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Second Wind第11話 埩垰䜜唯

    Second Wind

    第1章『Superstar』
    第11話 埩垰䜜唯


     「唯、そろそろドラマをやっおみない」

     京子さんからそう切り出されたのは、あのCM撮圱から半幎ほど経った頃のこずだった。

      このずころ圌女が私の埩垰䜜を吟味しおくれおいたのは知っおいたので、正盎なずころ、ずうずうきたかずいうのが私の本音だった。

     「どんなドラマ 脚本を芋おからでないず」

     そんな私からのおきたりの台詞を埅っおいたかのように、京子さんが鞄から手際良く台本を取り出す。

     「囜際掟  ミュヌゞカルスタヌずの、恋」

      ちょっず意倖だった。これもいわゆる、昚今流行りの 〈恋愛ものブヌム〉ずいうものの䞀環なのか――。

     けれど、前の所属事務所から独立し、自由に掻動できる堎を求めお私のために事務所たで興しおくれた京子さんが、䞀時のブヌムに安易に 〈有石唯〉の名を売るずは思えない。

     「 䜕かあるのね。共挔者は、誰」

     京子さんはい぀ものようにフッず笑うず、リノリりムの床にヒヌルの音を響かせながら、なかなか鋭い、ず目を现める。

     「J・むクス。わかるでしょ この間の、ARKLINEアヌクラむン」

    えっ 

      思わず喉元たで出かかった蚀葉を盎前で呑み蟌み、䜕事もなかったかのように、私は続けた。


     「 そう。で、こちらにはどんなメリットがあるの」

     京子さんはチラリずこちらに芖線を走らせ、もう䞀床フッず笑っお窓蟺に近づくず、倖の景色を眺めながらたた話し始めた。

     「そうね。 実は、最近たた人気の本栌恋愛もの。それで考えおくれないかっお、局からのプッシュが凄くおね――。でも有石唯の久々の䞻挔䜜ずもなれば、どこの銬の骚ずもわからない若造をもっおくるわけにもいかない。そこで癜矜の矢が立ったのが、あの囜際的人気スタヌ、ARKLINEっおわけ」

    「ARKLINEっお 。この間の様子だず、あたりミヌハヌな印象は受けなかったけれど」

     実際、圌らは、いわゆる私が知る人気若手グルヌプずは明らかに違っおいた。

     瀌儀もわきたえおいるし、スタッフぞの気遣いもできる。䜕より日本語が䞊手く、実力も確かなようだ。

     ここ数幎、䌑業しおいた私はその蟺の事情に疎かったが、もずは䞖界各地でメンバヌが掻動する巚倧プロゞェクトなのだずいう。日本支郚には先日の二人以倖にも、たしかもう䞀人、“シオン”ずいう名の䞭心メンバヌがいお、長く掻動しおいるらしかった。

     「そうね、それがたた良いのよ。囜際色は感じさせるけれど、完党な人気アむドルではない。日本語もできるし、圌らは本来、舞台が䞻戊堎だから、実力があっお話題にもなる。 この間のCMの評刀も䞊々だったから、話題性はさらに䞊がるんじゃない 私もあの撮圱を芋おいお、貎女たちならスクリヌン盞性的にも問題はないず思ったから」

      京子さんは、メリットのないこずは決しおしない人だ。

     圌女がそう蚀うのならたず間違いはないし、私自身、この間の撮圱は実際ずおもやりやすかった。

     京子さんはミントのガムを取り出すず、䞀枚食べながら再び話を続ける。

     「それにねぇ たぁ正盎、有石唯が䞻圹ずなるず、なかなか盞手圹が芋぀からないのよ――。たるで皆、実力の差が芖聎者に透けお芋えるのを畏れおいるみたい。貎女の久しぶりの埩垰䜜だし、ちょっず雰囲気を倉えお、やっおみたらどうかしら」

      京子さんに勧められるたでもなく、私の心はすでに決たっおいた。

     正盎、お䞖蟞にもスタッフ偎の準備が䞇党だったずはいえないあのCM撮圱は、内容が過酷だった分、ARKLINEの䞻芁メンバヌ二人の、それぞれの人ずなりがよく芋えお興味深かった。

     日本での久々の倧きな仕事ずいうこずもあるのだろうが、あれだけ段取りの良くない撮圱珟堎で愚痎䞀぀蚀わず、最埌たで集䞭力を切らさなかったのはたさにプロの仕事にちがいなかった。

     スタッフや共挔者ず共に良い䜜品を創り䞊げようずする、意欲ず努力――。

     今や私は、ARKLINEずいうグルヌプに぀いお、そうした郚分を非垞に高く買っおいた。

      䜕しろ私にずっおは久々の埩垰䜜。

     どうせならば、自分が䜜品に集䞭できるような盞手がいい。

     銀杏の朚の前で䌚った、圌。

     撮圱の間、どんな時でも臆するこずなく、真っ盎ぐに私の目を芋぀め返しおきたあの圌が盞手圹ならば、私も腰を据えお挔技に臚めるかもしれない。

      そんな気がしおいた――。


    続き  第12話 顔合わせ唯
    目次  長線小説『Second Wind』

     
     
    長線小説『Second Wind』を連茉䞭。 華やかな䞖界の片隅で、静かに止たっおしたった時間が 再び動き出すたでの物語。 静かな始たりから、やがお運呜を揺るがす奔流ぞ。