秋の空|風まかせ文芸部【詩】
「秋の日は釣瓶落とし」

ゆうやけ こやけで 日が暮れて
山の カラスが 鳴きやんだ
おうちへ いそげば 一本道
赤い 日ざしは もう消えた
大きな 杉の木 くぐるとき
「はやく おうちへ おかえり」と
枝の すきまを 抜ける声
つるべおとしだ するすると
おりてくるのは だれの顔
ころりん どっすん ケラケラと
わらって 木の上 もどってく
おててを つないで はしらなきゃ
ふりかえったら もどれない
ころころ 小石を 蹴とばして
曲がり角まで あとすこし
つるべおとしに つかまるな
はやく おうちへ おかえりよ
ほらほら 頭の すぐうえだ
つるべおとしに つかまるな
「釣瓶落とし」について
「秋の日は釣瓶落とし」とは、秋の空が急速に暮れていく様子を、井戸の釣瓶が落ちる速さになぞらえた言葉です。
そして日本には、同じ「釣瓶落とし」の名を持つ妖怪も伝えられています。
……暗くなる前に、どうぞおうちへ。
風まかせ文芸部に、参加させていただきます。
