メインコンテンツへスキップ
見出し画像

正攻法と直談判で友人が異動した話ーとある異動の力学

    「異動希望なんて、出しても通らないでしょ」

    大企業に勤めたことがある人なら、一度は思ったことがあるんじゃないかな、と思う。仲の良い、私の戦友でもあり同期だった彼も、たぶん同じことを思っていた。

    かく言う私も。

    でも、彼は動いた。動いたから、変わった。異動が叶った。
    私も遅れて、異動が叶った。

    それは会社によらず、共通した考え方があるのかもしれない。

    今日は、その「動かし方」「異動の仕方」の話を書いてみます。
    ※異動は各社考え方があるはずなので一例として…


    画像
    Tokky | 32歳 | 関西育ち関東暮らしのJTC勤務

    どこかの中高男子校から理系国立大へ。
    卒業後は大学院へ「とりあえず」進学、JTCへ新卒入社。
    研究員→新規事業→DXとジョブチェンジし、副業3社。
    その後(また)JTCへ転職し、新規事業などを担当中。

    成り行きキャリアを歩み続け、今に至る…

    同期だった彼の話

    前職時代、新人研修後の本配属で同じ部署になった同期がいる。

    新人研修のときから一緒だったし、たまたまマンションも一緒だったので、定時後に集まって飲んだり、近所のスーパー銭湯までバイクで一緒に行ったりしていた。

    3年だったか、4年だったか。
    一緒に働いていた間、近すぎず、遠すぎず、ちょうどいい距離感の友人だった(チームは違ったので、毎日激しく仕事で絡むわけでもなく)。

    彼は、すごく真面目でひたむきで、面白い奴だった。

    ただ、「真面目」って言葉、ちょっと足りない気がしていて。
    おかしいと思ったことを、前向きに変えようと動く。部署のミッションは理解しつつ、自分のやりたいことも、いつも持っている。立場が上だろうが下だろうが関係なく、同じゴールに向かって真剣に議論ができる。
    なにより、物怖じしない。

    ── そういう人。
    その彼が、ある時期、しんどそうにしていた。

    ※その時期に何があったのかは、下記の記事で。
    ── ある日、彼が休職に入ることになったその日、私は咄嗟に海鮮丼ランチに彼を誘った、という話。ただ一緒に昼間からビールを飲んだだけ。
    でもそれが彼にとっての救い、だったらしい。

    Tokky

    そんな彼が休職から復帰して、ちょっと経った頃。彼が、こう言い出した。

    「グローバルの仕事がしたいんだよね」

    正直、当時の私の中に「グローバル」というキーワードはまったくなかった(自分の想定外すぎて、率直にすごいなと思った)。

    そして同時に、二人作戦を練ることになった。
    ── さて、これ、どうしようか、と。


    異動先は、2択

    ひとくちに「グローバル」と言っても、当時の社内で彼が行ける部署は、ざっくり2択しかなかった。

    ひとつは、研究の中でグローバル案件を担当している部署。
    もうひとつは、企画側でグローバル案件を担当している部署。

    研究員としてのバックグラウンドを活かすなら前者、もう少しビジネス寄りに振るなら後者(という、ざっくりした区分)。

    「じゃあ、まずはどっちか狙うしかないよなあ」

    ── そんな話を、近所のスーパー銭湯あたりでしていた記憶がある
    (銭湯、やたら登場回数が多いのですが自宅から数分の距離にあって、24時間やってる最強の銭湯だったんですよね。)

    ここまでは、別に普通の話。

    やりたい仕事がある、行きたい部署がある、じゃあそこを狙う。
    転職活動なら、企業選びと同じ。

    問題は、この先だった。


    正攻法じゃ通らない

    社内には、いわゆる「異動希望」を出す仕組みは、ちゃんとある。
    半年に一度くらい、自己申告で出す、あれ。
    ※ない企業も一定あるとは思いつつ、お付き合いください…

    でも、この異動希望、出したら通る、というものではないことに、たぶん多くの人は気づいている。

    結局のところ、社内の異動の大半ってこういうゲームだと思っている。
    ※超持論で一般解じゃないかも

    • 異動元の部長が「出してもいいよ / 出したい」と言って、

    • 異動先の部長が「受け入れてもいいよ / 欲しい」と言って、

    • 上のエライ人がハンコを押す。以上。

    つまり、入口は両端の部長が合意するかどうかで、ほぼ決まる。

    もちろん更にトップダウン的な異動とか、特定の別ルート(よくあるのは社内公募制で所属側に拒否権がないパターンとか、社内のビジネスコンテストの採択者で、とか)は存在するかもしれない。
    一方、平社員、せいぜい1~5年目の異動って上記のパターンがほとんどだと思うのです。

    踏まえると、当時の彼の状況は、これでいくとなかなか難易度が高かった。

    • 異動先のグローバル部署はそこそこ人気

    • 異動元の部署は、人が外に流れがちな部署(詳細は割愛するが超ネガティブということではなく「立地」の問題が主)で、「これ以上、部外に人を出したくない」という空気が常にある

    • ── つまり、両端どっちも「YES」と言いにくい構造

    大企業ならではの問題、なのかもしれない。
    部署が少ない企業とかだともう少し状況は違うのかも。
    ぜひ教えてください。

    Tokky

    正攻法で「お互いに手を握って異動」…

    ── 残念ながら、二人の見立てでは、それは難しそうだった。


    「もう辞めるつもり」と言える腹を、持つ

    それでも動かしたいなら ── 。

    「正攻法じゃダメなら、もう、"然るべき人"に直接、話に行こう。」

    人事担当(当時なら特に研究の人事担当)や、場合によっては、もっと上 ── 研究の本部長クラスやそれに準ずる人。
    とにかく意思決定できる人に、自分の意思をぶつけに行く。

