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手乗り文鳥ポワロの事件簿③『ポワロず皿屋敷』【第四章 四枚目】

    バン

    勢いよく扉が開いた。

    「先茩䞉件目です」

    日子根譊察眲捜査䞀課。

    長谷郚が捜査資料を机に叩き぀けた。

    銙川はコヌヒヌを飲む手を止める。

    「今床は久保翔倪さんです」

    「久保」

    「お化け屋敷でアルバむトをしおいた高校生です」

    「堎所は」

    「お菊の井戞の傍です」

    長谷郚は資料を開いた。

    「戞田貎之」

    「平野綟子」

    「そしお久保翔倪」

    「䞉人ずも遺䜓の傍らに皿が眮かれおいたした」

    長谷郚は立ち䞊がるず、ホワむトボヌドに久保翔倪の名前を曞き加えた。

    戞田貎之。

    平野綟子。

    久保翔倪。

    銙川はホワむトボヌドを芋぀める。

    「戞田ず平野には接点がある」

    「オヌディションですね」

    「ああ」

    銙川は頷く。

    「だが久保だけが分からん」

    長谷郚は資料をめくった。

    「久保さんは名波さんの倧ファンだったようです」

    「ほう」

    「スタッフぞの聞き蟌みによるず、よく話をしおいたずか」

    銙川は腕を組む。

    「戞田」

    「平野」

    「久保」

    長谷郚が続ける。

    「党員、お化け屋敷の関係者です」

    「それは分かっおる」

    銙川はコヌヒヌを口に運んだ。

    「だが、それだけで殺されるなら商店街党員死んでる」

    「でも、䞉人を繋ぐ䜕かがあるはずです」

    銙川はホワむトボヌドを芋぀めたたた呟く。

    「そしお、その䞭心にいるのが名波矎玲か  」

    長谷郚は真顔だった。

    「先茩」

    「なんだ」

    「残された可胜性がありたす」

    嫌な予感がした。

    「なんだ」

    「幜霊です」

    「垰れ」

    長谷郚はノヌトパ゜コンを開いた。

    「でも芋おください」

    深倜の商店街。

    人気のない通り。

    しばらく䜕も映らない。

    その瞬間だった。

    癜装束の女が画面を暪切った。

    長い黒髪。

    青癜い顔。

    䞡手には皿を抱えおいる。

    「うわっ」

    銙川が思わず身を匕いた。

    「きゃっ」

    長谷郚が肩を震わせる。

    「先茩驚かさないでくださいよ」

    「いや、驚くだろ」

    長谷郚は真顔だった。

    「私も最初に芋た時は驚きたした」

    銙川は画面を芋぀めたたた呟く。

    「俺、初めお幜霊芋たよ  」

    「私もです」

    長谷郚はポケットから塩を取り出した。

    パラパラパラ。

    「おい、䜕しおる」

    「陀霊です」

    「こらパ゜コンが壊れる壊れる」

    銙川は慌おお長谷郚を止めた。

    画面の䞭の女は音もなく通りを暪切っおいく。

    その姿がフレヌムから消えた。

    しばらく沈黙が流れる。

    銙川は画面を止めた。

    拡倧。

    さらに拡倧。

    「長谷郚」

    「はい」

    「幜霊っおスニヌカヌ履くのか」

    「えっ」

    画面の䞋。

    癜装束の裟からスニヌカヌが芋えおいた。

    「ほんずうだ」

    「人間だ」

    長谷郚は慌おお映像デヌタを確認する。

    「防犯カメラの日付は」

    「八月二十五日です」

    銙川は腕を組んだ。

    「平野が亡くなった日より埌だな」

    「はい」

    「぀たり映っおいるのは平野じゃない」

    長谷郚が頷く。

    銙川は再び映像を芋぀めた。

    癜装束。

    皿。

    そしお、滑るような歩き方。

    「この挔技ができる人物は限られおいる」

    長谷郚が息を呑む。

    「名波ですか  」

    銙川は頷いた。

    「ああ」

    「わざず防犯カメラに映ったんでしょうか」

    銙川は小さく息を吐く。

    「祟りを挔出するためだ」

    銙川は立ち䞊がった。

    「俺は名波に䌚っおくる」

    「䞀人でですか」

    「ただ蚌拠がない。話を聞くだけだ」

    「危険です」

    「お前は資料を掗え」

    「行くぞ」

    ポワロが小さく鳎いた。

    「ピヌ」

    䞀人ず䞀矜は眲を埌にした。

    

    長谷郚は䞀人、資料を芋返しおいた。

    机の䞊にはオヌディション関係の曞類が山積みになっおいる。

    「なんで名波さんじゃなかったんだろ」

    䜕気なく䞀枚を手に取る。

    審査衚だった。

    田䞭教授。

    䞀䜍 名波矎玲。

    志賀倧孊挔劇郚顧問。

    䞀䜍 名波矎玲。

    商店街理事。

    䞀䜍 名波矎玲。

    長谷郚の手が止たる。

    次の玙を開く。

    戞田貎之。

    䞀䜍 平野綟子。

    理由欄には短く䞀蚀だけ曞かれおいた。

    『平野を掚薊する』

    さらに資料をめくる。

    最終集蚈衚。

    総合埗点。

    䞀䜍 名波矎玲。

    二䜍 平野綟子。

    だが採甚者は平野綟子。

    「どうしお  」

    長谷郚は集蚈衚ず審査衚を芋比べた。

    名波が䞀䜍。

    だが遞ばれたのは平野。

    長谷郚の背筋に冷たいものが走った。

    「先茩」

    携垯電話を掎む。

    発信。

    呌び出し音。

    しかし出ない。

    もう䞀床。

    出ない。

    「先茩、もう」

    長谷郚は郚屋を飛び出した。

    しかし、すぐに足を止める。

    「あっ」

    慌おお郚屋ぞ戻る。

    机の䞊の塩の入った小袋を掎んだ。

    「埅っおおください、先茩」

    長谷郚は廊䞋を駆け出した。

    

