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4人から11人へ【島小③#09】/離島の小学校編Season3 09

    2004年6月。
    今年のキャンプは、いつもと少し違っていました。

    1.漁船で始まるキャンプ

    台風が過ぎ、いよいよ小中合同のYMCAキャンプ当日を迎えました。

    朝8時30分、小学生4人と中学生を乗せた2隻の漁船が港を出ます。
    操船してくださるのは、小学校と中学校、それぞれのPTA会長さんです。

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    20分あまりでYMCAの桟橋へ到着すると、職員の方々が出迎えてくださいました。
    数多くの利用団体がある中で、漁船で海から乗り付けて入所する団体は、おそらく私たちくらいだったと思います。

    荷物を宿泊棟へ運び、オリエンテーションを受け、入所式を終えると、いよいよ活動開始です。

    今年は小学校だけではなく、中学校との合同開催です。
    全校児童4人だった子どもたちにとって、11人で活動する2日間が始まりました。

    2.海の上で過ごす時間

    最初のプログラムはヨットでした。

    風はそれほど強くありませんでしたが、ときおり吹いてくる風を受けて艇が滑るように走り出します。
    海面を切る音と風の感触が心地よく、子どもたちも歓声を上げていました。

    昼食後は、みんなが楽しみにしていた一人乗りカヌー、カヤックです。
    海岸を移動し、思い思いに海へ漕ぎ出します。
    子どもたちは面白がって近づいてきては、こちらのカヤックをひっくり返そうとします。

    「やめろ、やめろ。」

    そう言いながらも、こちらも笑っていました。

    最後は少し遠くまで足を伸ばしました。
    これまで行ったことのない場所まで漕いでいくと、海から見る景色はいつもとは違って見えます。

    ただ、そのぶん帰りは大変でした。

    パドルを握る腕はだんだん重くなり、陸へ戻った頃にはすっかり疲れていました。

    3.雨の夜

    午後の活動が終わる頃、空模様が怪しくなってきました。
    やがて降り始めた雨は止みそうにありません。

    楽しみにしていたキャンプファイヤーは中止となりました。

    少し残念な空気が流れましたが、YMCAの職員の方々がすぐに代わりのプログラムを用意してくださいました。
    宿泊棟の広間を使ったゲーム大会です。
    職員の方の巧みな進行に引き込まれ、気がつけば子どもたちは大笑いしていました。

    雨で予定は変わりましたが、夜は夜で忘れられない時間になったようです。
    22時の消灯時間になると、こちらが何も言わなくても子どもたち自身で電気を消しました。

    たっぷり遊び、たっぷり笑い、みんな疲れていたのでしょう。

    4.雨の無人島

    2日目の朝も雨でした。

    本来なら向かいに見える無人島へ渡り、そこで料理を作って食べる予定でしたが、さすがにそれは難しそうです。
    食事はYMCAへ戻ってからに変更し、それでも無人島へ渡ることだけは実施することになりました。

    子どもたちは4人乗り、教師は2人乗りのカヌーです。
    向かい風の中を進むのは想像以上に大変でした。
    漕いでも漕いでも思うように進まず、ようやく島へたどり着いた時にはほっとしました。

    島では40分ほど自由時間を過ごしました。
    雨の無人島というのも、なかなか経験できるものではありません。

    しかし本当に大変だったのは帰りでした。

    風がさらに強くなり、ときどきカヌーが流されます。
    向きも変わります。
    必死にパドルを動かしながら、なんとか全員無事にYMCAへ戻ることができました。

    この日もまた腕が悲鳴を上げていました。

    5.島へ帰るまでがキャンプ

    13時になると、再び漁船が迎えに来てくれました。

    ところが、海は行きよりもかなり荒れています。
    せっかくシャワーを浴びたのに、途中で潮をかぶって全身びしょ濡れになってしまいました。

    島へ帰ると一息つく間もありません。
    宿舎でシャワーを浴び直したあと、今度は連絡船に乗って市の教務主任会へ向かいます。
    会には少し遅れての参加となりました。

    さらに夜は、「2005年の教室を考える会 in地方特別大会 」のスタッフ打ち上げです。
    最後にラーメンを食べて自宅へ帰った頃には、さすがに長い1日が終わったという気分でした。

    そういえば今回は、保護者向けにキャンプの様子を携帯電話で見られるブログも試してみました。
    今なら当たり前ですが、2004年当時はまだ珍しい試みでした。

    出発当日の朝に閲覧方法を書いた紙を配り、引率の先生方には投稿用のメールアドレスを渡しておきました。

    校長先生は熱心に写真を送り続けてくださり、1日目のうちに携帯電話のバッテリーがなくなってしまったほどです。
    島で留守番をしている保護者の方々にも好評でした。

    小学校だけなら4人。
    中学生を合わせても11人。
    決して大きな集団ではありません。

    それでも、海の上で笑い、雨の中を漕ぎ、同じ時間を過ごした2日間は、子どもたちにとっても教師にとっても忘れられないキャンプになったように思います。


    ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
    次回に続く。👇

    前回の話👇

    ◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

    約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。 予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。
    そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。3年目2004年度の、Season3のお話です。
    ※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

    離島の小学校編Season3👇

    離島の小学校編Season1👇👇

    離島の小学校編Season2👇👇👇


     
     
    小学校教員としての実践経験を起点に、離島での暮らしや仕事の中で生まれた学び、総合的な学習の時間の記録を書いています。 ホッとする話も、挑戦の熱が伝わる話も、出来事の流れを追いながら、物語的に綴っています。 総合的な学習/探究学習/学びの記録/教育体験記/ICT

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