メインコンテンツへスキップ
見出し画像

島のみんなで過ごした夏【島小③#10】/離島の小学校編Season3 10

    2004年7月。
    小中合同キャンプの余韻が残る中、学校は学期末を迎えようとしていました。

    1.4人の運動会を考える

    学期末が近づき、学校は少しずつ慌ただしくなってきました。

    通知票や学級会計、教育委員会訪問の準備など、机の上にはやるべき仕事が積み重なっています。
    それでも、職員室ではもう一つ先の行事について話し合いが始まっていました。

    秋の運動会です。
    今年は全校児童が4人になりました。
    町全体で行う運動会なので開催自体に問題はありませんが、小学校だけの競技や演技はこれまでと同じようにはできません。

    「中学校の競技に一緒に参加するのもいいかもしれませんね。」

    そんな案も出ました。

    結論は夏休みに改めて話し合うことになりましたが、子どもの数が変われば、学校行事の形も変わっていきます。

    小さな学校だからこそ、その年に合った形を毎年考えていく必要がありました。

    2.蒸し暑い夏の日

    学期末の忙しさは続いていました。
    朝は1便の船に間に合うよう5時30分に起き、本土から島へ向かいます。
    新しい船の就航でダイヤが変わり、以前より少ない年休で済むようになったのはありがたいことでした。

    学校では学級会計をまとめ、集金の準備を進め、週末のPTA親子球技大会の組み分けも考えます。

    放課後になると、今度はバドミントンです。
    蒸し風呂のような体育館で子どもたちと一緒に汗を流し、練習が終わると職員室へ戻って簡易指導案や要録、出席簿の確認を進めました。

    教室は連日30度を超える暑さです。
    エアコンのある職員室へ戻るたび、その温度差をしみじみ感じていました。

    3.親子で過ごす日曜日

    日曜日はPTA親子球技大会でした。
    昨年から始まった行事です。

    それまでは市のソフトボール大会へ参加していましたが、人数を集めることが難しくなり、その代わりとして島のみんなで楽しめる行事になりました。
    小学生、中学生、保護者、先生が一緒になり、バドミントンとソフトボールに分かれて試合を始めます。

    途中、保護者の方がけがをするハプニングもあり、一時は慌ただしくなりましたが、大事には至らず無事に終了しました。

    試合のあとは、みんなでスイカを囲み、冷たい飲み物を片手にしばらく語り合います。
    親も子どもも先生も、学校という枠を少し離れて同じ時間を過ごす。

    そんな穏やかな午後が、この島にはありました。

    4.キャンプの続きを港で

    先日の小中合同YMCAキャンプでは、雨のためキャンプファイヤーが中止になってしまいました。

    そのとき使えなかった花火が残っていたので、「せっかくだから港でやろう」ということになりました。

    画像

    夜8時、小学生も中学生も港へ集まります。
    少し風はありましたが、目の前が海なので安心です。
    手持ち花火の火が次々と灯り、子どもたちの笑い声が港に響きました。
    キャンプは終わったはずなのに、その続きを過ごしているような30分でした。

    花火が終わると、私はそのまま学校へ向かいます。
    まだ通知票の仕上げが残っていました。

    夏休みまで、あともう少し。

    昼は子どもたちと汗を流し、夜は机に向かう。
    そんな7月らしい毎日が続いていました。


    ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
    次回に続く。👇

    前回の話👇

    ◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

    約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。 予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。
    そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
    このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。
    3年目2004年度の、Season3のお話です。
    ※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

    離島の小学校編Season3👇

    離島の小学校編Season1👇👇

    離島の小学校編Season2👇👇👇


     
     
    小学校教員としての実践経験を起点に、離島での暮らしや仕事の中で生まれた学び、総合的な学習の時間の記録を書いています。 ホッとする話も、挑戦の熱が伝わる話も、出来事の流れを追いながら、物語的に綴っています。 総合的な学習/探究学習/学びの記録/教育体験記/ICT

    あなたへのおすすめ