メインコンテンツへスキップ

ブハラ駅前でからっぽ。ーーウズベキスタンがどういう国だかわからなくなってゆく旅 21

    Bed & Breakfast"Nazira"は朝食つきである。

    バンケット・ルームの天井は高く、
    壁面の白い壁には、装飾がほどこされ、
    美しいポットや壺が飾られている。

    パン2種、
    カテージチーズ、
    目玉焼き、
    メロン、葡萄、
    お茶。

    私が食事を終えると、
    若いスペイン女性四人組が食事に現れた。
    私たちは挨拶を交わす、Good Morning!

    私はブハラが大好きになった。
    だから何日でもここにいたかった。
    私のウズベク旅行は15泊17日で、
    あと一週間ほどある。

    しかし、まずはKhivaとNukusを見て、
    そしてブハラへ戻って残った日を過ごし、
    最後にタシュケントへ飛び、
    東京へ戻ろうと決めた。

    私は再訪を誓いつつホテルをチェック・アウトし、
    大好きなボロハウズ・モスクを見学し、
    タクシーでブハラの鉄道駅に向かった。


    改めて鉄道駅を見ると、
    VOKZAL- ВОКЗАЛ と掲げられている。
    いま知ったことには、どうやらVOKZAL(ВОКЗАЛ):は、
    ロシア語で「駅」を意味するようだ。
    他愛もないことながら、些細なことでまごつく。

    BukharaからKhibaまでは列車で6時間半ほど。
    残念ながら本日分の切符は売り切れているか、
    あるいはそもそも列車がなく(?)、
    明日の朝、5時32分発の便しかないらしい。
    やむなく私はそれを買った。

    駅前に、TIME LUNCH BEST BEER HOSTELなるものを発見する。
    定食屋併設のホステルである。
    若っぽい中年男は、
    一泊300000スムだと言う。

    ホステルの名前こそ私好みではあるものの、
    しかし、窓もなく、ベッドとシャワールーム兼トイレットがあるだけの、
    いたって殺風景な部屋である。
    鉄道駅が近いことだけがとりえである。
    なんと部屋には鍵もない。
    若っぽい中年男は陽気に答える、
    「大丈夫。うちのホステルに心配はないよ。」

    私はこのホステルに泊まることにして、駅周辺を散策した。

    しかし、ブハラであってなお、
    ボロハウズ・モスクとその周辺を離れてしまえば、
    ただのどこにでもある都市である。

    私はいったいここでなにをやっているのだろう?

    旅に出ると必ずこんなふうに思う瞬間が訪れる。
    もう慣れっこだ。
    吹いてくる風が心地よい。


    A Journey in Which I Gradually Lose Track of What Uzbekistan Is

    Chapter 21 — Empty at Bukhara Railway Station

    I have fallen in love with Bukhara. Its mosques, shops, narrow residential lanes, and old walls seem to blend history with everyday life. After breakfast at my small guesthouse, where I exchange a brief “Good Morning!” with four young Spanish women, I check out, promising myself that I will return.

    At Bukhara railway station, however, I discover another Uzbekistan. The sign VOKZAL — ВОКЗАЛ reminds me that even the word “station” is something I have to learn here. My train to Khiva will not leave until the next morning, so I find a strangely named hostel near the station: TIME LUNCH BEST BEER HOSTEL. The room has no window—and not even a lock.

    I walk around the neighborhood. Away from Boro Hauz and the historic center, Bukhara suddenly looks like an ordinary city.

    What am I doing here?

    I have asked myself this question many times while traveling. By now, I am used to it.

    The wind feels good.


    つづく




    #ウズベキスタン

    #中央アジア
    #旅行記
    #旅
    #Uzbekistan
    #Bukhara
    #CentralAsia

     
     
    アジアを歩き、文学と歴史の記憶をたどる紀行エッセイスト。文明が揺れ動く時代に、人間の声を探しています。  julliassuzzy.tokyo@gmail.com

    あなたへのおすすめ