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Second Wind第98話 あらがえぬ衝動むクス

    Second Wind

    第2ç«  霧の䞭の岐路
    第98話 あらがえぬ衝動むクス


     《 残念ですが、もうお䌚いする぀もりはありたせん。
     すべおを倱っおからでは遅すぎるこずもありたす。
     ご掻躍を心から祈っおいたす。ありがずう。 

     唯 》

     
       愕然がくぜんずした。

     メヌルを送ったものの、数日埅っおも返事がないのである皋床の芚悟はしおいた。が、これではあたりに突然すぎる。

     「なんだよ   これ  」

     番組収録が終わった盎埌、僕はふず受信メヌルに気づいお、無防備にそれを開いおしたった。

     たるで、心の準備ができおいない。
     気持ちが、远い぀いおいかない――。

     あたりにも、勝手じゃないか  

     出䌚いも。別れも。い぀だっお突然、僕の心の䞭に入り蟌んできたくせに。

     やっず抱きしめたず思ったら、こうしお䞀瞬の倢だけを残しお、たたすり抜けおしたう。あの倜以来、䞀人心が囚われたたたの僕は、これから圌女の想い出だけを抱いお生きおいくのか  


       圌女の衚情。声。たなざし。
     どれを思い出しおも、あの倜の圌女に嘘はなかった。

     そしお、気づく――。簡朔な別れの文章に挟たった、謎めいた蚀葉。

     “すべおを倱っおからでは遅すぎるこずもありたす”――。


     すべおを倱うのは、果たしお圌女なのか
     それずも――。

     瞬間、頭に䞀気に血がのがった。
     それは、自分でも戞惑うくらいの衝動だった。

     折しもこの日、僕たちは次の舞台のPRのためにテレビ局を蚪れおいた。
     そしお最悪なこずに、僕はこの数時間埌、圌女が同じ歌番組の収録でここに来るこずを知っおいた。

     スタゞオにはその日の出挔者を瀺すボヌドのようなものがあっお、偶然そこに圌女の名を芋぀けたのだ。僕らの二週ほど埌の攟映予定だった。芋぀けた時には胞が高鳎ったが、たさかこんな圢で圹に立぀ずは倢にも思っおいなかった――。

     「リりさん。申し蚳ないけど、次の珟堎には先に行っおおもらえたすか 僕、ちょっず知り合いに䌚っおいきたいんです。必ず遅れないようにタクシヌで向かうので、どうかお願いしたす」

     僕は本番の衣装のたた、自分の手荷物だけ持っお玠早く支床をした。
     急げば、次の収録が始たるたでに圌女を捕たえられるかもしれない――。

     僕がそう懇願するず、リりさんは、「むクスがそんなこず蚀うなんお珍しいな」ずちょっず戞惑った様子を芋せた。が、すぐに笑いながら片手を振っお送り出しおくれる。

     去り際、勘のいいキオずトりマが怪蚝な衚情をしおいるのがわかったが、僕はあえおそれを無芖しお、楜屋を出た――。

       スタゞオには、出挔者が必ず通る通路ずいうのがある。
     僕はそこにあるベンチに陣取っお、音楜を聎きながら圌女を埅぀こずにした。

     この埌もたた別の局で収録があるので、衣装を身に぀けたたただった。時間がないから仕方がないずはいえ、ふず自分の姿を省かえりみるず、服装も行動もひどく的倖れにはちがいなかった。

     そんな自分の焊りっぷりに、思わず溜め息が出る。

     仕事を抜け出すなんお、本圓にどうかしおる。  普段なら、絶察こんなこずしないのに――。これじゃあたるで、恋愛したおの高校生みたいじゃないか

     “ Your name 心を握る
    䞀瞬で 胞が走り出す ”――。

     今床の舞台で䜿う曲の歌詞ず、そんな自分の姿が劙に重なり、ただひたすら苊笑するしかなかった。

       やっぱり、結局は迷惑っおこずなんだろうか

     急に匱気な心が喉元たでせり䞊がっおきお、慌おお頭を振る――。

       勢い蟌んで行動には出おみたものの、いったいどんな颚に切り出したものか。
     少なくずもここを通る圌女の傍らには、あの、垞に目を光らせおいる敏腕マネヌゞャヌ・沢厎女史がいるはずだ。
     おそらく䞀晩だけの僕らの関係は、ただ誰にも知られおいないだろう。圌女ず盎接話がしたいのは山々だが、決しお困らせたいず思っおいるわけではないのに――。

     どうしたら、なるだけ波颚を立おずに蚀葉を亀わせるだろうか

     そんなこずを思案しおいるうちに、ずうずう、圌女が来おしたった。


    続き  第99話 察峙唯
    目次  長線小説『Second Wind』


     
     
    長線小説『Second Wind』を連茉䞭。 華やかな䞖界の片隅で、静かに止たっおしたった時間が 再び動き出すたでの物語。 静かな始たりから、やがお運呜を揺るがす奔流ぞ。