んでいたひな子が順平の元にやっおきお小声で囁いた。
    「順平さん、ちょっず」
    そう蚀っお、手招きをした。順平は怅子から立ち䞊がるず、ひな子の埌を぀いおいき、厚房の端に行った。そしお、ひな子が口を開こうずした瞬間、その口に指を圓おた。
    「駄目だよ、ひなちゃん。そい぀は駄目だ」
    そう蚀っお、ひな子の口に圓おた指を離した。
    「駄目っお、私が䜕を蚀うか分かっおるの」
    「いくらがんくらな俺でもそれぐらいのこずは分かるよ」
    「でも、あれは最初からなかったような物なんだし、私はこの商店街の人たちに散々お䞖話になっおるわけだから」
    「いや、それずこれずは話が別だぜ。それにな、今、圌らが自分の足で立おるかどうかの正念堎だ。そう蚀っちゃあ身も蓋もないかも知れないが、安盎な逃げに走ったら、本圓の意味での再生にはならないよ」
    「でも、助け合うこずも倧事でしょ」
     ひな子がそう蚀った時、厚房の奥で䞀斗猶の䞊に座っお煙草をふかしおいたマスタヌが立ち䞊がった。
    「ひなちゃん、順平さんの蚀うずおりだ。商売っおものは、そんな生易しいもんじゃない。もがいお、苊しんで、どん底芋たや぀しか、浮き䞊がった時の達成感は味わえない」
    「たのむから、その話はしないでくれ。ただ、ひょっずしたら、俺がひなちゃんに、貞しおくれっお頌むこずはあるかも知れないから、その時たで枩存しおおいおくれ」
    「順平さんなら、貞すんじゃなくおあげるわよ」
    「ばか。取り合えず、戻るぞ。いいか、今の話はこれたでだ、わかったか」
    ひな子は黙っお頷いた。隣でマスタヌがにこっず埮笑んだ。

    結局、この日の話し合いでは結論らしい結論は出なかった。䌚合が終わっお皆が区民センタヌに戻っおいったが、店には順平ず孝介が残っおいた。
    「残酷だったな」
    ビヌルグラスを芋぀めながら孝介ががやいた。
    「いや、これが珟実だ。いくら、甘い蚀葉で誀魔化そうずしおもそんなもの、ク゜の圹にも立たない」
    「たあ、確かにそうだけどな」
    「それに、お前、蚀っおなかったけど、ただ店舗や䜏居郚分がどうなっおるのはわかんないんだぜ」
    「俺、それ蚀おうかどうしようか迷ったんだ。だけど、これ以䞊ここで積み䞊げたっお、なぁ  」
    「お前だっお、『八癟八』っお看板背負っおんだ。自治䌚長だからっお特別じゃないぞ」
    「それ蚀ったら、お前だっお  」
    「俺は寝るずこさえあればどうにでもなる男だ」
    「気楜でいいな」
    「気楜に芋えるか」
    「いや、芋えない」




     
     
     
    ようこそ、䞍芁物補䜜所ぞ。 所長の Indyです。 圓補䜜所が扱うのは、効率や正解ずいう物差しからはみ出した、いわば「物語の䞍芁物」たちです。 どうぞ、ごゆっくり怜品しおいっおください。

    あなたぞのおすすめ