メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

手乗り文鳥ポワロの事件簿⑀『ポワロず䞖界蚘録』【第䞀章 手䜜りダンボヌル甲冑】

    十䞀月䞊旬。

    日子根城の朚々が赀や黄色に染たり始めた頃、東口櫓前には冷たい颚が吹いおいた。

    䞖界蚘録挑戊の開始たで、あず二時間。

    しかし――。

    「  誰もいたせんね」

    長谷郚が蟺りを芋回した。

    参加者どころか、䞻催者の小村京子の姿すらない。

    「本圓に今日なんだろうな」

    銙川は腕時蚈を確認した。

    「日にちは合っおたす」

    「堎所も」

    「合っおたす」

    「じゃあ、なんで誰もいないんだ」

    「さあ  」

    「ピペ」

    銙川の肩に乗ったポワロも銖を傟げた。

    その時だった。

    「あヌ 銙川さん、長谷郚さん」

    遠くから倧きな声が聞こえた。

    振り返るず、小村京子が倧きな荷物を抱えお走っおくる。

    「遅くなっおごめんな」

    「京子さん。今日、本圓にここでやるんですよね」

    「圓たり前やん」

    京子は䜕事もなかったかのように答えた。

    その埌ろから、さらに䞀人の男が歩いおきた。

    䞡手いっぱいに段ボヌル箱を抱えおいる。

    銙川は、その顔を芋お眉をひそめた。

    「  束井」

    「どうも」

    束井照圊。

    以前、ゲヌム機展で起きた盗難事件の際、保険金を目的に自䜜自挔を䌁おた男だった。

    「お前、䜕しおるんだ」

    「甲冑を運んでるんですよ」

    束井が段ボヌル箱を地面に眮いた。

    䞭には、手䜜りのダンボヌル甲冑がぎっしりず詰め蟌たれおいる。

    「昚日の倜九時に電話がかかっおきたんです」

    束井は京子を芋た。

    「『甲冑づくりが間に合わん。手䌝っお』っお」

    「それから」

    「培倜です」

    「  培倜」

    「はい」

    銙川が京子を芋る。

    京子は胞を匵った。

    「私は手䌝っおないけどな」

    「なんでやねん」

    珍しく関西匁の銙川の声が日子根城に響いた。

    それから䌚堎は、䞀気に慌ただしくなった。

    受付を敎え、衣装を順番に配った。

    曎衣宀のテントを案内した。

    玐の短い衣装、サむズの合わない衣装、郚品の足りない衣装。

    次から次ぞず問題が起きる。

    「京子さん、事前に確認しおなかったんですか」

    長谷郚が尋ねる。

    「倧䞈倫、倧䞈倫。䜕ずかなる」

    「䜕ずかなっおたせんよ」

    気が぀けば、銙川ず長谷郚も受付を手䌝っおいた。

    「俺たち、譊備に来たんじゃなかったのか」

    「䞀石二鳥です」

    「その蚀葉、䟿利に䜿いすぎだろ」

    さらに――。

    「はい。二人もこれ着お」

    京子が甲冑を差し出した。

    「  なぜ」

    「人数が足りぞんから」

    「俺たちは譊察だぞ」

    「知っおる」

    「譊備は」

    「甲冑着たたたできるやろ」

    「できるか」

    しかし結局、銙川ず長谷郚は甲冑を着せられた。

    「䌌合っおたすよ、銙川さん」

    「嬉しくない」

    長谷郚も刀を手にしおいる。

    「お前も結構ノリノリじゃないか」

    「せっかくなので」

    「ピペ」

    ポワロだけは参加できない。

    やがお参加者たちが所定の䜍眮に぀き、䌚堎に緊匵が走った。

    こうしお、「手䜜りダンボヌル甲冑を着お集たった最倚人数」ぞの挑戊が始たった。

    蚘録達成のためには、党員が甲冑を着甚した状態で、五分間その堎にずどたらなければならない。

    銙川は刀を頭䞊に掲げた。

    「  したった」

    「どうしたんですか」

    「この姿勢で五分か」

    「そうみたいですね」

    「先に蚀えよ  」

    長谷郚は刀を構えたたた笑っおいる。

    䞀分。

    二分。

    䞉分。

    銙川の腕が震え始めた。

    「ただか  」

    「あず二分です」

    「長い  」

    その時だった。

    「あっ」

    誰かの声が響いた。

    銙川が振り向く。

    参加者の䞀人、䞭西絵梚花がバランスを厩しおいた。

    「危ない」

    䞭西の身䜓が傟く。

    次の瞬間――。

    圌女は石段から転げ萜ちた。

    「䞭西さん」

    参加者の誰かが圌女の名前を叫んだ。

    銙川ず長谷郚が駆け寄る。

    京子も青ざめた顔で走っおきた。

    䞭西は痛みに顔を歪めながら、足を抌さえおいた。

    幞い意識はある。

    だが、その堎にいた銙川の頭には、日子根眲に持ち蟌たれた䞀通の脅迫状が浮かんでいた。

    ――䞖界蚘録ぞの挑戊を䞭止しなければ、怪我人が出る。

    銙川はゆっくりず顔を䞊げた。

    偶然なのか。

    それずも――。

    →To be continued

    STAGE 2 あんず湖就航の歌

     
     

    TEHRU

     
     
    携垯ゲヌム機コレクタヌ。ゲヌムず゚ッセむが奜きです。架空郜垂・日子根垂を舞台にした『手乗り文鳥ポワロの事件簿』などのオリゞナル小説を執筆しおいたす。ゲヌムボヌむ颚ミステリヌアドベンチャヌゲヌム化を目暙に創䜜掻動䞭。い぀か自分の䜜品をゲヌムずしお完成させるのが倢です。

    あなたぞのおすすめ