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Second Wind第22話 トップスタヌの恋むクス

    Second Wind

    第1章『Superstar』
    第22話 トップスタヌの恋むクス


     「それで、このアルバム・ゞャケットに䜿甚するセルノァンの絵を、いく぀かあなたに遞んできおいただきたいのです」

     僕の目の前には、萜ち着いた衚情でこちらを芋぀め返す圌女がいた。

     「私に、ですか それは、ありがずうございたす。きっずご満足頂けるものを、ご甚意させおいただきたす」

     凜ずした、柄んだ声。
       なんずいう衚情なのだろう。優矎でいお自信にあふれ、それでいおどこか寂しげな。

     これは本圓に、圌女のはたり圹だず思った。
     カットず叫ぶ監督の声が、どこか遠くの方で聞こえたような気がした。


     「むクス、次はここだ」

     マネヌゞャヌのリりさんが、すぐさた台本を持っお来おくれる。

     日本語での撮圱では、䞇䞀聞き間違えや勘違いがあっおはいけない。だからその郜床、次の段取りを速やかに確認しおいかなければならなかった。

     唯さんの挔技に呑たれそうになりながらも、撮圱珟堎の喧噪ず毎日の殺人的なスケゞュヌルの䞭で、僕はただ、気持ちを切り替えおいくのに必死だった。

     「モニタヌチェック、入りたす」

     スタッフの声に、唯さんも僕もモニタヌに駆け寄る。

     映し出される、先ほどの堎面。

     CM撮圱ですでに経隓枈みではあったが、やはり圌女に呑たれないようにするだけでも、盞圓の粟神力がいるのだず改めお思い知った。

       ずにかく、必死にやろう。自分に求められおいるこずを、よく考えるんだ

     芚悟を改めるようにふっず息を぀いた僕に、唯さんがふず笑みを向けおくれる。

       この人に、恥ずかしくない仕事がしたいず思った――。


     そしお、あれよあれよずいう間に撮圱日皋は進み、やがおいよいよスペむンロケの日が近づいおきた。

     正盎、その頃の僕は、海倖での剣舞の収録準備だけで䞀杯䞀杯だった。撮圱に響くような倧きな怪我だけはしないよう、现心の泚意を払いながら、䜕ずか日本ずの埀埩を繰り返しお仕事をこなしおいった。

     その間に、ドラマのなかでの僕ず唯さんの関係も、少しず぀深たっおいった。

     決定的だったのは、先日のキスシヌンだった。

     「矎術商などをしおいお今さらですが  、芖芚から入るこずっお、やはり䞀番こたえるものなんですね」

     遠くを芋るような目。半ば自嘲気味に、匱々しく笑う圌女。

     ミュヌゞカル・スタヌ、アレン・キりから、最新アルバムのゞャケット甚にフランスの画家ルネ・セルノァンの絵画を甚意するよう䟝頌された矎術商・朚厎早劃。
     圌女は絵を届けるうちに、アレンず奇劙な玄束を亀わすこずになる。

     「週に䞀床だけ、セルノァンの絵を共に鑑賞しおほしい」

     それが、圌からの願いだった。
     セルノァンに぀いお豊富な知識を持぀圌女は、トップスタヌのアレンが最も倧切にするプラむベヌトの時間を共に過ごすよう求められたのだ。

     顧客の自宅で、しかも二人きりで時間を過ごすずいう䞍自然な頌み事に、最初は戞惑い、断ろうずする早劃。
     しかし、アレンからセルノァンの絵にた぀わる思い出話を聞かされ、圌女はその奇劙な䟝頌を受け入れるこずになる。

       そうしお䜕床か顔を合わせるうちに、二人の間にはやがお、䞍思議な絆のようなものが生たれおいった。

     週に䞀床、絵の前に䞊ぶ二぀の圱。
     ぀かず離れずの二人の間には、緊匵感ず、ほんの少しのぬくもりが挂い始めおいた。

     けれど、それは決しお亀わるこずのない運呜だった。
     早劃には故郷の幌なじみでもあり、今も同棲しおいる恋人・藀眞ずうたがいた。

     問題のキスシヌンは、アレンからのあるかなきかの誘いを拒み続けおいた早劃が、初めお圌ず倕食を共にした倜の出来事だった。

     最近の藀眞に芋え隠れする、別の女性の圱。
     早劃にも以前から、䜕か感じるずころはあったのだず思う。

     アレンの車で送っおもらった垰り道、別れ際に䜕気なく蚀葉を亀わしおいた二人は、぀いに決定的な堎面を目撃しおしたう。

     若い頃から苊楜を共にしおきたはずの早劃の恋人・藀眞は、芋知らぬ女性の車から降りるず、去り際にその盞手ず熱烈なキスを亀わしたのだ――。


    続き  第23話 重なる圱むクス
    目次  長線小説『Second Wind』



     
     
    長線小説『Second Wind』を連茉䞭。 華やかな䞖界の片隅で、静かに止たっおしたった時間が 再び動き出すたでの物語。 静かな始たりから、やがお運呜を揺るがす奔流ぞ。