第七花|勿忘草 序章
蒼旗の剣姫・セレスト=アルフィーネ
──旗は、帰る場所を示すために掲げられる。
春の終わり。
戦火の傷が残る野に、
小さな蒼い花が咲く。
勿忘草。

踏み荒らされた大地の片隅で、
風に揺れるほど小さく、
それでも、
鮮やかな蒼を失わない花。
その花には、
「私を忘れないで」
という言葉が託されている。
幾つもの国が争い、
城塞と軍旗が大地を埋める世界。
そこに、
蒼い旗を掲げる一人の女騎士がいる。
銀の髪。
蒼く澄んだ瞳。
白と蒼の軍装。
そして、
その手には一本の剣。
だが、その剣は、
敵を斬るためだけのものではない。
彼女が剣を掲げれば、
散りかけた兵たちが蒼旗を見る。
まだ帰れる。
まだ戦える。
そう信じるように、
兵たちは再び立ち上がる。
彼女の一振りが、
兵を進ませる。
彼女の決断が、
多くの命の行方を変える。
だからこそ――
戦場に、
正しい答えなどない。
一つを守れば、
別の何かを失う。
誰かを救うための命令が、
別の誰かを死地へ送ることもある。
それでも彼女は、
選ぶことから逃げない。
生きて帰る者のために。
そして、
帰らなかった者の名を、
忘れないために。
彼女が覚えている名は、
一つや二つではない。
それでも蒼旗を降ろさない。
人は彼女を――
蒼旗の剣姫。
セレスト=アルフィーネ。
勝利とは、
誰も失わないことではない。
失った命を背負いながら、
それでも生きる者を、
未来へ帰すこと。
そのために今日も、
彼女は蒼い旗を掲げるのだから。

💠 セレスト Character Theme
『RAISE THE BLUE FLAG』
〜Memorial Ver.〜

第七花|勿忘草 第一譚・前編
『その命令の先に』
戦場で、
すべてを救える命令など存在しない。
守るべき城。
退路を失った兵士たち。
そして、
異なる旗の下で戦うもう一人の指揮官。
何を守り、
誰を戦場へ送り出すのか。
蒼旗の剣姫に、
その決断の時が迫る。

🔻『第七花・セレスト』蒼旗戦記はこちら


