
ただまっすぐ信じるやつに勝てるか
「勝てるか」は
「果たして勝てるのか?」という疑問でもあり、
「勝てっこない(敵わない)」という、強いものへの畏れでもある。
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スタジオジブリ作品の名作「となりのトトロ」のワンシーン。
主人公サツキの妹である4歳のメイが、近所に住む勘太のおばあちゃんに手を引かれ、サツキの通う小学校の校庭に現れる場面を頭に思い浮かべる。(トトロをまだ見たことがない人は雰囲気で楽しんでほしい)
私自身、最後に見た10年以上前の記憶だけを頼りにこれを書いている。
授業中の教室に招き入れられ席についたメイは、スケッチブックいっぱいに何やら絵を描きはじめる。そしてサツキの同級生から「それ、なあに?」とこっそり聞かれると、
「トトロだよ」
と間髪入れずに答える。少しの迷いもなく、はっきりとした声で。それはまるで
「トトロに決まってるでしょ。何言ってんの」
というくらいの力強さを持っている。
映画の細部の記憶は曖昧でも、この「トトロだよ」の声のトーンははっきり頭の中で再生できる人は結構多いのではないだろうか。
何かものづくりをしようという人にとって、あるべき理想の心の在り方というのは、このメイの「トトロだよ」だよな、と私は思う。
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自分自身を「フィクションのアニメ映画を見ている視聴者」ではなく、「サツキの教室にいる同級生の一人」だと想像してみてほしい。その人物の目からすればきっと
「草壁さんちの妹は、ちょっと変な子だな」
と思うだろう。
それもそのはず、この時点ではメイ以外の人にとってトトロは空想上の生き物に過ぎないのだから無理もない。「ペガサスだよ」というのと同じである。
しかし当のメイからすれば、そんな周りの視線や思惑などお構いなしで、自分が目の当たりにした、自分だけの「トトロに出会った」という感動を、少しも疑うことなくまっすぐスケッチブックに落とし込むことだけに集中している。
子どもだからといって侮ってはいけない。
込めた気持ちの純度が作品の純度になる。
見る人の心を捉えるのはそういうものだ。
大人はいつだって余計なことばかり気にしてしまう。
だから、ものをつくるときにはいつも、心の中の貼り紙にはこう書いておかなくてはならない。
「ただまっすぐ信じるやつに勝てるか」と。
今回の投稿は、マイキーさん主催の「#エッセイしりとりコンテスト」という企画で、相生エッセイさんから頂いたバトン(タイトルの最終文字「た」)をきっかけに執筆しました。
私は相生さんとほぼ同時期にnoteに投稿を始めたのですが、相生さんはいつも見出し画像から言葉の選び方の一つ一つまで総合的に完成度が高く、今だにどうにも草野球感が抜けない私にとって多くの刺激を与えてくださるクリエイターさんの一人です。
相生さん、エッセイとはたぶん違いますがなんとかがんばって書いてみました。
これまでnoteであまり他の方と接点を多く持てていなかったので貴重な機会になりました。ありがとうございます。
そしてこの企画、次にバトンを渡す人を3名まで指定できるようなので、誠に勝手ながら指定させていただきます。(すでに他の方から指定されていたらすみません)
次の投稿を「か」で始まるタイトルでお願いします。
そして記事には「#エッセイしりとり」とタグをつけるようにとのことです。
1人目は、「ato46」さんです。
atoさんは、何を隠そう一番最初に私をフォローしてくださった方で、初期にatoさんのフォローがなければおそらく私は早々にnoteを離脱していたでしょう。
「価値を認めてくれる人がいる」ということがどれだけ励みになったかわかりません。今回は感謝の気持ちも込めてバトンを渡させていただきます。
atoさんの書くものは、連続ドラマにハマっているときの一連の投稿(「ばけばけ」良かったですよね)も、日常生活と地続きになっていていいなと思いますが、最近投稿された学童キャンプの記事も保護者の立場としてとても共感しました。
2人目は、「あかののい」さんです。
あかののいさんは、2人の子を持つ40代パパということで私と立場が近いのですが、まだ幼いお子さんを優しく見つめる愛情が日々のエッセイから溢れていて、すっかり大きくなった我が子たちを横目に「うちの子にもこんな頃あったなぁ」と、いつも読んでいて温かい気持ちになります。
写真や映像にも残らない、この時期にしか書けない文章って、やっぱりあると思います。
3人目は、「文鳥デビル」さんです。
文鳥デビルさんは最近フォローさせていただいたばかりですが、今だにどうにも草野球感が抜けない私にとって(二回目)、どれを読んでも「これぞエッセイ」という質の高さを感じるので、まさにこの企画に相応しい方だと思います。いちファンとして「ぜひ読んでみたい!」という気持ちを込めてお名前を挙げさせていただきました。なにとぞ。
お三方とも、もし気が向いたらバトンを次に繋いでいただければと思います。もちろん強制するようなものではないので、遠慮なくスルーしていただいても全く問題ありません。
(最後におわび)
せっかくいただいた他の方との交流の機会なので、しりとりの繋ぎ役としてバトンまでは託しましたが、私自身はコンテストについては辞退させていただきたいと思います。(審査対象外で構いません)
良くも悪くも読んだ人がそれぞれ何か感じてくれれば、私としてはそれで充分かなと思うので。
お祭りの雰囲気に水を差すようで大変心苦しいですが、ご理解いただけると幸いです。
それではまた。