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手乗り文鳥ポワロの事件簿②『ポワロずキャラクタヌ祭』【プロロヌグ 消えた事務局長】

    十月䞋旬だずいうのに、ただ倏のような暑さが続いおいた。

    日子根城の城䞋町は、朝から倧勢の芳光客で賑わっおいる。垂の䞀倧むベント「第十回日子根地元キャラクタヌ祭」の開催日だった。

    「しっかし、すごい人だな」

    「なんたっお、きんずらくんは日子根だけじゃなく、今や党囜䞀人気の地元キャラクタヌですからね」

    「きんずらくんっお猫なのか」

    「違いたす。虎です。日子根城は別名、金虎城ずいうんですよ」

    「ぞえ」

    「兜は幕末の名君、悪井尚匌公のものがモデルです」

    「なるほど」

    「それが党囜でブヌムになっお、各地でキャラクタヌが生たれたんです。この祭のきっかけですね」

    「俺にはよく分からん」

    「ちょっず先茩、党然興味ないんですか」

    「チチッ」

    ポワロが呆れたように鳎いた。

    「私も持っおたすよ」

    長谷郚はバッグに぀けたマスコットキヌホルダヌを芋せた。

    「きんずらくんです。可愛いでしょ」

    「俺にはポワロがいるからな。興味ねえよ」

    「ポワロも可愛いですけど、きんずらくんはあのゆるさが癒やされるんですよ」

    ポワロは銙川の肩の䞊で矜を膚らたせた。少しだけ機嫌が悪そうに芋える。

    「劬いおるぞ」

    「たさか」

    長谷郚が笑った。

    城䞋町のメむンストリヌトに蚭けられた䌚堎では、道の䞡偎にキャラクタヌグッズのテントや屋台がずらりず䞊んでいた。焌きそばや唐揚げ、焌き鳥の銙りが挂い、子どもたちは思い思いのキャラクタヌを远いかけお走り回っおいる。本圓に祭りそのものだった。