    その頃。

    銙川は䞀人、お化け屋敷ぞ向かっおいた。

    銀座商店街のアヌケヌドに差しかかった時だった。

    肩の䞊のポワロが突然飛び立った。

    「おい」

    ポワロはアヌケヌドの軒䞋ぞ止たったたた戻っおこない。

    「どうした」

    「チチッ」

    銙川は苊笑した。

    「気たぐれだな」

    そう蚀っお䞀人、お化け屋敷ぞ入っおいった。

    

    営業終了埌のお化け屋敷。

    銙川は奥ぞ進んでいた。

    井戞のセット。

    薄暗い照明。

    奥から皿の觊れ合う音が聞こえる。

    「名波矎玲さんですね」

    闇の䞭から癜装束の女が珟れた。

    「はい」

    銙川は譊察手垳を取り出した。

    「日子根譊察眲の銙川です」

    名波の衚情が僅かに匷匵る。

    「譊察ですか」

    「ああ」

    銙川は譊察手垳をしたった。

    「少し話を聞きたい」

    「䜕の件でしょう」

    「戞田貎之の件だ」

    名波の衚情が倉わった。

    「戞田は事故だったんじゃないか」

    沈黙。

    「だが、その埌戻れなくなった」

    「䜕を蚀っおいるんですか」

    「平野綟子」

    名波の肩が震える。

    「久保翔倪」

    「やめお」

    名波は俯いた。

    「皿屋敷関係者に話を聞いた」

    「  」

    「久保ずは随分芪しかったそうじゃないか」

    「  」

    「あい぀はお前を応揎しおいたらしいな」

    「やめお  」

    「だが久保は違った」

    「久保は誰にも話さなかった」

    銙川の声は静かだった。

    「お前の秘密を知っおしたった」

    名波は目を閉じる。

    「なぜ殺した」

    名波は銖を振った。

    「やめお  」

    「答えろ」

    銙川の声は倉わらない。

    名波は俯いた。

    「戞田は事故だったの  」

    「  」

    「本圓に事故だった」

    涙が床ぞ萜ちた。

    「でも平野さんは違う」

    銙川は黙っお聞いおいた。

    「久保くんも違う」

    「なぜだ」

    名波の肩が震える。

    「だっお  」

    「だっお」

    「二人ずも、い぀か私のこずを話すず思ったから  」

    「だから殺したのか」

    名波は力なく頷いた。

    「違う」

    「違わない」

    「お前は平野ず久保を殺した」

    「久保くんは誰にも蚀わないっお蚀った」

    「それでも信じられなかった」

    「私は  」

    「ずっず  」

    「満たされおないの  」

    次の瞬間だった。

    名波の手が皿を掎んだ。

    ガゎッ

    銙川の芖界が癜く匟けた。

    膝から厩れ萜ちる。

    冷たい床に頬が觊れた。

    名波は荒い息を吐いおいた。

    「違う  」

    「私は悪くない  」

    名波は銙川の足を掎んだ。

    ズル  

    ズル  

    井戞の前たで匕きずっおいく。

    「うう  」

    銙川が呻く。

    「ただ意識あったのね」

    名波は井戞の傍らに眮かれた石蓋を芋る。

    「これで終わり」

    䞡手で持ち䞊げる。

    「䞀枚  」

    「二枚  」

    「䞉枚  」

    「四枚  」

    そしお。

    「あず䞀枚足りない  」

    石蓋を振り䞊げる。

    その瞬間だった。

    バサバサバサ

    癜い圱が飛び掛かる。

    「きゃっ」

    ポワロだった。

    頭に。

    肩に。

    髪に。

    容赊なく攻撃する。

    「離れなさい」

    「なんなの」

    「この鳥」

    その時。

    タタタタタ

    足音が近付いおくる。

    「先茩」

    長谷郚だった。

    名波が振り返る。

    ドゎッ

    長谷郚の飛び蹎りが芋事に決たった。

    名波は吹き飛び、その堎に倒れ蟌む。

    銙川がゆっくり起き䞊がる。

    「長谷郚  」

    「先茩倧䞈倫ですか」

    「ああ  助かった」

    名波は気絶しおいた。

    銙川は長谷郚を芋る。

    「そういえば長谷郚」

    「はい」

    「お前、空手郚だったよな」

    長谷郚は銖を振った。

    「いえ」

    「ん」

    「剣道郚です」

    銙川はしばらく黙った。

    「剣道郚」

    「剣道郚です」

    その暪でポワロが埗意げに鳎いた。

    「ピペッ」

    →To be continued

    EPILOGUE 五枚目

     
     
     

    TEHRU

     
     
    携垯ゲヌム機コレクタヌ。ゲヌムず゚ッセむが奜きです。架空郜垂・日子根垂を舞台にした『手乗り文鳥ポワロの事件簿』などのオリゞナル小説を執筆しおいたす。ゲヌムボヌむ颚ミステリヌアドベンチャヌゲヌム化を目暙に創䜜掻動䞭。い぀か自分の䜜品をゲヌムずしお完成させるのが倢です。

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