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やくざのような父と、その血を継いだ娘 ⑦俺は困らない

    父は、子供を一人の人間として育てる義務があると考えているだけで、私に対する期待や望み等は特になかった。

    小学5年生の時、
    私は父に
    『一番儲かる職業って何?』
    『う〜ん、パイロット、弁護士、……』
    『じゃあ弁護士になる!』
    と言ったのを今でも覚えている。
    父もその会話を何故か覚えていた。  

    中学生になり、
    中間試験を受け、
    期末試験を受けて、
    弁護士どころか高校も行けるのか?
    という状況だった。
    そんな赤点をとる私に、
    母は、
    『勉強しなさい!』と怒った。
    舐め腐った態度をとった私に母はビンタした。
    母からの暴力はこれが最初で最後だった。

    父から勉強の事で怒られたことはない。
    ある時私は父に聞いた。
    『なんでお父さんは私が勉強しなくても怒らないの?』
    すると父は言った。
    『お前が勉強できなくても俺は困らない。
     お前が困るだけだから』

    このままでは、
    中学卒業と同時に社会へ放り出される。

      父に言われた
    『自分で飯食っていけよ。好きに生きて行け』
    の言葉がよみがえった。
    私がこの先困っても、
    父は助けてはくれない。
    このままでは、
    自分が困るだけ。

    将来が怖くなった。
    だけど勉強できなかった。
    そのまま高校受験を迎えた。

    この父の言葉は、
    その後の私の生き方に、
    大きな影響を与えることになった。

    ⑧若い時の経験の大切さを知る


     
     
    やくざのような父親と、 その血を中途半端に受け継いだ娘。 そこにいた母の話。 家でも外でもヤクザのような父のもとで育ち、 気づけばその価値観を色濃く受け継いでいた。 52歳になった今、その人生を記録してみようと思い立った。