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【10・終】倜のサむ゚ンスミュヌゞアムからの脱出【理科謎解き小説】

    å…š10話の理科謎解き小説、最終話です。

    前回たでのあらすじ
     無事、倜の科孊通から脱出しお元の䞖界に戻るこずができたこはるずキュヌノ。
     長かった月31日の倜は終わり、぀いに月が来たのだった。

    前話はこちら↓


    「マトむくん、お疲れさた」
     こはるは、講垫控宀になっおいる理科宀の扉を開けた。
     マトむは、壁に貌られおいる掲瀺物を興味深そうに読んでいた。
     こはるは実隓机の䞊に、差し入れの緑茶のペットボトルを眮く。怅子を匕き出しお座るず、マトむもこはるの向かいに座った。
    「マトむくんが匕き受けおくれおよかった。生埒も喜んでたよ。ありがずうね」
    「こちらこそ、ありがずう。小孊生にもわかるように自分の研究をたずめるっお、すごく勉匷になるんだよね」
     そう蚀っおマトむは穏やかに笑った。
     
     なんずなく連絡しにくいず思っおいたのは、こはるだけだったようだ。こはるからの玄か月ぶりの連絡は小孊校での職業講話のオファヌだったが、マトむは戞惑う様子もなく、快く承諟しおくれた。
    「子どもたちに科孊を奜きになっおもらうのも、研究者の仕事みたいなものだからね」
     マトむはペットボトルを開けお、緑茶を口にした。
     二人が䞀息぀いおいるず、ふず廊䞋を走る足音が聞こえおきた。
    「あはは、小孊生は元気だね」
    マトむが笑っおいるうちに、足音はどんどんこの郚屋に近づいおきたようだ。ガラリず音を立お、理科宀の扉が勢いよく開いた。

    「マトむさん」
     元気に入っお来たのは、キュヌノだった。
    「オレ、マトむさんの話を聞いお感動したした握手しおください!!」
     キュヌノはマトむの手をずり、䞡手で匷く握りしめる。
    「キュヌノくん、廊䞋は走らないあず郚屋に入る前にノック!!」
    うちの生埒が迷惑を  
     こはるはマトむの様子をうかがうが、マトむは特に気にする様子がない。
    「キュヌノくんっおいうのかな嬉しい蚀葉、ありがずう」
    「生きおる研究者に䌚えるなんお最高やっぱり生きおる研究者もかっこいい!!」
     キュヌノはマトむの手を握ったたたぶんぶんず倧きく振った。
    「ふふ、たるで生きおいない研究者に䌚ったこずがあるみたいだね」
    あ、ダバい
    「もちろん冗談だよね、キュヌノくんあははは、面癜い冗談だなヌ」
     こはるがキュヌノに目配せをするず、キュヌノは、
    わかっおるよ
     ずでも蚀うようにいたずらっぜく笑った。
     
     あの日迷い蟌んだ倜の科孊通のこずは、今のずころこはるずキュヌノだけの秘密ずいうこずにしおある。
    他の人に知られたら倧問題だし、マトむくんに知られたりなんおしたら、倧喜びで探怜に出かけちゃうに決たっおる
     ずいうわけで、特にマトむにだけは絶察にバレおはいけないのであった。
    「オレ、マトむさんにもっず聞きたいこずがあっお来たんだ。
     先生、マトむさんず話しおもいい」
     こはるはマトむに目を向ける。マトむが笑顔でうなずくのを芋お、こはるは蚱可した。
    「いいよ。ただし、聞いたこずを自䞻孊習ノヌトにたずめお提出するこず。
     倏䌑みの『お仕事むンタビュヌ』の宿題、結局キュヌノくん出しおないからね」
    「あれは、曞いたけどなくしちゃったんだよ曞いたんだからいいじゃん」
    「ずにかく、代わりずしお提出しおもらいたす」
     キュヌノずこはるのやりずりを芋おいたマトむは、口に手を圓おおくすくす笑った。
    「なんかこはる、先生っぜいね。生埒ずもすごく仲が良いみたいで、さすが」
     マトむの蚀葉を聞いお、キュヌノは䜕かに気づいたようにマトむずこはるを順に芋る。
    「『こはる』  もしかしお、マトむさんっお先生の元カ」「ちょっず!!」
     こはるは机の向こうに身を乗り出し、あわおおキュヌノの口をふさぐ。
    「キュヌノくん、お願いだから他の子には蚀わないで  」
    「どうしよっかなヌ」
     キュヌノはこはるを芋おにやにやず笑う。
    「この前うちの班の女子が『先生っお圌氏いるのかな』っお話しおたよ。
     みんな興味接々だず思うんだよね」
    「もヌ!!」
    「キュヌノくん。僕からもお願いするから、内緒にしおあげおくれない」
     二人を楜しそうに眺めおいたマトむが、キュヌノに声をかけた。
    「ほら、キュヌノくんの聞きたいこず、䜕でも答えるから」
     マトむからの蚀葉にキュヌノは顔色を倉える。
    「マトむさんずの秘密っおこず!?そういうこずならオレ、絶察に守りたす」
    たったく、研究者ずいうだけでこんなにはしゃいじゃっお。この扱いの差は䜕なんだろう
     こはるはため息を぀きながらも、ふいに気づいた。
    でも、孊期のずきのキュヌノくんだったら、同じ班の子が話す内容なんお気にしおもなかっただろうな

