
【創作大賞2025】一生分の“甘え”
小さな手のひらから、大きな愛情をもらっている毎日。
その「いま」が、かけがえのない宝物だと気づいた話をちょっとだけ。
「男の子は甘えん坊、女の子はしっかりしてる」
そんな言葉を、子どもが生まれてからよく耳にするようになった。
実際に育ててみると、たしかにそうかもしれないな、と思う。
男の子はとことん甘える。
ぴったりくっついてきて、ぎゅっとして、
ママじゃなきゃダメって泣いたりする。
面白いくらい、ぜんぶを預けてくる。
その重みも、あたたかさも、今しかないものなんだろうなと思う。
でも、ふと思う。
こんなに甘えてくる男の子も、
大きくなったら、すっと離れていくのかもしれない。
まるで一生分の「甘えたい」を、小さいうちに全部使い切るかのように。
もしかしたら、だから男の子は強くなるのかもしれない。
たくさん甘えて、たくさん安心して、
心の奥に“大丈夫”をしまい込んで。
そしていつか、自分の足で歩いていく準備を、
知らないうちにしているのかも。
一方で、女の子は…と私は思い返す。
たしかに、少し早くに「自分の世界」を持ち始める子が多い気がする。
私自身もそうだった。
だけど不思議と、親との関わりは、長く、静かに、続いていく。
友だちのような、でもちょっと甘えられる距離感で。
だから私は、今、
目の前でめいっぱい甘えてくれるこの子たちを、
愛おしくて仕方ないと思う。
抱っこをせがんだり、ちょっとしたことで泣いたり、
なんでもない毎日の中で、
この子は、たくさんの「好き」を私に渡してくれてる。
その気持ちを、
私の手のひらで、心で、そっと受けとめておきたい。
いつかこの子が、自分の足でしっかり歩いていくその日まで。