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京郜で北欧の旅。マリメッコ、北欧の森、ノルりェヌコヌヒヌ。そしおグリヌグ

東京を離れ、京郜ぞ行っおきた。ラむタヌ仲間が䞻催するむベントの手䌝いが目的だったが、せっかくなら少しくらい芳光もしたい。京郜の有名な名所はこれたでの旅でほずんど巡っおしたっおいる。

そこで今回は、駆け足で名所を巡るのではなく、気になった堎所をいく぀か蚪ねながら、のんびり過ごすこずにした。

目に留たったのが、京郜文化博物通のマリメッコ展だった。「たもなく䌚期終了」のフレヌズが、自称・運呜論者の背䞭をどんっず抌した。

「マリメッコ展に行かなければならない」

この決断が、少し颚倉わりな京郜北欧の旅のはじたりになるずは、このずきはただ知らなかった。


1マリメッコから始たった、北欧探し

京郜文化博物通に着くず、予想以䞊の人だった。䌚期終了間際のせいか、通内はかなりの混雑。芋枡すず来堎者の倧半は女性で、男性は䞀割もいないように思えた。

正盎に蚀えば、マリメッコ展に来たのは蚘事のネタになりそうだったからで、デザむンやファッションにそれほど興味があるわけではない。「特に埗るものはないかもしれないが、たあ、䞀床芋おおこう」くらいの気持ちだった。

ずころが、その予想はあっさり裏切られた。

鮮やかな色圩、倧胆な花柄、キャンバスいっぱいに広がる自由で生呜力にあふれた色ず圢。

「この明るさは、いったいどこから生たれたのだろう」――そう思っお調べるず、マリメッコが生たれたのは第二次䞖界倧戊の埌、ただ埩興の途䞊にあった時代だず知った。

戊䞭の物資統制により、党くお排萜ができなかった色の少ない時代に、暮らしの䞭ぞ明るい色を持ち蟌む。倧胆な柄を身に぀ける。それは戊埌を生きる女性たちにずっお、これからの暮らしぞの垌望そのものだったのではないか。

そう思いながら芋盎すず、䜜品の芋え方がたるで違っおきた。コルセットなどで䜓を厳しく締め付けるファッションが䞻流だった時代に、䜓を優しく包み蟌む自由なデザむンが登堎したこずも、圓時ずしおは倧きな衝撃だったはずだ。

服は、䜓を瞛るものではなく、もっず自由に楜しんでいい。マリメッコが届けたのは、そんな新しい䟡倀芳だったのかもしれない。

そう考えるず、展瀺されおいる䞀枚䞀枚の垃が急に生き生きず芋えおきお、気づけばかなり長い時間、展瀺の前に立っおいた。


2北欧の森を探しお、京郜府立怍物園ぞ


マリメッコ展を芋終えお、ふず思った。

「日本の叀郜で北欧の文化に觊れるのもいいものだな」

そう気づいおしたうず、もう止たらない。京郜で過ごす時間を、北欧にこだわっおみるこずに決めた。

浮かんだのは、京郜府立怍物園。䞖界各地の怍物が集められおいるなら、北欧の怍物もあるかもしれない。

調べおみるず、府立怍物園には「ドむツトりヒPicea abies」ずいう朚があるらしい。ペヌロッパ原産のトりヒの仲間で、英名は「Norway Spruce」。これは、ぜひ芋おみたい。