     孊期に入っお玄か月が経った今も、授業䞭のキュヌノの様子はやはり倉わっおいない。昚日も、授業䞭に自分の垭でこっそりペットボトルロケットを飛ばそうずしおいるのを芋぀け、厳しく泚意したばかりだ。でも、昌䌑みや攟課埌に、キュヌノはずきどきこはるのずころに来お理科の話をしおいくようになった。今日出おいる雲の圢の話や、宇宙の話や、䞖界にいる謎の生き物の話  。その話を暪で聞いおいお興味を持ったクラスメむトが、だんだんずキュヌノに話しかけるようになり始めおいる。
     今はただ、キュヌノの方から他の生埒ず積極的にかかわっおいるずはいえないが、
    ひょっずしたら時間の問題なのかもな――
     
     こはるががヌっず考えおいる間に、キュヌノずマトむの話は癜熱しおいた。マトむの研究テヌマである埮生物のこずや、最近マトむが出した論文のこず、そしお、マトむが将来目指しおいるものに぀いお。
    「今はただただだけど、ノヌベル賞をずるのが小さい頃からの憧れなんだよね」
     そう蚀っお、少し恥ずかしそうにマトむが頭をかく。
    「!!」
     目を芋開き、キュヌノが怅子から立ち䞊がった。
    「オレも!!オレも、将来研究者になっおノヌベル賞ずるのが倢なんです」
    「なるほど。じゃあ、確率を䞊げるためには、たずは長生きしないずね」
     にっこり笑うマトむに、キュヌノが銖をかしげた。
    「長生き」
    「ノヌベル賞の受賞察象は生きおいる人だけ。どんなにすばらしい研究をしおいおも、亡くなった人は察象倖になっおしたうんだ」
     マトむはそう蚀っお、少し悲しそうに笑った。
    「昔、僕にそう教えおくれた人がいたんだけど、亡くなっおしたっおね。
     僕が人生で最初に出䌚った研究者で、僕が研究者を目指すきっかけになった、憧れの人だよ」
    え、わたしも初耳なんだけど
     こはるはマトむを芋る。
    「そうだね、こはるにも蚀ったこずなかったよね」
    「マトむさんの憧れ聞きたい」
     キュヌノは興味接々に、話の続きを促す。
     
     その人ずマトむずの出䌚いは、今から十数幎前、マトむが小孊生のずきだった。
     䞡芪、効ずずもに倧孊の孊園祭に遊びに来たマトむは、家族ずはぐれおある研究宀に迷い蟌んでしたったのだずいう。
    「そのずき、あの人に出䌚ったんだ」
     孊園祭の日でもお構いなしにい぀も通り実隓をしおいたその人は、マトむの登堎に驚いた様子だった。だが、初めお芋る実隓噚具にマトむが興味を持ったこずに気づくず、嬉しそうにあれこれ玹介しおくれた。自分の研究内容に぀いおだけでなく、広く理科の魅力に぀いおも、その人はマトむに熱く語った。
    「花火の色には炎色反応がかかわっおいるずか、発酵食品を぀くる埮生物ずか、身近にある理科に぀いおいっぱい教えおくれお」
     小孊生だったマトむは、倢䞭になっお話を聞いた。
    『理科っおすごい僕も将来研究者になっお、ノヌベル賞ずりたい』
     マトむが、初めお将来の倢を持った日だった。『ノヌベル賞』なんおあんたりよくわからないたた蚀ったマトむだったが、
    『それでは、長生きしなければな』
     そう蚀っお、その人は笑っおマトむの頭をなでおくれた。倧きな、枩かい手だった。
    「同じ研究がしたいず思っおその倧孊に入ったけど、その人はもう亡くなっおいお  。
     でも、僕の研究テヌマはその人から匕き継いだものなんだよ。この前やっず論文が出せた」
     マトむは遠い目をする。
    「きれいな人だったな。長い銀髪で、癜衣をなびかせおいお  」
    「えっ」
     こはるは、キュヌノず顔を芋合わせた。
    「もしかしお、その人の名前っお――」
     秋の颚が校庭を通り過ぎ、ススキ畑の銀色の穂を優しく揺らした。
     
    おわり


    「倜のサむ゚ンスミュヌゞアムからの脱出」は党10話で完結です
    読んでくれおありがずうございたした

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