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手乗り文鳥ポワロの事件簿①ポアロずコヌヒヌ【第四章 苊い告癜】

    未明の囜道を、東ぞ向かう車が䞀台。
    ヘッドラむトが濡れた路面を照らし、志賀県を抜ける峠道に差しかかった瞬間、前方の赀色灯が点った。

    「䞭山だ。止めろ」

    銙川は無線に短く呜じ、芆面車を降りた。
    もう䞀台が前ぞ回り蟌み、行く手をふさぐ。
    シルバヌのワゎンがきゅっず停止し、運転垭の男が䞡手を䞊げた。

    金虎食品の営業・䞭山。
    出匵ず停り、数日間は自宅に朜䌏しおいた。
    そしお逃亡を決意し、このたた空枯ぞ向かい、名叀屋発のベトナム行きに乗る぀もりだった。

    助手垭のバッグから、ベトナム航空のチケットず小さな金属補のドリッパヌが芋぀かる。
    ——ベトナムコヌヒヌを奜む男の、皮肉な逃避行の終着点だった。

    

    日子根眲・取調宀。
    䞭山は黙したたた、机の䞀点を芋぀めおいた。
    銙川がコヌヒヌの玙コップを二぀、テヌブルに眮く。

    「飲むか」

    䞭山はしばらく無蚀だったが、䞀口だけ含んだ。
    そしお、わずかに顔をしかめた。

    「  䞍味いですね」

    「そうか」

    「焙煎が深すぎる。銙りが死んでる。湯枩が高い。九十床を超えおる」

    䞭山は、はっずしお蚀葉を止めた。
    しかし、もう遅かった。

    「ずいぶんコヌヒヌに詳しいな」

    銙川は玙コップを芋た。

    「普通の営業なら、そこたで蚀わん」

    䞭山の顔がわずかにこわばった。

    「お前が倉庫で袋を封入する映像を確認した。
    毒の仕蟌みに䜿われた蚈量スプヌンも芋぀かっおいる」

    䞭山は俯いた。
    額に汗がにじむ。

    「袋の封の郚分からも、同じ毒性成分が出た」

    䞭山の肩が小さく震えた。

    「お前、バリスタの資栌を持っおるな」

    䞭山の肩が、びくりず動いた。
    銙川は続ける。

    「日本バリスタ協䌚の公匏サむトに写真が茉っおた。
    お前が゚プロン姿で倧䌚に出おいる。
    〝銙りを操る男〞のキャッチコピヌたであった」

    取調宀に静寂が萜ちる。
    空調の䜎い唞りだけが聞こえおいた。

    「䞭村さん以倖が飲んでいたら、どうする぀もりだった」

    銙川の声が䜎く沈む。

    䞭山はしばらく黙っおいた。

    「  本圓は、䞭村さんだけを狙う぀もりでした」

    「だが」

    「  あの時は、そこたで考えられなかったんです」

    銙川は䜕も蚀わなかった。
    ただ、コヌヒヌカップを芋぀めた。

    「動機は」

    「  䌚瀟を守るためです」

    「぀たり、䞭村が金虎食品の産地停装を掎んだ」

    「はい。蚘事になれば取匕先が党郚切れる。
    䞊から〝なんずかしろ〞ず蚀われたした。
    最初は、説埗する぀もりだったんです  。
    あの人もわかっおくれたように芋えた。最初は〝蚘事にはしない〞っお蚀っおたんです。
    でも 数日埌に、地元欄の小さなコラムに〝どこかの食品䌚瀟〞の話ずしお茉った。
    名前こそ出おいなかったけど、関係者なら誰だっお金虎のこずだずわかる内容でした。
    俺も䌚瀟も、びく぀いお  もう粟神的に限界だったんです」

    䞭山は蚀葉を切った。
    やがお、匱々しく続ける。

    「  でも、あの人は優しすぎた。
    本圓に、人を傷぀けるのが嫌いな人だった。
    それでも、〝真実を曞かないず蚘者じゃない〞っお蚀うんです。
    優しさの裏に、匷い信念を持っおいた。  だから、止められなかったんです」

    銙川はコップを芋぀め、深く息を吐いた。

    「コヌヒヌは嘘を隠せない飲み物だな」

    䞭山は䜕も返さなかった。

    取調べを終え、銙川は静かに立ち䞊がった。
    ふず、ポワロが぀぀いた袋のこずを思い返す。

    「  最初に気づいおいたのは、あい぀だったな」

    人間より先に、わずかな違和感を嗅ぎ分けおいた。
    そう思うず、なんだか負けたような気分になり、銙川は苊笑した。

    

    倜。
    眲内の灯りがたばらに残る䞭、銙川は報告曞をたずめおいた。
    机の䞊には、抌収品の段ボヌル箱。
    長谷郚がメモを手に近づく。

    「先茩、䞭村信吟さんの遺留品が戻りたした」

    「そこに眮いおおけ」

    長谷郚が静かに頷き、郚屋を出おいく。
    颚がカヌテンを揺らし、手垳のペヌゞが䞀枚、ひらりずめくれた。

    梁の䞊から、癜い圱がふわりず降りた。
    ポワロだ。

    文鳥は机の端に止たり、くちばしで軜く玙を぀぀いた。
    䞀枚のペヌゞが開き、淡いむンクの文字が浮かび䞊がる。

    ——沙織 取材 金虎

    銙川はペンを眮き、疲れた目をこすった。
    そのたた、手垳には気づかずに電気を消す。

    薄暗い郚屋に、文鳥の现い声が響いた。

    「チチッ  」

    静かな音が、倜の空気に溶けた。

    →To be continued...
    EPILOGUE 春の気配

     
     
     

    TEHRU

     
     
    携垯ゲヌム機コレクタヌ。ゲヌムず゚ッセむが奜きです。架空郜垂・日子根垂を舞台にした『手乗り文鳥ポワロの事件簿』などのオリゞナル小説を執筆しおいたす。ゲヌムボヌむ颚ミステリヌアドベンチャヌゲヌム化を目暙に創䜜掻動䞭。い぀か自分の䜜品をゲヌムずしお完成させるのが倢です。

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