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Photo bysumisumi1102

多層の私:これが私の生き書 ①|余白 私が私をここに残す理由

    「大病すると、死生観が変わるよね」
    その言葉を投げかけられるたび、私は首を傾げる。

    なぜなら――
    出口のないトンネルの中にいた頃から、私はずっと「もうここに戻って来れないかもしれない」と想像しながら家を出ているからだ。

    これは俗に言う“丁寧な暮らし”とは、ちょっと違う。

    何かあった時、他人がこの家に入っても恥ずかしくないように。

    出しっぱなしの靴はないか。
    シンクに水滴は残っていないか。

    自分の気配を消し、部屋にきれいな「余白」を作り
    空気を整えてから、私は鍵を閉める。

    そうやって、
    何も残さないように生きてきた。

    他人にラベルを貼られ、押し付けられ、忖度して生きる辛さは私だけで十分だ。

    そう思いながら生きていた。

    そしてこの記事を書き上げ、投稿ボタンを押すまでのわずかな時間に

    母が、突然逝った。


    言葉足りずで始まった糸の絡まりは、意図せず大きくなり、すれ違い、結果、何も伝えられないまま、母は逝った。

    この出来事は、私の中で大きな大きな渦を巻き起こした。

    私は長年ずっと苦しみから逃れたかった。
    それは死を意味していた。
    でも、死ねなかった。
    だから私は、向き合い続ける事を選んだ。

    そんな私に父は
    「お前は他人にも自分にも厳しく雑だ」と言った。

    “圧が強い“
    “面倒くさい奴"
    "近寄りがたい"

    そう言われても逃げる事などできなかった。

    凹んで愚痴れば…

    「はいはい、またメンヘラ?」

    「大袈裟だな」

    何度も呆れられ、笑われた。

    人が他人を理解する事は難しい。
    そんなことは分かっている。

    ただ、知っていて欲しい。
    自分の物差しでは測れない、異質な人間が存在することを。

    だから、このnoteを始めた。
    私に万が一の事があった時、私と言う人間がこう生きたと言う証を残したい。

    それは私にとっての遺書。

    いや、私の生きた証、――“生き書”だ。

    そしてこの生き書が、いつか誰かを温めるブランケットとなり、いらなくなったら、その辺に置いていってくれればそれでいい。

    暗闇で足掻き、もがき、そこから這いあがろうとした時に、たまたま、とんでもないブランケットがあっただけ。

    ただ、それだけ。

    そしていつか「昔、とんでもないブランケットがあったな」

    そう思い出してくれるならば、私がこの時代に生きた意味がある。

    強がりだ、承認欲求だと笑われても構わない。

    私は面倒で、厄介で、ややこしい。

    だから、好きになってもらう必要はない。

    ただ、こう生きてきただけだから。

    この、あまりにも面倒で、厄介で、ややこしい私を作ったすべての「余白」を、ここに置いておく。

    これが、私の生き書。


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    #創作大賞2026
    #オールカテゴリ部門
    #生き書
    #人生
    #自分らしく生きる

     
     
    ウソの様な軌跡から生まれた、ややこしの森の住人てるてる坊主。 遺書と言う名の、生き書を残す。 そして、その生き書が誰かのブランケットになれたなら、いらなくなったらその辺に置いていってください🌈

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