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手乗り文鳥ポワロの事件簿⑤『ポワロと世界記録』【プロローグ 脅迫状】

    日子根城内では錦秋に向けてライトアップの準備が進められていた頃、一人の女性が日子根警察署を訪れた。

    自宅のポストに脅迫状が届いた。

    しかし、その女性の表情に恐怖はない。

    脅迫状にはこう書かれていた。

     次回開催される『手作り甲冑を着用して集まった最多人数記録に挑戦』を中止しなければ、怪我人が出る。

    「何かのイベントですか?」

    日子根警察署刑事課の香川誠司が尋ねた。

    「ギネス世界記録に挑戦するの!」

    「ギネス世界記録?」

    「私が主催者!」

    「あ、お名前は?」

    「言い忘れてた。小村京子です」

    そこへ、新米刑事の長谷部美咲が鑑識結果を持って入ってきた。

    「先輩。手紙と封筒から指紋は検出されませんでした」

    「封筒も市販品です。ネット通販で購入されていたら追跡は困難です」

    「そうか」

    香川は脅迫状を机に置いた。

    「こんなんで中止してられへんわ」

    京子は即答した。

    「これはギネス事務局の持ち込み企画なんよ。本部から審査員も来るし、飛行機もホテルも全部予約済み」

    「刑事さん、何とかして!」

    「ですが、この脅迫状だけでは警察としても……」

    「安全を考えるなら、中止も検討された方が」

    長谷部が静かに提案した。

    「ほな、あんたら会場に来て」

    「え?警備ですか?それなら担当部署に――」

    「あかん。あんたら二人や」

    「参加者が足りへんのよ」

    「これで一石二鳥!」

    京子は満面の笑みを浮かべた。

    「ビヨ」

    香川の肩の上で、相棒の文鳥・ポワロが呆れたように鳴く。

    「あんたは参加できひんで。鳥さんは無理や無理」

    「ほな、当日よろしく!」

    「えーー!!」

    こうして香川と長谷部は、警備だけでなく、ギネス世界記録にも挑戦することになった。

    →To be continued…
    STAGE 1 手作りダンボール甲冑

     
     

    TEHRU

     
     
    携帯ゲーム機コレクター。ゲームとエッセイが好きです。架空都市・日子根市を舞台にした『手乗り文鳥ポワロの事件簿』などのオリジナル小説を執筆しています。ゲームボーイ風ミステリーアドベンチャーゲーム化を目標に創作活動中。いつか自分の作品をゲームとして完成させるのが夢です。

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