
「AIでマーケティング自動化できる」動画を見漁って気づいた、本当のAI活用の話
タカラ塗料の大野です。
今回はネットショップを数店舗もってる塗料屋の社長がAIでのマーケティングはどうなん?って話です。
最近、Claude Codeをよく触っていまして、わからないことはYouTubeで動画を調べて勉強しています。そうやって動画を見漁っているうちに、「あれ、ちょっと違うな」と感じることが増えてきました。今回はそれを正直に書こうと思います。
YouTubeのAI動画、どこか既視感ありませんか?
Claude Codeの動画を探すと、こんな内容のものがたくさん出てきます。
「こんなことができる!初心者向け使い方」
「複数エージェントを立ち上げてマーケティングを自動化」
「ランディングページが一瞬で完成」
「プレゼン資料を自動生成」
見ていると確かにすごそうなんです。でも見続けるうちに気づいてきました。どこかで見た内容ばかりなんですよね。話す人が変わっても、内容がほぼ同じ。
おそらく、YouTubeの動画自体もAIに台本を書かせているんじゃないかなと思うようになりました。「どんな動画を出したら伸びそう?」とAIにリサーチさせて、台本を書かせて、そのまま喋る。だからどれも似たような内容になる。
実務で使ってみると、正直こんな感じ
実際に試してみると、文章書かせてもマーケティングさせても仕上がりは6〜8割くらいという感触です。
ランディングページは「下書きとしては良い」けど、そのまま出せるかというと微妙。プレゼン資料は「それっぽい」けど、人の心を動かすものかというと別の話。エージェントを組んで自動化しても、精度が7割程度では実務には使いにくい。
AIが得意なのは「インターネット上に散らばっている情報を(それっぽく)整理すること」だと思います。でも、本当に商売で使えるマーケティングの情報って、ネット上にあまり出ていないんですよね。
高島屋の重鎮おじいちゃんに勝てない話
タカラ塗料の京都高島屋店に週1回、昔そこの重鎮だったというおじいちゃんが来てくれているんです。
このおじいちゃんの話が、すごいんです。
「今日は祇園祭りの日程的に、何時ごろからお客さんが入ってくる」「今日は朝晴れてて雨になりそうだから、避難してくるお客さんがいる。そのときこういう対応をするといい」「今日は外が暑いから人は来るけど、買わない人が多い日になる」——
どこを調べても出てこない、そのお店だけの経験則を山ほど持っている。これはAIには絶対に出せない情報です。
マーケティングで本当に大事なのって、こういう「長年のリアルな経験から出てくる知見」だと改めて思いました。
おそらくですがおのおじいちゃんの数十年分の日記と、お天気のデータと、周りのイベント情報、向かいの大丸のイベント情報、高島屋の催事情報などをすべて入れてやっと同じような結果が出せるのだと思います。
「自社だけのデータベース」を持っている会社が強くなる
AIが普及してくる中で、今後強くなるのは独自のデータを持っている会社だと感じています。
どれだけAIが進化しても、「何のデータをAIに食わせるか」を考えるのは人間の仕事です。ネット上のありふれたデータではない、リアル店舗でお客さんと話した内容、そこから感じた肌感覚——そういうデータはAIが自分では持ちようがない。
「AIで全部自動化して、私たちは何もしない」という使い方は、誰でもできます。だからこそ差がつかない。
リアルの現場でお客さんの声を聞いて、それを分析して、経験則ではなくデータとして蓄積していく。他の会社には使えないけれど、自社では最強のソースになる。そういうものを地道に積み上げていくことが、AI時代の本当の戦い方なのかなと最近思っています。