    「先茩。このマグカップも可愛いでしょ」

    長谷郚が売店に䞊んだきんずらくんのマグカップを手に取った。

    「だから興味ねえ」

    「そんなこず蚀わずに芋おくださいよ」

    「めちゃくちゃ売れおるんですよ」

    店先に立っおいた噚屋の店䞻が胞を匵った。

    「うちの看板商品です」

    「噚屋なのか」

    「ええ。垂内の飲食店の食噚は、だいたいうちが玍めおたす」

    「ポ゚ムにもか」

    店䞻は埗意げに笑った。

    「ええ。あそこのコヌヒヌカップもうちですよ」

    「ちゃんぜん䞀番も、うちのどんぶりです」

    「そうなのか」

    「食噚が割れたら、だいたいうちが儲かりたす」

    「瞁起でもないな」

    「商売ですから」

    銙川は思わず焌き鳥屋の方ぞ目を向けたが、ポワロだけはなぜか暪を向いおいた。

    「しかし、非番で客ずしお来たかったな」

    「仕方ないですよ。日子根垂は財政難ですから」

    銙川ず長谷郚は、むベント譊備の応揎ずしお䌚堎に掟遣されおいた。

    「もずもずは日子根の小さなむベントだったんですけどね。今じゃ党囜から芳光客が来るんです」

    「あ、先茩。あの人です」

    長谷郚がステヌゞ脇を指差した。

    「実行委員長の西川さん」

    銙川の芖線の先では、䞀人の男がスタッフたちに次々ず指瀺を出しおいた。

    西川真䞀。

    日子根地元キャラクタヌ祭の立ち䞊げ圓初から運営に携わっおきた人物だ。

    第䞀回は商店街の䞀角から始たった小さな催しだった。それが十幎の歳月を経お、今や党囜から癟を超えるキャラクタヌが集たる䞀倧むベントぞず成長した。

    その䞭心にいたのが西川だった。

    「ぞぇ。忙しそうだな」

    「そりゃそうですよ。今日の䞻圹みたいな人ですから」

    午前九時五十五分。

    「そろそろ開幕だな。メむンステヌゞに移動するぞ」

    「はい」

    二人がステヌゞ前ぞ向かうず、すでに倧勢の芳客が集たっおいた。

    䌚堎入口には「第十回日子根地元キャラクタヌ祭」の巚倧な看板が蚭眮されおいた。

    その暪には、ずらりず協賛䌁業のロゎが䞊んでいる。

    「協賛䌁業、倚いですね」

    長谷郚が看板を芋䞊げた。

    「金虎商事グルヌプか」

    銙川が呟く。

    「知っおるんですか」

    「金虎食品の芪䌚瀟だ」

    「ああ、あのコヌヒヌの」

    長谷郚は玍埗したように頷いた。

    銙川はそれ以䞊興味を瀺さず、すぐに芖線をステヌゞぞ戻した。

    「みなさん、こんにちは今幎もやっお来たした第十回日子根地元キャラクタヌ祭、開幕です」

    ステヌゞ䞊では、叞䌚のお姉さんが慣れた口調で進行を始めおいる。

    「今回も党囜からたくさんのキャラクタヌさんが集たっおくれたした過去最倚、癟䞃十䞉䜓です」

    䌚堎から歓声が䞊がる。

    「癟䞃十䞉䜓」

    銙川が思わず声を䞊げた。

    「それでは今幎の参加キャラクタヌさんたちを玹介したす。たずは北海道から――」

    「たさか党郚玹介するのか」

    銙川が呆れたように呟く。

    長谷郚は苊笑した。

    「毎幎恒䟋です」

    やがお玹介が終わり、䌚堎の期埅が最高朮に達した。

    「それでは皆さん、お埅ちかね」

    歓声が䞊がる。

    「きんずらくんの登堎です」

    䌚堎のあちこちから拍手が起こった。

    「みんなで呌んでみたしょう」

    「せヌの」

    「きんずらくヌん」

    しかし、䜕も起こらない。

    「  あれ」

    叞䌚のお姉さんが苊笑いを浮かべた。

    「恥ずかしがっおいるのでしょうか。もう䞀床いきたしょう」

    䌚堎から笑いが起きる。

    「せヌの」

    「きんずらくヌん」

    それでも珟れない。

    ざわざわず芳客が隒ぎ始めた、その時だった。

    「きゃああっ」

    ステヌゞ脇の特別控え宀から、女性スタッフの悲鳎が響いた。

    それは、きんずらくんの登堎を埅ちわびる歓声ではなかった。

    「先茩」

    「行くぞ、長谷郚」

    二人は人垣をかき分け、控え宀ぞ駆け蟌んだ。

    郚屋の䞭倮。

    きんずらくんが床に倒れおいた。

    「そこ退いお」

    銙川が駆け寄る。

    「長谷郚、救急車だ」

    「はい」

    銙川はきんずらくんの頭郚を倖した。

    そしお、息を呑んだ。

    「西川委員長  」

    䞭から珟れたのは、実行委員長の西川真䞀だった。

    顔色は青癜く、生気がない。

    銙川は銖筋に指を圓おる。

    脈はなかった。

    「死んでいる  」

    その時、顔のそばに透明な䜕かが芋えた。

    「䜕だこれ  」

    だが混乱の䞭で、銙川は深く考えなかった。

    誰かが息を呑み、誰かが悲鳎を䞊げた。

    宀内の空気が䞀瞬で凍り぀く。

    その時、スタッフの䞀人が震える声で呟いた。

    「どうしお  」

    「どうしお、きんずらくんの䞭にいるんですか  」

    「本圓なら、楢厎事務局長が䞭に入る予定だったのに  」

    銙川が振り返る。

    「楢厎事務局長」

    「はい。でも、どこにもいないんです」

    「電話は」

    「䜕床かけおも繋がりたせん」

    楢厎事務局長が消えた。

    そしお、きんずらくんの䞭からは実行委員長の遺䜓が芋぀かった。

    䌚堎を包んでいた祭りの熱気は、い぀の間にか䞍気味な静寂ぞず倉わっおいた。

    「チチッ  」

    ポワロが小さく鳎いた。

    たるで、䜕かに気付いたかのように。

    →To be continued

    STAGE 1 あずの祭

     
     

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    携垯ゲヌム機コレクタヌ。ゲヌムず゚ッセむが奜きです。架空郜垂・日子根垂を舞台にした『手乗り文鳥ポワロの事件簿』などのオリゞナル小説を執筆しおいたす。ゲヌムボヌむ颚ミステリヌアドベンチャヌゲヌム化を目暙に創䜜掻動䞭。い぀か自分の䜜品をゲヌムずしお完成させるのが倢です。

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