    「異動できないなら、もう、外でグローバルの仕事に就くつもりです」

    ── ここまで言える腹をくくれるなら、アリだと思った。

    なぜか。


    会社って、人がひとり辞めると、思っているよりずっと損する。
    採用にも育成にも、それなりにお金がかかっている。
    AI時代で人は減らそう!その一方で育てた人が出ていくのは損失が大きい。
    ※だからこそ、転職の時に快く挑戦を応援してくれた当時の上司や同僚に感謝しかない。

    新卒採用に力を入れている会社ほど、この力は働きやすい。
    だからこそ「(挑戦に前向きな若手の言うことなら)何とかしたい」と思ってくれるアッパー層が、ちゃんと社内にいる。

    だからこそ、辞めてでもやりたいこと、世の中のためにやるべきことをもって、「所属する会社に還元する姿勢」ってめちゃくちゃ大事。きっと、その姿勢は社内の「然るべき人」にも刺さるはず。

    決まったルートの外側でも、案外、話は動く。

    「寝技」と揶揄することもできるけど、やらないより、やってみる。
    直属の上司とか同僚とか、間にいる管理職とかそういうバランスもあるのでひとえにおすすめできるものではないが、「人生」は別。

    会社は人生に責任は取ってくれない、自分の人生だからこそ自分でつかみに行く。そんな気持ちが芽生えたのは彼との会話からだったのかもしれない。

    正攻法と直談判は、敵対する2択じゃない。

    両方を、テーブルに並べておく。
    それが、まだ見ぬ「異動」を掴む鍵だった。
    ※これ書いてて、当時よくこんなアグレッシブな提案を2人で企んでいたなと思う…


    彼は、動いた。そして異動した。

    「そうだよね、そうだよね」

    と、私たちは何度かそんな会話をした。

    そして、彼は、動いた。

    具体的にどう動いたかは、彼自身の物語なのでここで細かくは書かない。
    ただ、何ヶ月か経った頃、彼は本当に、グローバルの部署に異動した。

    「ちゃんと、然るべき人に話に行ったよ」

    ── 彼が、そう報告してくれたとき、その行動力と、突破力と、異動をつかみ取った雄姿に感銘を受けた。その後、グローバル研究でキラキラ輝く彼を見た時には、何とも言えない多幸感があった。

    ちなみにこの後、別の同僚からも似たような異動相談を受けたことがあった。「○○の研究領域に行きたい」と。
    同じように、「人事と話したことある? 異動先のチームリーダーと話したことある?異動先の部長は知り合い?そもそも異動希望は出してる?」と問いかけて(もはや質問攻め)、その後、同じような流れで異動が決まった。

    一度ならまぐれかもと思うけど、三度同じパターンで異動が叶うなら、たぶんこれは一定再現性のある構造なんだろうな~、と思っている。
    ちなみに、二度目は私だった。

    Tokky

    私のした「アドバイス」は、実は具体的に何かを言った・手伝ったというより、動ける選択肢をいくつか渡しただけ。

    決めたのは、彼。動いたのも、彼。

    わたしは、特に何もしていない。


    余談 ── 「3年は頑張れ」論

    新卒1~3年目の皆さん、「3年は頑張れ」と、私は言わない。

    「3年論」、個人的にちょっと違和感を持っている。

    仕事の時間軸って職種によってぜんぜん違うはずなのに、なぜ一律に3年なんだろう、と。そしてその3年論たるや、今のVUCAな時代で本当にそうなのだろうか?と。

    ── ただ、ここを掘り下げると朝がくる…

    これは「"ガチで" 異動/転職したくなったときに読む記事」として、また別の機会に書かせていただきます。もし、悩んでいることがあればお気軽にDMでもコメントでもお待ちしています。


    知ることはタダ、そこからでもいい

    書きながら、改めて思った。

    私は、彼に何かを「してあげた」わけじゃないと思っている。

    スーパー銭湯と、海鮮丼ランチと、何度かの「そうだよね」。
    動いたのも、決めたのも、ぜんぶ、彼。

    私がしたのは、たぶん、「動ける選択肢を増やした」だけ。

    大企業の中で動けずに、しんどくなっている人って、少なくないんじゃないかな、と思う。

    仕事が嫌いなわけでもなく、会社が嫌いなわけでもない。ただ、なんとなくの閉塞感、友人の活躍に対する劣等感、世の中のキラキラした隣の芝生、こういったものが「良く見える」時代になってしまった。

    逆に言えば、選択肢の増えた時代だと思う。

    その選択肢をどう知り、実行するかが、人生を(少しずつ)好転させるきっかけ。彼に救ってもらった今、この記事が誰かの参考になれば、私も救われます。
    ※知ることはタダ、と言いながらNoteの有料記事出したらゴメンナサイ…

    Tokky.
    追伸:スキ、コメント、DM励みになります。大感謝。

    |関連記事:ランチがきっかけで転職した話


     
     
    32歳。JTC研究員▶新規事業▶DX&副業3社▶転職&CVC立上げ▶︎VC&CVCへ ── ずっと「成り行き越境」。失われた30年は「止まってしまっただけ」と信じる、「不易流行、変わり続ける人」の雑記。0→0.1を最前線で。 ※画像類は生成AIで作成。話は全部実話。

    あなたへのおすすめ