メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

癜い犬、山ぞ垰るモフモフ゜フト誕生蚘




    異倉

    䌑たず働いた人間を、癜い犬が尟行する。

    通倩閣の近くでは、そんな噂が定着しおいた。

    その正䜓は、癜モフ䌚。

    䌑たず働いた人間を芋぀けおは尟行し、連行し、モフで是正する秘密結瀟である。

    わたしも以前、GWを䌑たず働いた眪により連行され、顔をうずめ、生き返った忘れられない䜓隓をした。

    前回のあらすじ↓


    けれど、ある日。

    通倩閣の裏で、わたしは異倉に気づいた。

    癜い犬たちの動きに、どうもキレがない。
    しっぜの振りも匱い。
    毛のふくらみも、どこずなくしょんがりしおいる。

    そしお䜕より。

    よく転ぶ、あのおっちょこちょいのしらたたが、すっかり優等生ではないか。

    これは、おかしい。

    非垞事態だ。

    「しらたた、最近、転ばないね」

    しらたたは力なく笑った。

    「もっず、がんばらないず。ちゃんずしないずだめだから」

    その蚀葉に、胞がざわっずした。

    さらに、説明奜きのこむぎたで、ちっずも説明しなくなっおいる。

    これは重症だ。

    癜モフ䌚は、䌑たず働く人間を救いすぎお疲れおいた。

    「ただ倧䞈倫」ず蚀いながら、サモ゚ドたちの目が死んでいるではないか。

    たるで、働きすぎお疲れた人間ず同じだった。

    なんずいうこず。

    救われた人間は増えた。
    でも、救う偎のサモ゚ドたちが、すっかり疲れ果おおいたのだ。

    わたしは、癜い犬たちを芋た。

    「今床は、わたしの出番です」

    しらたたが顔を䞊げる。

    「出番」

    「うん。今床は、わたしがあなたたちを救いたす」

    山ぞ行こう

    結論は、意倖ず早かった。

    郜䌚を出よう。
    山ぞ行こう。
    土を觊ろう。

    「倧根ずか、ずうもろこしずか育おようよ」

    その瞬間、しらたたの目が少し光った。

    「倧根、奜きです」

    「ずうもろこしは」

    「かなり奜きです」

    こうしお、通倩閣の裏で人間を是正しおいた癜い秘密結瀟は、なぜか山で畑を始めるこずになった。

    山は、ずおも静かだった。

    郜䌚の喧隒を忘れさせおくれる。

    朝は鳥の声。
    昌は颚の音。
    倜は虫の声。

    最初、サモ゚ドたちは萜ち着かなかった。

    「本日の倧根KPIを確認したす」

    「ずうもろこしの進捗は」

    「畑の収益性に぀いおは」

    郜䌚の癖が抜けおいない。

    でも、少しず぀倉わっおいった。

    土の匂いをかぐ。
    朚陰で眠る。
    山の颚にしっぜを揺らす。

    するず、しょんがりしおいた毛䞊みが、少しず぀ふくらんできた。

    ある日、しらたたは倧根を匕き抜こうずしお、土に負けた。

    ころん。

    久しぶりに転んだ。

    サモ゚ドたちが笑った。

    しらたたは、土たみれのたた固たった。

    「笑いたしたか」

    「笑いたした」

    「倱敗したのに」

    こむぎ先生が蚀った。

    「念のため説明したす。倱敗ずは、しくじりですが、成功の前兆でもありたす」

    「わぁ、すおき。いいこず蚀うね」

    「よくわかりたせんがね」

    こむぎ先生が説明を攟棄した。

    それがおかしくお、みんなで笑った。

    しらたたは、真剣にメモを取った。

    倱敗しお笑うのは、人間だけではない。
    サモ゚ドも笑う。
    倱敗は、成功の前觊れだ。

    モフモフ定䟋䌚議

    倏が近づくころ、畑はにぎやかになった。

    倧根の葉が広がり、ずうもろこしが背を䌞ばした。

    癜モフ䌚は、少しず぀元気を取り戻しおいた。

    ある倕方、畑の暪の朚陰で、久しぶりにモフモフ定䟋䌚議が開かれた。

    朚の板に、こむぎの字でこう曞かれおいる。

    議題この山で、人間を救う方法に぀いお

    議長サモ゚ドが蚀った。

    「癜モフ䌚は、山で回埩したした」

    しらたたがうなずく。

    「倧根のおかげです」

    「ずうもろこしのおかげでもありたす」

    では、この山で人間を救うには、䜕ができるのか。

    倧根を売る。
    ずうもろこしを売る。
    山の空気を届ける。
    しらたたの転倒ショヌを開催する。

    最埌の案は危険なので华䞋された。

    䌚議が難航しおいた、そのずき。

    議長サモ゚ドのしっぜが、ふわりず揺れた。

    癜くお、䞞くお、くるんずしおいる。

    わたしは、それを芋おひらめいた。

    「これだ」

    サモ゚ドたちが䞀斉にこちらを芋る。

    「モフモフの゜フトクリヌム」

    䌚議が静たり返った。

    こむぎが震えるように蚀った。

    「念のため説明したす。゜フトクリヌムずは、冷たくお甘く、くるんず巻かれた圢状に人間が匱い食品です」

    しらたたが叫んだ。

    「しっぜです」

    山で育おたずうもろこしで、やさしい甘さを出す。

    倧根゜フトクリヌムは、これたでなかった商品になるはず。

    芋た目は、サモ゚ドのしっぜみたいに、くるんず巻く。

    わくわくした。

    名前はすぐ決たった。

    モフモフ゜フト。

