
え、何が?反映さん。 #04 店舗併設型の家
「汐留くん、ちょっと手伝って」
2階から店長の声がした。階段を登るといくつもダンボール箱が積み重なっていた。
「僕じゃあ、重くて運べないから下まで運んでくれる?」
「はい」
店長が先に階段を降りる。
僕はダンボール箱を抱えて階段を降りる。
「珍しく働いているな、汐留」
反映さんは一階から見上げるようにこちらを見ている。
僕が階段を降りると、「じゃあ俺も」と言って反映さんは階段を昇った。
僕は店長の用意した台車にダンボール箱を乗せた。
「ここまで運んでくれれば、あとは僕がやるから残りも頼んだよ」
「わかりました」
階段を昇ると反映さんが腕を組み、片足をダンボール箱に乗せていた。
僕が一番手前のダンボール箱を抱えると、反映さんが足元のダンボール箱をズズッと前にズラした。
僕はダンボール箱を一階へ運んだ。
再び階段を昇ると反映さんは、片足をサッカーボールに乗せ、サッカーのユニフォームを着て腕を組んでいた。
「キックオフです!」
「一個ぐらい手伝ってよ」
「うむ」
反映さんは険しい顔で頷いてから、サッカーボールを脇に抱えて階段を降りていった。
僕は残された段ボール箱を運ぶ。
「ありがとう汐留くん。助かったよ。こんな重いものを何度も運べるなんてねぇ。若いっていいねぇ。僕なんかが持ったらすぐに腰を痛めそうだよ」
「いやぁ、しょうがないですよ店長。これ結構重いですから」
「そうだぞ、店長。俺らは店長にそこまで期待してないからな。そこまでというか全くといっていいぐらいだ」
反映さんは「ハハハ」と笑い、店長の背中をバシバシと叩いた。僕は首と手を横に振っていた。
「君たちは優しいなぁ、本当」
店長は肩をすくめていた。
嬉しそうだった。