
【小説】夜中の梱包
閉店後のスーパー。
客がいない店内に、ガシャンガシャンという機械音が響く。
バックヤードで作業する影が一つ。
機械に向かって、ダンボールに何かを詰めている。
ガシャン、ガシャン
「あー、くそー、なんでだよー、終わんねーよ」
男は結束バンド機に箱を突っ込み、梱包を完成させていく。
「あー、めんどくせー」
人を殺すのは簡単だ。躊躇なく凶器を振り下ろせばいい。
面倒なのは、その後だ。
後の人生を捨てるつもりなら、そこに留まればいいが、そうじゃないなら、どうにかしなきゃなんない。
人間社会で生きるならだ。
ただし、凶器を振り下ろした時点で、もうそいつは人じゃない。
鬼なんて言ったら、鬼に失礼だ。
名前なんかない。
「はいや、はいや」
真っ赤に熟れたトマトのような腕や足。
「店先に並んだらさぞやキレイだろうな」
もはや
”人でなし”だ。
だが、意外と人肉は売れるのだ。
梱包された箱は翌日、全国各地のお宅へ配送された。