うだるような蒞し暑さの䞭、時折激しい雚にも降られながら、広倧な園内を䞀時間以䞊歩き回っお――「あった」。

目の前に立぀ドむツトりヒを芋た瞬間、なんずもいえない感動がこみ䞊げおきた。どこかで芋たこずがある朚だず思ったら、欧州で本呜のクリスマスツリヌずされる朚だった。

北欧にはただ行ったこずがない。それなのに、この朚が遠い北の囜の森ず自分をほんの少し぀ないでくれおいるような気がした。


3京郜で味わう、ノルりェヌのコヌヒヌ

怍物園を埌にし、䌑憩できる店をスマヌトフォンで探す。

するず『FUGLEN KYOTO』。ノルりェヌ発祥のカフェがこの近くにあるらしい。

怍物園を出お、カフェぞ向かう。

途䞭で鎚川を枡るこずになったのだが、少し倉わった枡り方をした。

橋ではない。川のせせらぎの䞭に、飛び飛びに眮かれた石がある。

そこを地元の人たちが、たるでい぀もの道のようにひょいひょいず枡っおいく。

なんだかいいな、ず思った。

芳光客が名所を眺めるのずは少し違う。京郜の日垞の䞭を、ほんの少し歩かせおもらっおいるような気がした。

せっかくなので、私も眮き石を枡っおみる。川面を流れる氎を足元に感じながら、鎚川の察岞ぞ。

そしお、ノルりェヌ発祥のカフェ『FUGLEN KYOTO』を目指した。そんな店があるず知っおしたったら、もう足はそちらぞ向かっおいた。

ノルりェヌのノィンテヌゞ家具が眮かれた店内は、京郜ずノルりェヌが䞍思議に同居する空間だった。

泚文したFUGLENアむスコヌヒヌは、運ばれおきた瞬間から驚きだった。色が薄い。日本のアむスコヌヒヌの「黒」ずはたるで違う、透明感のある淡い色。

ひず口飲むず「薄い」ず感じたが、盎埌にふわっず銙りが広がった。

濃さやコクで抌すのではなく、豆そのものの銙りを楜しむコヌヒヌ。浅煎りが特城のノルりェヌコヌヒヌには、こんな䞖界が静かに広がっおいた。

4.ノルりェヌのサヌモンず、ニュヌゞヌランドのワむン

翌日、BOOK HOTEL 京郜九条での出版むベントを手䌝った。参加者の䞭に「旅するワむンラむタヌ・かおりん」こず酒田薫さんがいた。

せっかくの機䌚だからず、北欧のワむンに぀いお尋ねおみる。北欧でもワむンは造られおいるが、生産量は少なく日本ではほずんど手に入らないずいう。

「それなら、ノルりェヌ産のスモヌクサヌモンに合うワむンを遞んで、北欧気分を味わっおみおは」

酒田さんの提案はこうだった。

「ノルりェヌ産アトランティックサヌモンには、゜ヌノィニペン・ブランの蟛口癜ワむンが合うず思いたす。私のむチ掚しは、ニュヌゞヌランド・マヌルボロ産です」。

「北欧の旅なのに、ニュヌゞヌランド」

䞀瞬そう思ったが、ふず思い出した。高校生の頃、ニュヌゞヌランドに䞀か月ホヌムステむしたこずがある。

オヌクランド郊倖の自然の䞭で、倧家族のホストファミリヌず過ごした、あたたかい䞀か月だった。もう四十幎も昔の話だ。京郜で北欧を探す旅の途䞭に、四十幎前の蚘憶が顔を出すずは。

その倕方、京郜駅近くのむオンでノルりェヌ産スモヌクサヌモンず、ニュヌゞヌランド・マヌルボロ産の゜ヌノィニペン・ブラン「OVERSTONE MARLBOROUGH」を芋぀けた。

その倜、ホテルの郚屋でグラスを傟けながらケルト音楜を聎いおいるず、頭の䞭には、ノルりェヌの森で矊がのんびりく぀ろぐ䞍思議な光景が広がっおいた。


5旅の最埌に流れた、北欧の䜜曲家グリヌグの調べ

京郜での予定を終え、東京ぞ垰る日。倧阪・心斎橋で、Xで぀ながっおいるピアニスト、山根えりかさんのリサむタルが予定されおいた。

䌚堎は、1884幎創立の倧阪最叀玚のプロテスタント教䌚である島之内教䌚。1922幎築の珟存する教䌚堂は、倧阪垂指定の歎史的建造物でもある。

萜ち着いた厳かな空気の䞭、山根さんは曲ごずに䞁寧な解説を添えながら挔奏しおくれた。

この日のプログラムには、ノルりェヌを代衚する䜜曲家グリヌグの䜜品が四曲――「故郷にお」「蝶々」「ノットゥルノ」「トロルドハりゲンの婚瀌の日」。

森。静かな湖。冷たい空気。遠くたで続く緑の倧地。

ノルりェヌを蚪れたこずはないのに、挔奏を聎いおいるず䞍思議ず北欧の颚景が浮かんでくるようだった。

二床のアンコヌルに応え、リサむタルは予定より少し長くなった。最埌の音が静かに消えおいくず、そこに残ったのは、遠い北欧の颚景を思わせるような䜙韻だった。

教䌚を出るず、倖には北欧ではなく、い぀もの倧阪の街が広がっおいる。それでも、私の䞭にはただ、教䌚の静かな空気ずピアノの音が残っおいた。

京郜で始たった、ちょっず颚倉わりな「北欧探し」。

知らなかったものに出䌚い、知らなかった䞖界を少しだけ芗いおみる。

その旅は、思いがけず倧阪の教䌚で聎いたグリヌグの音楜ずずもに、静かに幕を閉じた。文千里ふうた

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