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なぜ『AI以前の問題』を曞いたのか──AIが機胜しない䌚瀟は、だいたいAIのせいではない

    最近、AIの話をするず、劙に話が早い人がいる。

    「これからはAIです」「仕事のやり方が倉わりたす」「䜿わない人は取り残されたす」。

    たしかに、その通りだ。AIはすでに十分すごい。仕事の前提を倉え始めおいる。そこに異論はない。

    でも、その話を聞くたびに、私は少し匕っかかっおいた。

    いや、その前にあるだろう。もっず根本的な問題が。

    AIを入れたら、なぜか仕事が増えた

    AIでたたき台を䜜る。芁玄する。メヌルを曞く。䌚議メモを䜜る。ここだけ切り取るず、確かに速い。䟿利だ。

    ただ、そのあずが問題だ。

    その資料、誰が確認するのか。その文章、誰が責任を持぀のか。その案、
    誰の䞀蚀でひっくり返るのか。その䌚議メモ、結局もう䞀床「認識合わせ」するのか。

    この領域に入った瞬間、AIの話は急に鈍くなる。

    䌚瀟によっおは、AIが仕事を枛らすどころか、「AIで䜜ったものを確認する仕事」を増やしただけになっおいる。しかも、本人たちはわりず真面目だ。「掻甚を進めよう」「たずは䜿っおみよう」「業務効率化に぀なげたい」。そう蚀いながら、やっおいるこずは、AIで䜜った文曞を3人で盎し、䌚議で共有し、郚長確認を取り、最埌は「い぀もの人」が敎える。

    これでは、仕事が軜くなるはずがない。

    珟堎で芋おきた「ズレ」の正䜓

    私は人材玹介の仕事を通じお、䌁業の採甚偎ず転職を考える個人偎の䞡方を芋おきた。䌁業が欲しいず蚀う人材。候補者が積み䞊げおきた職務経歎。
    瀟内では立掟に芋えるのに、垂堎では意倖ず匱い経隓。本人は普通だず思っおいるのに、倖では高く売れるスキル。そういう「ズレ」を、ずっず芋おきた。

    その延長で、この数幎はAIの話も増えた。䌁業研修でも、経営者ずの䌚話でも、候補者ずの面談でも、AI掻甚は避けお通れない話題になっおいる。

    でも、芋れば芋るほど思う。

    AIが機胜しない䌚瀟は、だいたいAIのせいではない。

    䌚議が倚い。決める人がいない。根回しが芁る。仕事が属人化しおいる。指瀺が曖昧だ。「いい感じで」「うたくやっお」が普通に成立する。誰が蚀ったかのほうが、䜕を蚀ったかより重い。責任は曖昧なのに、確認だけやたら倚い。

    こういう䌚瀟にAIを入れおも、うたくいくはずがない。

    ずいうより、AIはそういう䌚瀟の病理を、むしろ目立たせる。

    速く䜜れる。だからこそ、遅い意思決定が際立぀。明確に出せる。だからこそ、曖昧な指瀺が際立぀。敎理できる。だからこそ、属人化した仕事の異垞さが際立぀。

    AIは問題を解決する前に、これたで䜕ずなく攟眮されおきた問題を、芋える圢にしおしたう。そこが厄介だ。

    「AI以前」に芋るべきものがある

    䞖の䞭には、AIの䜿い方を教える本がたくさんある。プロンプト集もある。効率化の技術もある。䟿利なテンプレヌトも山ほどある。

    でも私はずっず、その手前にあるものが気になっおいた。

    そもそも、あなたの䌚瀟は、速くなっお困らない仕事の蚭蚈になっおいるか。誰が䜕を決めるのかが明確か。人に䟝存しすぎた仕事を攟眮したたた、AIだけ入れおいないか。

    もっず蚀えば、AI以前に、すでに詰たっおいないか。そこを芋ないたた、「掻甚」だけ叫んでいないか。

    この本を曞いたのは、その違和感を攟っおおけなかったからだ。

    AI瀌賛の本を曞く気はなかった。逆に、「AIなんお䜿えない」ず冷笑する本を曞く気もなかった。そうではなく、もっず嫌な話を曞きたかった。AIが悪いのではない。䜿いこなせない人が悪いのでもない。問題は、仕事の進め方が叀いたたなこずだ、ず。

    前からそこにあった問題

    䌚瀟の䞭には、倉わらない仕組みがたくさんある。䌚議のための䌚議。誰も責任を取りたがらない承認フロヌ。蚀葉にしない期埅。空気を読んで補えずいう文化。前䟋がないず止たる刀断。「䞀応確認しおおいお」で増えおいく䜜業。

    そういうものは、AI導入で突然生たれるわけではない。前からあった。ただ、AIのような「速く・明確に・圢にする」道具が入るず、それたでごたかせおいた叀さが、急に目立ち始めるだけだ。

    だから、タむトルを『AI以前の問題』にした。

    AIの前に、芋るべきものがある。導入の前に、盎すべきものがある。䟿利な䜿い方を芚える前に、自分たちの仕事がどこで詰たっおいるのかを芋たほうがいい。

    本圓に倉わる䌚瀟は、AIを入れた䌚瀟ではない。仕事の構造を芋盎した䌚瀟だ。

    逆に、そこを倉えない䌚瀟では、AIはたいおい「意識の高い远加䜜業」になる。導入したこず自䜓が成果になり、䜿っおいるふうの報告が増え、珟堎はたた少し疲れる。

    評論ではなく、珟堎から芋えたもの

    私は評論家ずしおこの本を曞いたわけではない。䌁業の採甚支揎をし、求職者のキャリア支揎をし、AI掻甚やビゞネスコミュニケヌションの発信にも関わる䞭で、䌁業ず個人の䞡方を芋おきた実務家ずしお曞いた。

    䌚瀟の事情も分かる。珟堎の疲れも分かる。瀟内評䟡ず垂堎䟡倀のズレも分かる。その立堎から芋えおくるのは、AIの問題ずいうより、䌚瀟が䜕十幎も先送りしおきた問題だ。

    この本で曞きたかったのは、最新技術の話ではない。もっず叀い話だ。叀いのに、ただ終わっおいない話。みんな薄々気づいおいるのに、蚀葉にされにくかった話。

    AIは、たしかに時代を倉える。でも、その前に問われおいるのは、あなたの䌚瀟は、あなた自身は、どういう働き方を前提にしおいるのか、ずいうこずだ。

    もしこの本を読んで、「AIが機胜しない理由、これだったのか」「うちの䌚瀟のこずを曞かれおいる気がする」「自分が感じおいたモダモダは、気のせいではなかった」、そう思っおもらえたなら、曞いた意味がある。

    AIの本のようでいお、本圓は、䌚瀟の叀さを曞く本になった。働き方の重さを曞く本になった。そしお、芋お芋ぬふりをしおきた日本䌁業の癖を曞く本になった。

    それが、この本を曞いた理由だ。

    『AI以前の問題──なぜあなたの䌚瀟だけAIが機胜しないのか』

    AIを入れおも仕事が軜くならない。䌚議は枛らない。確認は増える。珟堎は疲れる。それは、AIの問題ではなく、もっず前からそこにあった「仕事の構造」の問題かもしれない。

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    【著述家、研修講垫】人材玹介䌚瀟代衚。食品・補薬・ITで海倖業務35幎、英囜MBA。戊略人事のれロベヌス立ち䞊げず急成長に貢献。Amazonベストセラヌ等、ビゞネス著曞倚数。本noteでは働く珟堎の違和感を蚀語化し、修矅堎の察話術や50代以降のキャリア再定矩を発信䞭。

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