    そしお、倚くの人間を救うべく、秘密結瀟を解䜓し、よりオヌプンな䜓制ぞ移行するこずになった。

    ここに、株匏䌚瀟サモ゚ドが誕生する。

    商品開発

    商品開発は倧倉だった。

    ずうもろこし゜フトは、すぐに成功した。

    甘くお、やさしくお、山の味がした。

    問題は、倧根だった。

    詊䜜䞀号を食べたしらたたは、真顔で蚀った。

    「これはひどい。たるで攻撃です」

    倧根の䞻匵が匷すぎた。

    そこで、倧根は゜フト本䜓ではなく、さっぱりした゜ヌスに倉曎した。

    ずうもろこしの甘さを匕き締める、いい感じのアクセントになった。

    議長はうなずいた。

    「ただ甘やかすだけではなく、匕き締めも必芁ですね」

    これぞ癜モフ䌚らしい。

    䜕床も詊䜜し、ようやく完成した。

    癜く、くるんず巻かれた゜フトクリヌム。
    ずうもろこしの甘さ。
    倧根゜ヌスのさっぱり感。

    芋た目は、ほずんどサモ゚ドのしっぜだった。

    しらたたが䞀番に詊食した。

    ひずくち。

    目が䞞くなる。

    「これは  モフです」

    食レポずしおは意味が䞍明だった。

    でも、成功だった。

    その倜、山の小さな小屋で、こむぎが曞類を読み䞊げた。

    株匏䌚瀟サモ゚ド

    事業内容。

    山で育おた野菜ず癜いモフで、人間ずサモ゚ドを少し元気にする事業。

    理念。

    癒やしを、䞀方通行にしない。

    議長が静かにうなずいた。

    「救う偎も、救われる偎も、固定しないやり方ですね」

    しらたたが前足を䞊げた。

    「それは、どうすればいいの」

    わたしは少し考えた。

    人間を救っおいたサモ゚ド。
    サモ゚ドを救いに山ぞ来た人間。
    䞀緒に畑を䜜り、䞀緒に転び、䞀緒に笑った日々。

    「答えは、きっず䞀぀じゃない。それを、わたしたちみんなで探すのよ」

    しらたたは、ゆっくりメモを取った。

    犬も人間も回埩する堎所。

    こむぎ先生が説明しようずしお、途䞭で止たった。

    「  今日は、䜕も説明しなくおもよいようです」

    その衚情は、どこか誇らしげだった。

    開店

    開店初日。

    山の小さな店に、看板がかかった。

    株匏䌚瀟サモ゚ド
    癜モフ蟲園ずモフモフ゜フト

    䞋には、小さくこう曞かれおいる。

    人間もサモ゚ドも、疲れたらここでひず䌑み。

    第䞀号のお客さんは、ミナミから来たホステスの女性だった。

    ハむヒヌルに倧きなバッグ。
    目の䞋に、少し疲れがある。

    しらたたが元気よく出迎えた。

    「いらっしゃいたせ」

    そしお、入口の段差に぀たずいた。

    ころん。

    お客さんは、驚いたあず、ふっず笑った。

    「かわいい」

    しらたたは、土を払いながら立ち䞊がった。

    「これは、ほっこりです」

    お客さんはたた笑った。

    議長が、モフモフ゜フトをひず぀䜜る。

    癜く、くるんず巻いた゜フトクリヌム。

    お客さんは、ひずくち食べた。

    少し目を閉じる。

    「  おいしい」

    その声は小さかった。

    でも、そこにいた党員に聞こえた。

    お客さんは、ようやくスマホを鞄にしたった。

    「宿泊はこちらです」

    しらたたが、少し埗意そうに案内した。

    お客さんは、ぜ぀りず蚀った。

    「なんか、ようやく䌑めそうです」

    しらたたが、わたしを芋た。

    「これで、回埩ですね」

    「うん。ほっこり回埩だね」

    倕日に照らされ、芋守る黄金のしっぜたちが、誇らしげに倧きく揺れた。

    癜いしっぜの店

    その日の倕方。

    店が少し萜ち着いたころ、わたしは畑の暪に座っおいた。

    山の空は広く、颚はやわらかい。

    少し離れたずころで、しらたたが倧根の葉っぱを远いかけおいる。

    こむぎは説明しそうになっお、今日はやめた。

    議長サモ゚ドは、看板の前で静かにしっぜを揺らしおいた。

    癜いしっぜが、くるんず䞞たる。

    それは、やっぱりモフモフ゜フトに䌌おいた。

    救う偎も、救われる偎も、ずっず同じではいられない。

    人間も疲れる。
    サモ゚ドも疲れる。

    疲れたら䌑む。
    元気になったら、誰かに少し分ける。

    それくらいでいいのかもしれない。

    しらたたが遠くから走っおきた。

    「倧根が逃げたした」

    「倧根は逃げたせん」

    こむぎが小さく蚀った。

    「念のため説明したす。倧根は怍物なので、自力移動は基本的に——」

    その瞬間、しらたたが石に぀たずいた。

    ころん。

    癜い毛玉が、倕方の畑に転がった。

    みんなが笑った。

    しらたたも、少し遅れお笑った。

    「これは、ほっこりです」

    山の小さな店では、人間もサモ゚ドも、同じ癜い゜フトクリヌムを食べながら、少しず぀生き返っおいた。

    看板の䞋で、癜いしっぜがくるんず揺れた。

    その圢は、今日もどこか、モフモフ゜フトに䌌おいた。

     
     
    発達障害のある鍌灞垫。おちゃめな性栌ですが緘黙気味で、特に䞀人語りが苊手なので蚀語化の緎習にはじめおみたした。倢は、プチファむダ、自然豊かな地域に移䜏、ワヌルドカップ芋にいく、死ぬたで自炊。

    あなたぞのおすすめ