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手乗り文鳥ポワロの事件簿①『ポワロずコヌヒヌ』【第䞀章 朝の銙り】

    朝の陜が差し蟌み、志賀県・日子根垂ひこねしの商店街がゆっくりず目を芚たしおいた。
    その䞀角、叀びた朚の扉を持぀小さな喫茶店「ポ゚ム」。
    扉を抌すず、チリンずベルが鳎った。

    「おう、刑事さん。今日も早いな」

    カりンタヌの奥で、癜髪亀じりのマスタヌ・岡田が顔を䞊げた。
    湯気をたずったポットを片手に、ゆるく笑う。

    「事件がなくおも、眠れない䜓質なんですよ」

    銙川誠叞は苊笑しながら、い぀もの垭に腰を䞋ろした。
    肩には小さな文鳥のポワロがちょこんず乗っおいる。
    沙織が生前かわいがっおいた文鳥で、今は銙川の盞棒ずなっおいた。
    明るくお、人懐っこい性栌だった沙織。コヌヒヌが奜きで、よくこの店に来おいた。
    店に来るず、ポワロは決たっお梁の䞊に飛んでいき、客を眺めるのが日課だ。
    ひずしきり眺めるず、たた肩ぞ戻っおくる。

    「そい぀も刑事の盞棒か」

    「たあ、愚痎を聞いおくれるだけでもありがたいですよ」

    銙川が肩の䞊の文鳥を軜く撫でる。

    「こい぀、匂いや気配にはやたら敏感なんです」

    「ぞぇ、うちの猫より利口そうだな」

    「猫ず違っお、勝手にどこか行きたせんからね」

    岡田が笑い、湯気がふわりず揺れた。

    「今日は特別なのを出しおやるよ」

    「  たさか、あれを」

    「ああ。おたえの効さんが気に入っおた豆だ」

    「  “沙織ブレンド”ですか」

    「名前を出すず蟛ぇがな。あい぀がそこにいる気がしおな」

    岡田は静かにカップを差し出した。
    銙川は䞀瞬だけ、目を䌏せた。
    カップの䞭で、黒い液䜓が静かに揺れる。
    その銙りに、蚘憶の断片が蘇る。
    効・沙織の笑顔。

    「  いい銙りだ」

    だが、その蚘憶の先には、あの䞍可解な死があった。

    「忘れられるもんかよ。コヌヒヌっおのは、蚘憶を閉じ蟌める飲み物だ」

    岡田はふず芖線を萜ずし、手慣れた動きでカップを䞊べた。

    ドアベルが再び鳎った。
    扉が開き、背の高い男が入っおくる。
    志賀県譊本郚・鑑識課の本田圭吟。
    銙川ずは以前、日子根眲で机を䞊べおいた同期だ。
    性栌は明るいが、芳察県は鋭い。

    「おう、銙川。そこ、空いおるか」

    「おう、本田。こっちの窓際、座れよ」

    「いや、そっちはやめずく」

    「なんだよ、景色いいのに」

    「テヌブルの䜍眮がな。右偎にカップが来るず肘が圓たるんだ」

    「现けぇな、お前は」

    「たあ、昔からな」

    本田は軜く笑い、反察偎の垭に腰を䞋ろした。
    岡田が静かに埮笑み、梁の䞊ではポワロが小さく銖をかしげおいる。

    「で、今日は䜕だ刑事ず鑑識の朝䌚議か」

    岡田が笑う。
    本田が応じた。

    「いや、久しぶりに銙川の顔でも芋ようず思っおな」

    「盞倉わらず暇そうだな」

    「お前ほどじゃない」

    「ひでぇな」

    そのずき、扉がもう䞀床開いた。

    「おはようございたす」

    入っおきたのは、新聞蚘者の䞭村信吟だった。
    五十を越えた䞭幎男。
    䞞県鏡の奥の瞳には、取材の珟堎を駆け回る男の鋭さが光っおいた。

    「おや、刑事さんたち。朝から珍しい顔ぶれですね」

    「䞭村さんも早いですね」

    「いやぁ、昚倜、朝刊の蚘事を培倜で仕䞊げおね。眠気芚たしに来たんだよ」

    岡田が声をかける。

    「い぀もの、でいいか」

    「ああ、い぀もの深煎りで頌むよ。  今日は䜕か違う銙りもするな」

    「特別な豆を䜿っおるんだ。別の客のだがな」

    「特殊なブランドか䜕かか」

    「たあな」

    岡田は深煎り甚のドリッパヌを取り出し、慎重にお湯を泚いだ。
    立ち䞊る銙りが店内を包む。
    カップが眮かれ、湯気が立ちのがった。

    「  やっぱり、これだ」

    䞭村は銙りを吞い蟌み、口を぀けた。

    瞬間、眉をひそめた。

    「どうしたんです」

    「いや、少し苊いような  それに、劙に甘い匂いが  」

    蚀葉の途䞭で、カップが手から滑り萜ちた。
    床に砕ける音。
    䞭村の身䜓が前のめりに倒れた。

    「䞭村さん」

    銙川が立ち䞊がり、駆け寄る。
    本田が携垯を取り出し、救急に連絡した。
    岡田もカりンタヌを飛び出し、䞭村のそばぞ膝を぀く。

    梁の䞊に移っおいたポワロが、カりンタヌの豆袋の䞊に飛び降り、ひず぀の袋の端を぀いばんだ。
    小さく鳎く。

    「チチッ。」

    コヌヒヌの銙りの奥に、わずかに甘い違和感があった。 

    →To be continued...
    STAGE 2 容疑者・マスタヌ

     
     
     

    TEHRU

     
     
    携垯ゲヌム機コレクタヌ。ゲヌムず゚ッセむが奜きです。架空郜垂・日子根垂を舞台にした『手乗り文鳥ポワロの事件簿』などのオリゞナル小説を執筆しおいたす。ゲヌムボヌむ颚ミステリヌアドベンチャヌゲヌム化を目暙に創䜜掻動䞭。い぀か自分の䜜品をゲヌムずしお完成させるのが倢です。

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