
え、何が?反映さん。 #01 汐留、内定取消しと再就職
「え、内定取り消しですか」
電話はすぐに切れた。僕は受話器を置き、頭を掻いた。
僕は履歴書を買いに外に出る。途中、個人文房具店を見つけた。
二人の店員を一瞥してから、履歴書を探す。
「反映くん、一個聞いていい?」
「急になんですか、店長。まあ別に、いいですけど」
店長と反映くんと呼ばれる店員が話し始めた。
「反映くんって一人暮らしなんだっけ」
「あーはい、一人暮らしですよ。まあ、両親ももう亡くなってるんでね」
僕は二人を横目で見た。
「ああ、そうなんだね」
店長の声は尻すぼみだった。僕は聞いていないふりをし、履歴書を探す。
「ハハハ、店長は冗談通じないなぁほんと、ハハハ!」
反映君と呼ばれる店員は、バシバシと店長の背中を叩いて笑っていた。
「もう勘弁してよぉ、触れちゃいけない話かと思って焦ったよぉ」
店長は肩をすくめながら笑っている。履歴書が見つかった。
レジにはスタッフ募集のポスターが貼られていた。
「スタッフ募集してるんですか」
「してるよ。働く?」
僕は新品の履歴書の束を見た。
「お願いします」
「じゃあ明日から、働いてもらおうかな。こちらの反映君と」
僕は自己紹介を兼ねて挨拶をした。
「よろしくな、汐留」
反映さんはメモを僕に渡してきた。
メモに視線を落とす。「そろそろ来日らしいよ、アイツ」と書かれていた。視線を戻すと反映さんが口の前で人差し指を立て、一度だけ頷いた。
僕も遅れて頷いていた。僕の頷きを確認した反映さんは店の前で掃き掃除を始める。
僕は店長と反映さん声をかけてから家に帰った。