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ミステリー小説『誤認逮捕状』プロローグ

     その時、脳裏には確かに浮かんでいたのだ。
     いつも通り、煌々と光るナイターの灯りが。
     
     急いで自宅に戻ると、入念に手を洗ってからアパートの前で待機した。
     全速力で走ったため、胸が焼けるように苦しい。
     姿を現した救急車に向かって、必死に合図を出した。
    「あなたが通報者ですか?」
    「そうです」
    「乗ってください」
     初めて乗る救急車。
     それも前の座席だ。
     通報現場までのルートを運転手に指示すると、五分も経たずに到着した。
     後部キャビンに乗っていた救命士が飛び出し、すぐに横たわっている男の状態を確認する。他の隊員が手際よくストレッチャーを下ろし、搬送準備を整えた。
    「あなたも、後部キャビンに乗ってください」
     男の状態を聞きたかったが、あまりの緊迫感に切り出せない。
     夜の静寂を、サイレン音が切り裂いた。
     赤信号を通過する注意喚起の声を何度か耳にするうちに、間もなく到着という無線のやり取りが聞こえた。
     男が救命病棟に運び込まれると、間もなく警察が到着するから帰宅しないようにと、看護師から釘を刺された。
    「状況説明なら、救急車の中でしましたけど」
    「警察にもお願いします。同じ内容で結構ですので」
     
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    第一章 一 へ続く


     
     
     
    米国デトロイト在住の経営者。3Trees株式会社(スポーツビジネス)取締役。米国プロスポーツ界を独自視点で解説。INSEAD&清華大学EMBA。ノースウェスタン大学「Sports Marketing」修了。日英中の話者。元サッカーブログ総PV1.5億回。出版著作2冊。

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